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京都に女王と呼ばれた作家がいた の商品レビュー

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24件のお客様レビュー

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2024/10/23

山村美紗といえば、いつも華やかに着飾っていて、西村京太郎氏とお隣さんで京都に住んでいて、執筆しながら東京のホテルで亡くなったという事くらいしか知らなかった。 ご主人のことはもちろん、華やかさの裏では賞をとってないことでのコンプレックスや売れなくなることへの怯え、出版界では書くこと...

山村美紗といえば、いつも華やかに着飾っていて、西村京太郎氏とお隣さんで京都に住んでいて、執筆しながら東京のホテルで亡くなったという事くらいしか知らなかった。 ご主人のことはもちろん、華やかさの裏では賞をとってないことでのコンプレックスや売れなくなることへの怯え、出版界では書くことさえタブーとされていたゴシップを含め、素の山村美紗が本書では描かれている。 日本で一番本が売れた年に亡くなったベストセラー作家・山村美紗。今の出版業界の苦況を知らずにいれたことはある意味しあわせだったのかもしれない。

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2024/02/04

赤い霊柩車、火曜サスペンス劇場、山村紅葉、山村美紗。私にとって山村美紗は昭和を感じさせるドラマの原作者というイメージしかなく、そしてドラマ以外で原作を読んだことはなかったのだけれど、その強く逞しい生涯に一気に魅せられた。自分の魅せ方、宣伝方法をよく研究し、知り尽くし、マーケターと...

赤い霊柩車、火曜サスペンス劇場、山村紅葉、山村美紗。私にとって山村美紗は昭和を感じさせるドラマの原作者というイメージしかなく、そしてドラマ以外で原作を読んだことはなかったのだけれど、その強く逞しい生涯に一気に魅せられた。自分の魅せ方、宣伝方法をよく研究し、知り尽くし、マーケターとしても優れた人だったんだなぁ。女性というのが今よりもよほどハンディキャップがあった時代に、そこを逆手にとり道を切り開いていった人。そしてその彼女を影として支えて夫の存在。一筋縄ではいかない人の一生に思いを馳せた。そして読みやすかった!花房さんの本、また読もう。

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2023/09/29

著者、花房観音さん、どのような方かというと、ウィキペディアには、次のように書かれています。 ---引用開始 花房 観音(はなぶさ かんのん、本名非公表。1971年 - )は、日本の小説家・バスガイド。女性。夫は放送作家・フリーライターの吉村智樹。京都市在住(2017年9月現在...

著者、花房観音さん、どのような方かというと、ウィキペディアには、次のように書かれています。 ---引用開始 花房 観音(はなぶさ かんのん、本名非公表。1971年 - )は、日本の小説家・バスガイド。女性。夫は放送作家・フリーライターの吉村智樹。京都市在住(2017年9月現在)。 ---引用終了 で、本作の内容は、次のとおり。 ---引用開始 京都に住み、京都の女を描き続ける花房観音が迫る、京都に住み、京都を描き続けた山村美紗の生涯。歴史と情念、ミステリアスな京都の横顔は、美紗の小説とドラマ化された作品からきていると言っても過言ではない。 ---引用終了 現在の私の読書状況は、 山村美紗(1931~1996)の作品、ブクログ登録は1冊。 西村京太郎(1930~2022)の作品、ブクログ登録は3冊。 山村美紗さんは、65歳で亡くなっていたのですね。

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2022/11/04

最後の方に「美紗自身が、巍と祥に取り憑き『私のこと忘れないで』と言っているような錯覚も起こした」という一節があるが、むしろ山村美紗が筆者の花房観音さんにも取り憑き、筆を奪い、思うがままに書いたような気さえした。内容自体は興味深く面白いのだが、同じようなことを不自然なほど繰り返して...

最後の方に「美紗自身が、巍と祥に取り憑き『私のこと忘れないで』と言っているような錯覚も起こした」という一節があるが、むしろ山村美紗が筆者の花房観音さんにも取り憑き、筆を奪い、思うがままに書いたような気さえした。内容自体は興味深く面白いのだが、同じようなことを不自然なほど繰り返していたり強調していたり、なんだか花房さんであって花房さんでないような、かつて読んだ筆者の作品とは文章の印象が異なる。そして知っていること、知らないこと、結局は煙に巻かれたようなこと、いろいろ描かれているが、これほどの大物はすっかり世の中からいなくなったことにも思いを馳せた。一度だけ京都の高島屋で見かけた、ミステリーの女王の華やかな姿を忘れることはないだろう。

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2022/10/07

ミステリーの女王、 山村美紗の本当の姿に迫った ノンフィクションです。 出版界から干される覚悟でもって書かれた、 作者の熱意と勇気に拍手です! これまで、出版界のタブーとされた、 女王を私生活で支えた夫と、 仕事面で支えあった作家、西村京太郎さん との関係性にも迫っています。...

ミステリーの女王、 山村美紗の本当の姿に迫った ノンフィクションです。 出版界から干される覚悟でもって書かれた、 作者の熱意と勇気に拍手です! これまで、出版界のタブーとされた、 女王を私生活で支えた夫と、 仕事面で支えあった作家、西村京太郎さん との関係性にも迫っています。 女王本人が 3人の関係を最後まで明らかにしなかった (別に隠してたわけじゃないだろうけど) ところが、ホントのミステリーだったんでは?と 勘繰ってしまう。 家が隣の西村さんとは地下道で繋がっている という都市伝説は、私も耳にした事があります。 そこも女王の計算なのかもね。 まぁ、スキャンダルがあった方が 本が売れるものね。 そういう計算高さと、可愛いさと知性が、 共存した魅力的な人物であったことが この本から伺えます。 出版界(文壇ではない)の女王の生涯が、 本が売れていた古き良き時代の背景と共に、 よく描かれていると思います。 それにしても、女王は 1日20時間働いていたって… 小説にかける執念は凄まじいものがあります。

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2021/12/07

団鬼六賞でデビューした花房観音がミステリーの女王 山村美紗の生涯を綴ったノンフィクション。文春砲の標的にはならないベストセラー作家の実像に迫った力作。作者と同じく、湯河原で一度会ったことのある京太郎先生はとってもいい人そうだったよ。3.5

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2021/11/03

山村美沙という女性推理作家が誕生するまで、そして誕生後に京都を代表する作家になっていったその経緯が明確に語られる。彼女の父、兄が京大教授として知性を代表する血を共有しつつ、彼女は京都の花街にも詳しく、京都の名士の世界にしっかり根を下ろしていること。そして松本清張、西村京太郎ともそ...

山村美沙という女性推理作家が誕生するまで、そして誕生後に京都を代表する作家になっていったその経緯が明確に語られる。彼女の父、兄が京大教授として知性を代表する血を共有しつつ、彼女は京都の花街にも詳しく、京都の名士の世界にしっかり根を下ろしていること。そして松本清張、西村京太郎ともそこから交流が始まったこと。この2人との最初の出会いのエピソードは特に興味深い。そしてふたりの男とは京太郎ともう一人が夫・山村巍という中学教師だった人。結婚していたことも謎に包んでいたという山村美紗の生涯のユニークさに圧倒される。官能小説の著者が山村美紗の伝記を書いているということに、彼女の人生を自らに重ね合わせているという重みを感じた。

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2021/10/01

2サスロス、美紗ロスを抱えるわたしにはとても面白い内容でした。ここまで仕事にストイックだったとは。。。と発見も多く、これを機に古い小説を読み返そうと思っています。ファンにうれしい一冊をありがとうございました。

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2021/05/05

京都で学生時代を過ごし、ミステリー小説にめちゃくちゃハマったこともあるのになぜか山村美紗には手が伸びなかった。知人のオススメで本書を読んで俄然興味が。山村美紗の小説家としての執念に心打たれた。 あんなに人気があってもわずか20年で書店に並ばなくなるとは…。電子書籍ならいくつか読...

京都で学生時代を過ごし、ミステリー小説にめちゃくちゃハマったこともあるのになぜか山村美紗には手が伸びなかった。知人のオススメで本書を読んで俄然興味が。山村美紗の小説家としての執念に心打たれた。 あんなに人気があってもわずか20年で書店に並ばなくなるとは…。電子書籍ならいくつか読めるようなので、しばらくいろいろ読んでみようと思います。

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2021/04/29

京都を舞台にしたミステリーを寡占した理由や、まさにバブルを彷彿とさせる数々の行状、炎上商法や出版界の闇などが山村美紗さんを通じて見えた本。 元々彼女と西村京太郎さんの本は内容が薄くて好きではないのだけど、観光業界などともWin-Winで2時間ドラマにはちょうど良いのだろう。 内容...

京都を舞台にしたミステリーを寡占した理由や、まさにバブルを彷彿とさせる数々の行状、炎上商法や出版界の闇などが山村美紗さんを通じて見えた本。 元々彼女と西村京太郎さんの本は内容が薄くて好きではないのだけど、観光業界などともWin-Winで2時間ドラマにはちょうど良いのだろう。 内容としては濃くはないけれど、これを出すだけでも多くのタブーに触れてギリギリ出版できたとか恐ろしい。美紗さんや西村さんだけでなく美紗さんの夫も80歳になって娘よりも年下の女性と結婚して共同名義で個展を開くとか変わっている。今までは母親のコネで女優をやっていると思っていた娘の紅葉さんが一番まともで、むしろ色々苦労されたのかな…と思いました。

Posted byブクログ