やわらかい砂のうえ の商品レビュー
そうそう、20代の頃自分も本当にこの本の主人公みたいだったな。と思った。人として…みたいなことばかり気にしていて他人を許せず、自分のことも嫌いで。世間知らずで頑なで。 今(40代)になればあの頃気にしていたことはそんなに重要じゃなかったと思えることばかりだったなと思う。 でも、...
そうそう、20代の頃自分も本当にこの本の主人公みたいだったな。と思った。人として…みたいなことばかり気にしていて他人を許せず、自分のことも嫌いで。世間知らずで頑なで。 今(40代)になればあの頃気にしていたことはそんなに重要じゃなかったと思えることばかりだったなと思う。 でも、万智子は3人のお姉様方(年齢はまちまち)の仲間に友達として入れて貰えて、驚いたり、呆れられたり、楽しんだりしながら少しずつ成長。 その成長が微笑ましくて読み進めるのもとても楽しかった。 生きていくのは楽しい事ばっかりではないけど、がんばる価値のあることだ と思える一冊だった。
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寺地はるなさん、安定の面白さ。 こういう徐々にそれぞれの人の完全ではないところが見えてくる人の描き方が好きだ。 そして、完全でなくてもその人として前を向けるようなラストも好きだ。 まちこの、こうあらねばならないという潔癖な考え方、でも、自分のそんな側面を知り、ダメなところはダメと...
寺地はるなさん、安定の面白さ。 こういう徐々にそれぞれの人の完全ではないところが見えてくる人の描き方が好きだ。 そして、完全でなくてもその人として前を向けるようなラストも好きだ。 まちこの、こうあらねばならないという潔癖な考え方、でも、自分のそんな側面を知り、ダメなところはダメと言ってくれ、わかって関わってくれる周りの人もいる。そんな大人の過ごし方はいいなと思った。
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まるで自分を見ているような主人公であった。了さん達3人組のような強くしなやかな女性になりたいものです。 心理描写の言葉が素敵でつい付箋をしたくなってしまう。
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「いくつになっても娘は娘ですから 」で泣く。娘を想うお父さん、お母さんネタに弱い。。 菊ちゃんの妊娠をお父さんに告げた時の「万智もなにか菊田さんの力になれることがあるといいな」このセリフも満点だった。 万智の考え方とか、早田くんの言葉など、若い頃ってそんな事もあったなーって感じで思い出したりして、なんとも言えない感情になったけど、読後感はすっきり。
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とても大好き。また、読み返したい。 「自信持つぞ、って自分で決めてもったらええねん。」美香さんのセリフ。かっこいい。
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万智子のこのこじらせ感、めんどくさい感じ…親近感笑 関西弁の会話が心地いい。この「あつまり」に参加したい。歳の離れた友達も、とてもいいな。 ⭐️心に留まった言葉たち 「相手についてよく知っている」ことは、わたしにとっては友達の絶対条件ではないから。 母が死んだ時、もちろん悲しかったけれども、ほんのすこしだけほっとする気持ちもあった。苦しいつらいと、けっして言わない人だった。黙って耐える姿がかえって痛ましかった。もうがまんしなくていいね、ゆっこちゃん。病院のベッドで熱をうしなっていく母の手を握ってそう声をかけた父も、同じように感じていたのかもしれない。 恋なんかしなくても生きていける。でも父と母のように、自分の半分、と思える相手に出会えたらとてつもなく心強いだろう。 「役に立つとか立たないとか、人間は道具ではありませんからね」 「傷つくほうがおかしいとか弱いとか、それは傷つける側の理屈や」 「不愉快だと思ったことは不愉快やって言うたらええねん。失礼なこと言われたら、ちゃんと怒りなさい。万智子は万智子のために怒る義務があるんやで」 「わたし自信ないんですぅって言ってる方が楽やもんね」 「もう誰の子どもでもなくなってしまったのだと思うと、心もとないですね」 「心配する相手がいるというのは、いいものです」 「友だちに力を貸すのに、理由なんかいらないだろう」 「めんどくさい、と感じた瞬間はあったかもしれない。でもそれはお母さんを嫌いになる理由ではなかった」 「自分に自信を持つ」ということは「わたしは美しい」と思えるという意味ではなかったと気づく。わたしがわたしのまま世界と対峙する力を持つ、ということなのだ。不躾な他人の視線を毅然と跳ね返せるということ。 えらいとか尊敬とかそんな言葉で菊ちゃんを嬲るな。ほめる態で嘲笑うのはやめろ。 早田さんがわたしの思っていたような人でないと感じるたび、ショックを受けていた。ほんとうのわたしを好きになって欲しいと願いながら、自分は目の前にいる早田さんを理解しようとしなかった。 ⭐️自分の好みに合わせてくれるあなたを気に入ってくれる人じゃなくて、あなたが好きなあなたを好きになる人に、いつかきっと会える。
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嫌いなところまで好きになれないところまでまるごと好きになること、それでも好き、って思える人に出会えること、そう思える努力をすること、そう思える自分になること、そのための自信は自分の力でつくること、それから毎日を歩くとき、何かひとつを全てとしてしまわないこと。万智子のめんどくささが...
嫌いなところまで好きになれないところまでまるごと好きになること、それでも好き、って思える人に出会えること、そう思える努力をすること、そう思える自分になること、そのための自信は自分の力でつくること、それから毎日を歩くとき、何かひとつを全てとしてしまわないこと。万智子のめんどくささが身につまされて刺さって沁みた。好きと嫌いを総合的に考えてやっぱり好きだと思えることは素敵なことだけど、嫌いなだけじゃない好きなところもあると総合的に考えて、だけどやっぱり嫌いだと、両方の面を見た上で自分の中で気持ちを選ぶことも悪いことじゃないと思いたいなと思う。それだけ、総合的に好きな人は稀有な存在だと思えるだろうし。
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正確に書くと星3.9。 主人公が話が進むごとに今までとは違う人たちと関わっていって考え方を見つけていくのが、今の自分とリンクしてすごく良かった。 作中に出てくる主人公の新しい方の『友達』が、私の理想の要素を持っていて素敵だと思った。 寺地さんの作品は寺地さんらしさ、良さを残しなが...
正確に書くと星3.9。 主人公が話が進むごとに今までとは違う人たちと関わっていって考え方を見つけていくのが、今の自分とリンクしてすごく良かった。 作中に出てくる主人公の新しい方の『友達』が、私の理想の要素を持っていて素敵だと思った。 寺地さんの作品は寺地さんらしさ、良さを残しながら、いろんな職業が出てきたりして、それもまた新しい寺地さんの作品を読む楽しみになっている。
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繊細さと傲慢さ併せ持った生き辛く不器用な主人公にもどかしさを感じながらも少し共感を持つ自分もいた。自分をしっかり持ち、他人を理解し受け入れられる素敵な人達との関わりの中で、柔軟性を持ち成長していく様に、じわじわと温かい気持ちになっていった。心に刺さるフレーズがたくさんのあり、やさ...
繊細さと傲慢さ併せ持った生き辛く不器用な主人公にもどかしさを感じながらも少し共感を持つ自分もいた。自分をしっかり持ち、他人を理解し受け入れられる素敵な人達との関わりの中で、柔軟性を持ち成長していく様に、じわじわと温かい気持ちになっていった。心に刺さるフレーズがたくさんのあり、やさしい気持ちになれるいい作品だった。
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寺地はるなさんの本を立て続けに読んだ中でわりとマイルドな内容だった。 初めての恋愛ってこんなかしら。 愛玩動物ではありません、分かる。 誰のために美しくなるの?もちろん、自分のためなんだけど好きな人のために、それが恋愛の醍醐味なんじゃないのかしら?って思っちゃった。 マチコのそん...
寺地はるなさんの本を立て続けに読んだ中でわりとマイルドな内容だった。 初めての恋愛ってこんなかしら。 愛玩動物ではありません、分かる。 誰のために美しくなるの?もちろん、自分のためなんだけど好きな人のために、それが恋愛の醍醐味なんじゃないのかしら?って思っちゃった。 マチコのそんな姿が愛おしく思えました。 遠い昔の自分を思い出した。
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