バケモンの涙 の商品レビュー
大阪の旧家生まれのトシ子が幼い頃 博覧会で見た大きな音のする「バケモノ」 でも、それが生み出した「涙」のような菓子は 甘くてサクサク、すーっと溶けるものでした。 ポン菓子やね! これは戦後の日本でポン菓子製造機を 自社開発した女性をモデルに書いた小説です。 そもそも小さな頃から...
大阪の旧家生まれのトシ子が幼い頃 博覧会で見た大きな音のする「バケモノ」 でも、それが生み出した「涙」のような菓子は 甘くてサクサク、すーっと溶けるものでした。 ポン菓子やね! これは戦後の日本でポン菓子製造機を 自社開発した女性をモデルに書いた小説です。 そもそも小さな頃から機械いじりが好きで チャッチャとラジオとか修理したりして。 戦時下で先生になったけれど 教え子の子供たちは常にお腹をすかせていて 栄養失調で死んでしまったりも。 だから、戦後、ポン菓子製造機のことを知り たくさんの子供に食べさせたいと 自ら行動に移すのです。 とはいえ、お嬢さん育ちの鼻をへし折られたり 実際に作る職工たちと足並みがそろわなかったり 紆余曲折に頑張れ〜!と言いたくなる物語でした。
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トシ子さんの何度も心が折れそうになりながらも、必死にポン菓子製造機を作ろうと頑張る姿に涙が出た。 自分らしさって何なのか。そんな問いかけを自分自身にしながらも、中々分からないまま。現代社会を生きる人にも共通した事だと思う。 自分らしさいうんは、自分のことだけしとったらわからへん...
トシ子さんの何度も心が折れそうになりながらも、必死にポン菓子製造機を作ろうと頑張る姿に涙が出た。 自分らしさって何なのか。そんな問いかけを自分自身にしながらも、中々分からないまま。現代社会を生きる人にも共通した事だと思う。 自分らしさいうんは、自分のことだけしとったらわからへん。人のためになんかしたときに、よう分かるんと違うやろか。 この言葉がとても強く印象に残った。
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大阪の旧家で生まれ育ったトシ子。 小さい頃から機械いじりが好きな少女で、女中のヤエさんや祖母にしょっちゅう叱られていた。 正義感が強く、子供の面倒見の良さから19歳で学校の先生になったトシ子。 世の中は太平洋戦争の真っ只中で、食糧不足に苦しむ人々がたくさんいて、トシ子の学校の教え子たちも栄養失調で悲惨な状態だった。 食糧難から子供達をどうしたら救えるか。 幼い頃に見たポン菓子を思い出し、少ない燃料でお腹が膨れる食べ物が作れると、トシ子はポン菓子の機械を作ることを決意する。 家族を説得し、九州へ1人で渡り、工場を持ち九州のたくさんの人たちを説得して、機械が完成するまでの奮闘。 その間に亡くなってしまった大切な人たち。 空襲で見たつらい光景。 新しいことを成し遂げることっていうのは、大変なんだなあ。 ポン菓子を食べたくなったのだけど、まだ買えていない。
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機械の構造などが好きな大阪の金持ちのお嬢様教師が、太平洋戦争中、飢餓で亡くなる子供たちのためにポップコーン機器を北九州で作って完成させる物語。 戦時中の生活が場所によって違うことを知った。 大阪は酒は全く無く、米を炊く燃料もなくて米粒を生で食べ、空襲警報がなるたびにバタバタして避難するのに対して、北九州は酒が大量にあり、子供たちが飢餓で亡くなることはほとんどなく、空襲警報がしょっちゅうなるため大阪みたいにバタバタすることなく、「またなってる」とのんきに構えているなどの違いがあり、とても驚いた。 太平洋戦争中に生活した人々の様子や空襲の被害を、すごく具体的に書いてあったが、展開が進むのが遅く、何日もかけて読んだ。
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実在する女性の体験をもと 朝ドラのような テンポの良い 情景の浮かぶ 19歳で学校の先生として目の前の子供達を何とかしたいという気持ち一つで沢山の人を動かして、目的を達成する! 逞しい女性に勇気をもらえて元気が出ました! あっという間に読めました。
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109大阪のいとはんが憎い戦争から子供たちを救うために大奮闘。朝が来た、の広岡浅子を彷彿とさせる大活劇で、悲惨な中にも希望の見える作品でした。テレビになりませんかね。上品で気の強い感じの若手女優さん居ないかな。
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戦火で焼け苦しむ人々の描写、、、かなり辛かったです。現在のウクライナもこんな状況なんだろうかと考えるとますます胸が苦しくなりました。 ポン菓子ができるまでという話よりも、戦争の惨さがひしひしと伝わる作品でした。
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この本はどのようないきさつで書かれたのだろう? どうしてこれを書きたかったのだろう。 作者さんの他の本を読むと、戦争で人が死ぬのは飢餓だと言っていた。戦時中の話を聞き想像すると、本当に悲しい。辛い。苦しい。絶対に嫌だと思う。 歌川さんのキャラクターらしからぬ本の内容だった。 大阪のいいところのお嬢さんに生まれたトシ子。本当は工学の道に進みたかったのだが、太平洋戦争に向かう最中に国民学校の先生になる。 国民学校の生徒たちは飢えてみんな栄養失調でがりがりだった。ある日栄養失調で倒れたヨシ子ちゃんに穀物を持っていったのだが、持って行ってもそれを炊く燃料がない。ヨシ子ちゃんは何も食べられずに死んでいった。 燃料が少なくても食べられるにはどうしたら…許婚からパフライスの事をきいたトシ子。幼いころ梅田で食べた時の事を思い出し、そしてそれを作ろう!と決心する。 パフライス製造機(穀類膨張機という)を作るには並大抵の事ではなかったのだが、飢えて死んでいく子供たちを見たくない一念で戦争中でも鉄がある製鉄所の町、北九州に単身乗り込んでいく。 そこでは女だからと相手にされず、なかなか自分の思うように行かない。戦争に使う鉄製品を作ってからではないとパフライス製造機は作れないと言われ、飢えた子供たちを助けるためなら戦争の片棒を担ぐ仕事だってすると苦渋の決断をする。 あるとき職工さんが使っていた道具が壊れ、それをトシ子が直してからだんだんと信頼を得ていく。 心の支えだった幼馴染の修造さんが亡くなったのを聞き、パフライス製造機を作りたいという本心をみんなにぶちまける。そしてみんなに協力をあおいでいく。 最終的には、目標であった日本製鉄の総裁に相談することができ、日本製鉄の工場で鋳型を作ることができた。 戦争の爪痕はおおきかったのだが、穀類膨張機を日本中に届け飢えた日本を少しでも救いたいというトシ子の夢がかなう。 途中、空襲にあって亡くなった子供を背負った母親や、その背中で焼かれた子供の描写とかがあるのだけれど、 それだけでは少し弱いなぁ~と思った。空襲で何千人が亡くなったことの詳細を書けばもっと重々しくなったのではないかなぁ~と思った。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 太平洋戦争末期の大阪。国民学校の教師となった橘トシ子は、栄養不足で命を落とす子どもたちを救いたいと必死に願う中、ポン菓子の存在を知る。使命感に燃えポン菓子製造機を作ろうと北九州に乗り込む19歳のトシ子。苦難を乗り越え奮闘する姿に迫る感動の物語。(amazonさんより)
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どこまで事実で、どこがフィクションなのかなんて、野暮なことは言わない。 戸畑の言葉が、こんなに懐かしいとは、快いとは、思わなかった。戸畑を離れて、わずか7年目なのに。天心の赤を飲みたくなった。振る舞いたくなった。
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戦争の悲惨さが、違う角度から書かれた小説。改めて今の平和な日常に感謝し、大事に生きて行こうと思う。 話に引き込まれて、1日で読み終えた。
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