砂上 の商品レビュー
小説を書く人と 書かせる人と 小説の中の人生と 現実の生活が どれがホントでどれが嘘か曖昧になりながらも ふりしぼるように文章にする主人公に心打たれます。
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主人公は40歳独身女、柊令央。ビストロでバイトしながら小説書いている。 離婚した元夫からの慰謝料を頼りに生活しているが、最近は滞りがち。 向こうも生活が厳しいと金額の値引きを打診されたり・・・。 直近、母が死んだらしいが、それにたいしての感情は希薄なようだ。 疎遠な妹がいるが、お...
主人公は40歳独身女、柊令央。ビストロでバイトしながら小説書いている。 離婚した元夫からの慰謝料を頼りに生活しているが、最近は滞りがち。 向こうも生活が厳しいと金額の値引きを打診されたり・・・。 直近、母が死んだらしいが、それにたいしての感情は希薄なようだ。 疎遠な妹がいるが、お互いにあまり干渉しあわないドライな関係だ。 この妹が実は娘で・・そのあたりの身の上話を私小説風にして書いていたのだが。 あちこちの文芸新人賞などに原稿を応募しては落選を続けている。 そんな落選原稿に目を止めて連絡してくる風変わりな女編集者小川乙三。 「あなたの身の上話など、誰も興味ありません」 と言いながら、その身の上話に興味を持ち、近づいてきて 「主体性のなさって、文章にでますよね」 とか、嫌味に富んだ抽象的な示唆で叱咤激励、指導鞭撻していくという話。 この乙三が助言する小説作法が、おそらく桜木さん自身の手法でもあって。 その手の内を赤裸々に明かしているとこが大きな読みどころだ。 しかしどこかにテレもあるのか・・抽象的な言い回しで煙に巻いている感じがあって 私的にはもどかしかった。 もっとはっきり言ってよ!(ちゃんと教えてよ!)って。 あとは、主人公の家族やビストロ親子、元夫らとの身の上話が 書いている小説の内容とリンクしてくという構成で。 令央は、常に主体性なく、まわりに流されて そこはかとなく卑屈な虚無を漂わせ、自分を憂いていて。 他の登場人物たちも、なんか腹に一物を抱え、すれ違っていて・・。 この令央の身の上話をどう受け止めるかが、本作の好みの分かれるポイントだろうけど。 私としては。 結局、自分以外の他人のことは親子だろうが兄弟だろうが姉妹だろうが、 他人の気持ちを頭で理解することはできても感覚として共感はできない。 それはそれで仕方ないんだ。そういうものなんだ。 と、そんな事が描かれているように感じた。 あと感じたのは、男と女のどうしようもない違いかな。 この作品に出てくる男たちは特にしょうもない奴らばかりで。 著者の・・かどうかわからないけど男に対する冷たい視点が厳しい・・・。 どちらかと言えば女性向け作品かもしれない。
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桜木紫乃、2作目。やっぱり暗い そもそも、共感を感じる小説ではないんだろうけど、それ以前に主人公を好きになれないと、読んでいて辛い。 主人公の令央は、編集者に言われる様に主体性がない。それだけではなく、弱い立場の人にはキツい。例えば元夫に対して。 一方強い相手、編集者の乙三や娘...
桜木紫乃、2作目。やっぱり暗い そもそも、共感を感じる小説ではないんだろうけど、それ以前に主人公を好きになれないと、読んでいて辛い。 主人公の令央は、編集者に言われる様に主体性がない。それだけではなく、弱い立場の人にはキツい。例えば元夫に対して。 一方強い相手、編集者の乙三や娘の美利に対しては、ほぼ何も言い返さない。その切り替えというか態度の違いが、気持ち悪い。 かと言って、乙三や美利が魅力的な訳でもない。むしろキツいし苦手だ。 そんな感じだったので、この作品も好きにはなれなかった。
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小川さんがこわい。あんなにビシビシとムチ打たれたら、そこに小さなアメが入っていようともまったく意味がなさそうだ。小説、まして私小説のようなものを書こうと思ったら、とてもタフでないとやっていけないんだなぁ・・・。 小説を書くというマラソンの給水ポイントで、励ましの言葉をかけつつ熱い...
小川さんがこわい。あんなにビシビシとムチ打たれたら、そこに小さなアメが入っていようともまったく意味がなさそうだ。小説、まして私小説のようなものを書こうと思ったら、とてもタフでないとやっていけないんだなぁ・・・。 小説を書くというマラソンの給水ポイントで、励ましの言葉をかけつつ熱いコーヒーを手渡すような人だ。でも令央は熱いものを飲む度胸があるんだな、とも思った。書き直しを重ねることも、自分の過去をさらけ出すこともできる。それはやがて、元・夫への態度や母の過去に触れるという変化につながり、更にそれによって自分の位置や感情が定まっていくことで、書いている物語が「リアルな作り話」になっていったのかなと思う。 令央の実際の人生、日々よりも、彼女が小説を書くために通る道筋がおもしろかった。
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*「あなた、なぜ小説を書くんですか」北海道・江別で平坦な生活を送る柊令央は、応募原稿を読んだという編集者に問われ、渾身の一作を書く決意をする。いつか作家になりたいと思いつつ40歳を迎えた令央にとって、書く題材は、亡き母と守り通した家族の秘密しかなかった。執筆にのめりこむうち、令央...
*「あなた、なぜ小説を書くんですか」北海道・江別で平坦な生活を送る柊令央は、応募原稿を読んだという編集者に問われ、渾身の一作を書く決意をする。いつか作家になりたいと思いつつ40歳を迎えた令央にとって、書く題材は、亡き母と守り通した家族の秘密しかなかった。執筆にのめりこむうち、令央の心身にも、もともと希薄だった人間関係にも亀裂が生じ―。直木賞作家・桜木紫乃が創作の苦しみを描ききる、新たな到達点! * うーーーん?? 桜木さん、好きな作家さんなのですが。 冷淡な女編集者の言いたいことがよくわからず、主人公の書く小説の良さも全く伝わって来ず・・・ 人間関係の機微についてはさすがでしたが、珠子おばさんをあそこまで怒らせる必要性あったのかな、とも。その辛辣さまでもネタにするのが小説家の性なんだ、と言う暗喩なのでしょうか。もやもやする読後感でした。
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この小説に出てくる人も解説の新井さんもみんな全然優しくなくて、なのに清々しくさっぱりした後味。 日常がねっとりした優しさや必要以上の厳しさなんかに覆われてるからですかねー。 作家も編集者も大変だ!! 読むだけってありがたい。
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なにかよくわからないけど、早く続きが読みたいと読み進めていった小説だった。 すべてが共感できるというわけでもないけど、自分と重なる部分があったりして考えさせられた。 おもしろかった。
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10年連れ添った旦那と別れ、彼の不貞による慰謝料とバイト代で暮らしながら文章を書き続けてきた令央。「主体性のなさって、文章にでますよね」と編集者から言われるほどどこか掴みどころがない彼女は、母であるミオと、母の子として育てた実の娘美利との関係もどこか希薄。そんな自分、母、娘との関...
10年連れ添った旦那と別れ、彼の不貞による慰謝料とバイト代で暮らしながら文章を書き続けてきた令央。「主体性のなさって、文章にでますよね」と編集者から言われるほどどこか掴みどころがない彼女は、母であるミオと、母の子として育てた実の娘美利との関係もどこか希薄。そんな自分、母、娘との関係を題材にした文章「砂上」はミオの死により色を帯びたものとなる。 主体性がなくても人間関係が希薄でも生きてれば文章書けるしオッケー それよりもまず自分の人生を肯定しながら生きることが1番大事なのかもな〜と編集者の乙三の発言から思ったりした
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読みたい桜木紫乃全開で、ホントあの一行から始まる小説俺も読みたい! ちょっとラブレスを思い出しますね。現代版ってとこか。増えた40kgのエピソードも読ませてもらいたかったな。 裏小川乙三、気になりますね!!
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なんとも心に入ってこない話。 登場人物と同い年なのにこんなに感情移入できないものか。とらえどころのない人という印象。先がどんどん気になって読み進めてしまうような、ストーリー性のある話の方が好みの自分には、合わなかったかな。
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