アノニム の商品レビュー
ちょうどよいフィクション加減。 架空の人を実在した人間の中に描くよりは はるかにいい。 「ナンバーゼロ」という名の架空の作品。 しかし人間とは違い、実在の可能性を ほのかに感じることはできる。 未だ発見されないままどこかに眠っている 芸術作品…そう思うだけでワクワクできる。 ...
ちょうどよいフィクション加減。 架空の人を実在した人間の中に描くよりは はるかにいい。 「ナンバーゼロ」という名の架空の作品。 しかし人間とは違い、実在の可能性を ほのかに感じることはできる。 未だ発見されないままどこかに眠っている 芸術作品…そう思うだけでワクワクできる。 エンターテインメント性の強い作品だが フィクションに振り切ったからこその 最大のメリットだと思う。心から楽しんだ。 しかし…贋作をつかまされた側とアノニムたちの その後の物語がまったく出てこない。 なぜ?何かの意図? そのせいなのか、何か欠けているような 物足りないような読後感にモヤモヤしている。 それでも、このところの原田マハ氏の作品に よく見られた「架空の人物を狂言回しに仕立てる 手法」が、この作品にはなかったことには 正直ほっとしている。
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原田マハ作品らしい、読んでいてワクワクする、芸術作品を巡る小説である。 暗幕のゲルニカや楽園のカンヴァスが非常に面白く、以来、原田マハ氏の芸術モノをよく読んでいるが、この2作に比べると、面白みが薄い(贋作を買い取った彼らの結末は…?)というか、物足りないところはある。 しかし、芸...
原田マハ作品らしい、読んでいてワクワクする、芸術作品を巡る小説である。 暗幕のゲルニカや楽園のカンヴァスが非常に面白く、以来、原田マハ氏の芸術モノをよく読んでいるが、この2作に比べると、面白みが薄い(贋作を買い取った彼らの結末は…?)というか、物足りないところはある。 しかし、芸術品義賊とでもいうべきアノニムが、オークションにてゼウス側に高値で買い取らせるミッションを遂げていくところが特に秀逸。読んでいるこちらもオークション会場の熱に巻き込まれていくような、不思議な心地がした。香港を舞台にしているからこそ、なのだろうか、熱っぽく、魅力的な作品であることは確か。
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2020年7月31日 登場人物多過ぎ。 まるで009のような仲間たち。 それぞれに特技を持つその技の第一人者、 それぞれがとてつもない金持ち。 現代のICTを駆使してミッションをやり遂げる。 でもそれは盗品を元の持ち主に還すこと。犯罪でありながら、世の為、人の為という行為。 仲間...
2020年7月31日 登場人物多過ぎ。 まるで009のような仲間たち。 それぞれに特技を持つその技の第一人者、 それぞれがとてつもない金持ち。 現代のICTを駆使してミッションをやり遂げる。 でもそれは盗品を元の持ち主に還すこと。犯罪でありながら、世の為、人の為という行為。 仲間がそれぞれの自分の役割を攻めていく感じがたまらない。 豪華なシチュエーションを映画化したら楽しそう。
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オーシャンズ○○ か スパイ大作戦か 英才君との絡みが何のためかよくわからなかったけど、彼も成長していくんだね。オークションの場面は本当にドキドキした。ゼウスとヘロデのその後が気になるけど、根本が悪い奴のことはほっとこう。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
盗難にあった美術作品を人知れずに元あった場所に戻すという謎の集団「アノニム」(←作者不詳という意味)。 今回の任務は、ジャクソン・ポロックの未発表作「ナンバーゼロ」をある人が最高落札価格で落札させて、なおかつ贋作とすり替えること。ある人とは、闇マーケットや窃盗など悪事お繰り返しているディーラー。 「アノニム」の人たちは、どのようにしてミッションを成功していくのか。 原田マハさんの作品ということで、文章の雰囲気が、今まで読んだ作品とは違い、エンタメ性が強く、ポップに書いているので、ちょっと驚きました。原田さんの新たな一面を垣間見たようで意外でした。 表では、建築士や修復士など美術関係に携わっている人たちですが、裏では結集して鮮やかに美術品を取り戻すというルパン三世やキャッツアイを彷彿とさせるような雰囲気を醸し出していました。 ただ読み進めてみると、映画「オーシャンズ○」のようなチームワークでミッションを遂行していて、面白かったです。特にオークションシーンが鮮やかでした。 しかし、登場人物がほぼ外国人で、さらに「アノニム」独特のコードネームのような名前も登場し、個人的にはわかりにくかったです。(「アノニム」のメンバーは最初の部分でイラスト付きで解説しています) 今回の注目は、ジャクソンポロック。あまり名前は存じ上げなかったのですが、実際に絵を見てみました。独創的で自分もできるのでは?という安直な感想でしたが、ポロックの絵を詳しく解説することで、勉強になりました。 こういった絵の歴史が、原田さんの小説を通じて学べるので 、色々お世話になっています。 一つの映画を見たようで、爽快感がありました。 ちなみにヘロデはその後、どうなったか気になりました。
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