名画で学ぶ 経済の世界史 の商品レビュー
世界経済の視点から西洋絵画を読み解く 切り口が、とても斬新で、筆者の語り口が、 講談師のように面白く、分かりやすい言葉に 置き換えられ、楽しく世界史と西洋美術史を 同時に学ぶことができた良本。 油絵やキャンバスの誕生秘話 ルネッサンスは、実はペストからの再生。 宗教画は、中世の...
世界経済の視点から西洋絵画を読み解く 切り口が、とても斬新で、筆者の語り口が、 講談師のように面白く、分かりやすい言葉に 置き換えられ、楽しく世界史と西洋美術史を 同時に学ぶことができた良本。 油絵やキャンバスの誕生秘話 ルネッサンスは、実はペストからの再生。 宗教画は、中世のパワポ。 なぜ、アメリカ人は、印象派が好きなのか 等詳しく解説。 個人的には、 美術館に行って誰もが名画を観る事ができるようになったのは、ナポレオンがルーブルのお宝を 市民に一般公開したのが、はじまり。 またナポレオンの登場によって、 絵画が、王族や貴族、教会の私的所有物から、 市民の公共財となり、画商は、パトロンから ビジネスマンになった変遷が面白い。 また、ゆっくり再読したい。
Posted by
絵画には当時の社会や経済までもが表れているということが、分かりやすく書いてある。 西洋絵画の見方を学ぶには入門編すぎるかもしれないが、興味をもつには十分ではないか。
Posted by
とてもおもしろかった。 いまEテレでやってる3か月でマスターする世界史が面白くて毎週見てるんだけど、ちょうど新大陸発見して産業革命くらいまで来たんですよね、この番組も遊牧民とかイスラム社会とか視点を変えてみることで、へ~なるほどなとなるのがおもしろいです。 絵画を通して歴史を経済...
とてもおもしろかった。 いまEテレでやってる3か月でマスターする世界史が面白くて毎週見てるんだけど、ちょうど新大陸発見して産業革命くらいまで来たんですよね、この番組も遊牧民とかイスラム社会とか視点を変えてみることで、へ~なるほどなとなるのがおもしろいです。 絵画を通して歴史を経済を学ぶのも、ヨーロッパの中世近代の勢力図やルネサンスやバロックロココ印象派などの趨勢も分かりやすい。 ばらばらの知識が立体的につながっていくのも気持ちがいい。 語り口調なのも読みやすい。良書。
Posted by
まるで海外旅行時に観光がてら美術館を案内されているかのような楽しい読書。絵画も複数掲載されており、文章と共に眼福を得る。で、それに纏わるエピソードを学びながら、結果、世界史に触れる事になる。 登場するのは、レオナルドダヴィンチ、ヤンファンエイク、ピーテルブリューゲル、レンブラン...
まるで海外旅行時に観光がてら美術館を案内されているかのような楽しい読書。絵画も複数掲載されており、文章と共に眼福を得る。で、それに纏わるエピソードを学びながら、結果、世界史に触れる事になる。 登場するのは、レオナルドダヴィンチ、ヤンファンエイク、ピーテルブリューゲル、レンブラントファンレイン、フランソワブーシェ、ジャンフランソワミレー、マネ、モネ、ルノワール、ウィリアムターナー、カナレット、ウィリアムホガース… 宗教画からキリスト教の歴史を学んだり、ルネサンスについて理解を深める。 例えば、黒死病(ペスト)による感染を恐れたベネツィアでは、船を40日間港に留め置き大丈夫であると確認するまでは船員を下船させなかった。この40日間は、後に検疫を意味する英語となる。また空気感染を恐れて部屋を区切る大きなタペストリーが流行した。風呂に入ると毛穴が開いて感染すると恐れた人々は入浴をしなくなり香水で体臭をごまかすようになる。風呂嫌いはその後もしばらく、ヨーロッパの伝統となった。 ペストが終わった後、銀行業を営むメディチ家がローマ協会と組んで、フィレンツェの再興を図る。ルネッサンスは、再生や復活という意味だが、古代ギリシャ、ローマ文化の再生であると同時に、イタリアがペストの不幸から再生した物語でもあったのだ ーという感じだ。 絵画は現代のパワーポイントのようだったと本書に書かれているが、識字率の低い時代には、確かに認知を共有する重要なツールだったのだろう。宗教やコマーシャルと親和性が高いという事がよく分かった気がする。 余談だが、名画は古く、著作権切れも多い。こうした絵画の商用利用にも、著者の賢さ(アイデア)が現れている気がした。
Posted by
田中先生の著書「会計の世界史」が面白かったので本作も購入。絵自体はたとえ知ってても作者のことはろくに知らないし、ましてやその頃の情勢なんて考えたこともなかったので、色々勉強になりましたし名画を見に行きたい意欲がマシマシになりました。まずは何かしらの美術展に行こうかな。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
サクサク読了 スペインから独立したオランダ(プロテスタント) 独立できなかったのがベルギー(カソリック) ナポレオンが美術品を公開、ルーブル美術館 ヴーヴクリコ、未亡人クリコの意味 ランスは何度も戦場に ジブラルタル海峡奪還で地中海から北欧への 船便が発達し、ランスは寂れる 印象派は(当時)贋作が少ないので米国人も安心して購入
Posted by
ルネサンスからはじまる西洋美術、絵画の歴史を辿るところは、一般的な美術史の本と共通していると思うけれど、 この本は、西洋美術において大きな動きのあった地域とメインとなる画家に焦点をおきつつ、さらにタイトルのとおり、その時代の経済史的な背景についても説明してくれるものになっている。...
ルネサンスからはじまる西洋美術、絵画の歴史を辿るところは、一般的な美術史の本と共通していると思うけれど、 この本は、西洋美術において大きな動きのあった地域とメインとなる画家に焦点をおきつつ、さらにタイトルのとおり、その時代の経済史的な背景についても説明してくれるものになっている。 こう書くと、すごく堅苦しい本に思えるけれど、そんなことはなく、著者自身の感想や趣味もまじえつつ、フランクな語り口で、楽しく読める本になっている。 絵画というと、芸術、文化というイメージがあるが、この本では、それだけでない、画家のパトロンの変化や、商品、投資対象としての絵画のあり方など、絵画には経済的な側面もあるということが、言われてみれば当たり前のことなのだけれど、発見だった。 また、絵画や芸術は、高尚なものと遠ざけてしまってはもったいない、もっと身近にふれて、視野を広げてくれるものなんだなと思える本だった。
Posted by
時代、国、経済状況、政治的なこと、いろいろな背景から絵の意味がよく見えるようになり視野が広がりました。 その絵だけみて説明を聞いてあまり理解できなくても、世界史の流れから見ると絵画はとても理解が深まります。 ここに出てくる絵画、現地に見に行ってみたいな。 田中さんの紹介と解説で...
時代、国、経済状況、政治的なこと、いろいろな背景から絵の意味がよく見えるようになり視野が広がりました。 その絵だけみて説明を聞いてあまり理解できなくても、世界史の流れから見ると絵画はとても理解が深まります。 ここに出てくる絵画、現地に見に行ってみたいな。 田中さんの紹介と解説でもっと他の絵画のことも知りたい。
Posted by
想像力を働かされる魑魅魍魎を含むのが絵画の醍醐味である。 複合文化の建築物Ⅳ 19世紀後半→機械の発達。身体が労働力としてではなく審美の対象となる→裸体は「美」によって価値付けされる。【裸体/自然⇨cultivate⇨culture(文化)】 WW1→身体の修正(整形技術の進歩...
想像力を働かされる魑魅魍魎を含むのが絵画の醍醐味である。 複合文化の建築物Ⅳ 19世紀後半→機械の発達。身体が労働力としてではなく審美の対象となる→裸体は「美」によって価値付けされる。【裸体/自然⇨cultivate⇨culture(文化)】 WW1→身体の修正(整形技術の進歩)→美容整形の流行(1990~) カラー写真、カメラの登場(オフセット印刷)→裸体市場のインフレ。→現代:イメージテクノロジーの圧力(身体イメージが容易にレタッチされる) ↓ 【イメージテクノロジー+加工テクノロジーによる相乗作用】 ——————————————————- アルフレッド•ノーベル:ダイナマイトの発明(ノーベル賞資金源であり、破壊的な「文化」の一旦) アントロポセン:人間の活動が自然に強い影響を与えた時代→純度100%の自然は存在せず、自然が文化と共存している状態が恒常的な自然である。(整形/タトゥー/メイク) ↓ 究極のアントロポセン 身体の初期設定の変更(出産前の優生学的身体の操作•加工)→ポスト(hyper)ヒューマンの誕生 自然は常に加工された自然であり、身体は既に加工された身体である。 ——————————————————
Posted by
すき。 いろんなこと知れて面白いってなって、このあと他の芸術史の本を借りに行ったくらい良かった。元々世界史好きだから知ってる話とかもあるからこそもっと楽しめた。
Posted by