砂上 の商品レビュー
柊令央、感情が安定しているのか周囲に興味がないのか気持ちの動きのない人。こういう人が作家になるのか…と思って、読んだ。彼女の成長若しくは変化を見届けた感じ。
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ポイントが三つある。 小説家を目指している柊玲央が小説を生み出していく苦しみ、新人を叱咤する編集者、そして柊玲央本人の人生事情。 いや、むしろ登場する小説に厳しい目線の編集者小川乙三を描くことで、桜木紫乃さんの小説への心意気を言いたかったのかのではないかと。 この小説中の小...
ポイントが三つある。 小説家を目指している柊玲央が小説を生み出していく苦しみ、新人を叱咤する編集者、そして柊玲央本人の人生事情。 いや、むしろ登場する小説に厳しい目線の編集者小川乙三を描くことで、桜木紫乃さんの小説への心意気を言いたかったのかのではないかと。 この小説中の小説「砂上」が、もし出版されないという結論だったらどうだろう。やっぱり小説家志望はあきらめないのか?また、本になったのはいいけれど、売れなかったら?読まれなかったら?読者に理解されなかったら? 出版されなくて、売れなくて、うずもれていった物書きたちの積んでも積んでも崩れる砂の山。
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純文学新人賞に応募を重ねながらも、候補作止まりの40歳の柊令央。突然現れた編集者の一言で渾身の一作を書く決意をする。直木賞作家の著者が創作の苦しみを描ききる、新たな到達点。 芥川賞を受賞するような純文学作品は、自らの身体を切り刻んで創作するようなものと聞いたことがある。自分や身内...
純文学新人賞に応募を重ねながらも、候補作止まりの40歳の柊令央。突然現れた編集者の一言で渾身の一作を書く決意をする。直木賞作家の著者が創作の苦しみを描ききる、新たな到達点。 芥川賞を受賞するような純文学作品は、自らの身体を切り刻んで創作するようなものと聞いたことがある。自分や身内の恥をさらけ出す、それが読者の共感を呼ぶ。他人の恥ずかしい部分を人々が求め、作家はそれに応えるからこそ文学の世界が成立する。
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