俺の残機を投下します の商品レビュー
eスポーツをテーマにしたサクセスストーリーです。 2回目の東京オリンピックから約10年後の東京が舞台です。 成績が不振気味なプロゲーマーが、ある日突然目の前に3人の自分が現れる。離婚した家族やeスポーツ、自分と向き合うことで、主人公・一輝がどう成長していくのかが描かれています。...
eスポーツをテーマにしたサクセスストーリーです。 2回目の東京オリンピックから約10年後の東京が舞台です。 成績が不振気味なプロゲーマーが、ある日突然目の前に3人の自分が現れる。離婚した家族やeスポーツ、自分と向き合うことで、主人公・一輝がどう成長していくのかが描かれています。 「残機」とは、シューティングゲームやRPGなどで使われる単語で、ゼルダの伝説やドンキーコングなどで見るハートの残数みたいなものです。 現実的には、分身やドッペルゲンガーとして表現されています。どっちかというと、ホラーのような描かれ方が多いのですが、この作品ではあまり恐怖感を前面に出さずに客観的に見た自分を描くことで、今までの自分を見つめています。 話の筋としては、サクセスストーリーとして王道な展開なのですが、その中で垣間見る自分との向き合い方、個としての自分の在り方が残機を通して、重要視されています。 嫌なことや苦手なことは残機に任せることとすぐに振り分けるのではなく、全て受け入れて自分なんだという思いが込められているように感じました。 eスポーツということで、ゲームの格闘シーンも描かれていますが、思ったよりもあっさりと描かれているので、熱戦の雰囲気がそんなに感じませんでした。 でも、主人公が今までを再発見することで成長していく姿には、感動があるのではないかと思いました。 最後は、「世にも奇妙な物語」を彷彿させるような終わり方だったので、ちょっとしたザワザワ感があり、最後まで楽しめました。
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