やわらかい砂のうえ の商品レビュー
めんどくさい。 この物語の主人公、税理士事務所で働く恋愛経験ゼロの24歳、駒田万智子は、ひたすらめんどくさい。 自分を選ばれし者ではないと言い切り、外見も自分自身にも自信を持てない。 かと言って謙虚なのかと思えば、他人に対して「許せる」発言をしたりする。 本人も自覚していない...
めんどくさい。 この物語の主人公、税理士事務所で働く恋愛経験ゼロの24歳、駒田万智子は、ひたすらめんどくさい。 自分を選ばれし者ではないと言い切り、外見も自分自身にも自信を持てない。 かと言って謙虚なのかと思えば、他人に対して「許せる」発言をしたりする。 本人も自覚していない傲慢さの原因は、全て凝り固まった思考と自身の世界の狭さにある。 出逢った人達に揉まれ、少しずつだけど小さかった世界に広がりが生まれ、自分自身や他人を大切に思える様になる。 イタくて拘りが強くて不器用で、それでも憎めない万智子と早田の未来に幸あれ。
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本多税理士事務所に勤める鳥取県出身の24歳の万智子は許容範囲が狭く面倒くさい性格である。本当は心の優しい生真面目な人間である。 そんな万智子が初めて男性と交際する。その男の名前は早田。子供ぽっい所があるが優しい心を持った好青年。 そんな二人だからすれ違いが生まれ上手くいくはずがな...
本多税理士事務所に勤める鳥取県出身の24歳の万智子は許容範囲が狭く面倒くさい性格である。本当は心の優しい生真面目な人間である。 そんな万智子が初めて男性と交際する。その男の名前は早田。子供ぽっい所があるが優しい心を持った好青年。 そんな二人だからすれ違いが生まれ上手くいくはずがない。共通する点は勘違いされやすい二人。 本多先生からアルバイトを紹介され、了さんたちの『あつまり』に参加する。 歳上の魅力的で芯のある女性たちから頂いた言葉が万智子の懐を深くする。 自分に自信を持つ、美しくなるとは、他の誰かのようになることを目指すのではなく、自分が自分のまま世界と向き合う力を得ること。不躾な他人の視線を、毅然と跳ね返せるということと、人の心の中の問題はわたしのありかたとは、なんにも関係ない。 そして、再会した早田と、不安定なやわらかい砂のうえを手を繋いで、時には手を放して向き合っていけるだろう。お互い素直な心で。
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相手に言いたい事を言えない、自分の内面を見て理解してほしいという万智子は周りからは『面倒くさい子』と言われる。冬、美華、了から言われたグサリと刺さる言葉を自分なりに考えて消化し、相手を尊重しようという気付くのは彼女の良い所だ。 私の心にも刺さる言葉がたくさんあった。 自分に自信が...
相手に言いたい事を言えない、自分の内面を見て理解してほしいという万智子は周りからは『面倒くさい子』と言われる。冬、美華、了から言われたグサリと刺さる言葉を自分なりに考えて消化し、相手を尊重しようという気付くのは彼女の良い所だ。 私の心にも刺さる言葉がたくさんあった。 自分に自信がない人にオススメしたくなる一冊。
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p225 人はひとりでは生きていけない、なんて言うけど、誰かと手を繋いでいたら転んでしまう時だってあるんだと知った。 ためらいなく繋いだ手を離せるように、隣を歩いている人を信じる。自分の足でしっかり立つ。 そのことを、忘れないでいよう。 やわらかい砂の上に、また一歩足を踏み出した。 手を繋いでいなくても信じられる人がいて、 やわらかい砂のうえ、近くに足跡を残し合いながら進めたら、それもまた幸せなのだと。
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いつもながら星は4.8ぐらい。 (個人的には5だけれど誰にでも勧めるか、というところで) 数ページ読んだだけで、いくつもクスッとしたり、ジーンとする表現に出会う。 思ったことをすぐ口にしてしまう私とは正反対の主人公だから共感、ということはないのだけど、こういう人もいるのだ、と...
いつもながら星は4.8ぐらい。 (個人的には5だけれど誰にでも勧めるか、というところで) 数ページ読んだだけで、いくつもクスッとしたり、ジーンとする表現に出会う。 思ったことをすぐ口にしてしまう私とは正反対の主人公だから共感、ということはないのだけど、こういう人もいるのだ、と周りの人を思い浮かべながら読みました。 ほぼ恋愛経験もないのに「結婚したい!」と言っている娘、周りに流されて結婚してしまったと思われている姪に勧めたい。
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あー優しい人ばっかり癒し。 マチコの不器用さが素敵。まるで漫画を読んでいるかのような。安野モヨコ的なキャラをやんわり描きだす表現力。ほんと好き。古内さんの夜食カフェ的な。人生に味方がいるっていいな。
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融通が効かないところや自分の世間が狭いこと、 潔癖で「こうあらねばならない」で他人を無意識に裁いてしまうところ、 成人してからも処女で恋愛経験皆無なところ、化粧に興味がなく仕事場にもしていかないところ、 他人を外見で判断するくせに自分は中身を見て欲しいと思っているところ、 主人公...
融通が効かないところや自分の世間が狭いこと、 潔癖で「こうあらねばならない」で他人を無意識に裁いてしまうところ、 成人してからも処女で恋愛経験皆無なところ、化粧に興味がなく仕事場にもしていかないところ、 他人を外見で判断するくせに自分は中身を見て欲しいと思っているところ、 主人公の属性がそのまんま過去の私で読んでいて痛かった。 出身地や住んでいるところは全く違うが、ところどころで主人公が思うことがすんなり理解できて、私も世間知らずの子供なんだと思うと、痛い。 と、途中まで読んだ時に思ったが いつの間にか考え方が変化していて、早田さんとも菊ちゃんとの向き合い方が変わっていて驚いた。 最後まで読んでも、なんでタイトルが「やわらかい砂の上」なのか分からなかった。 読み終えた後はなんだかすっきりしなくてモヤモヤが残る。
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出てくるねえさんズがかっこいい! 「女の子」が自分の人生を生きるということを理解していくタイプの小説。
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10代、もしくは二十歳前後くらいで読んでいたら刺さっていたかも。 特に初めての彼氏と付き合う時に読めば良かった。
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わかる。私もマチコみたいなこと考えてることある。人の発言にちょっとモヤっとする感じもすごくわかる。 一回だいぶかなり不穏になって、モヤモヤしてたけど、最後いい感じで良かった。続き読みたい…
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