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雲をつかむ死 新訳版 の商品レビュー

3.5

24件のお客様レビュー

  1. 5つ

    3

  2. 4つ

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2021/02/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

最近病気して、全く読めていませんでしたが、ようやく読み終えることができました。 今回も、女性が多く登場していましたが、それぞれの性格や気持ちが丁寧に書かれていて、探偵小説を読んでいることを忘れそうでした。 裕福さを手放したくない美しいホーバリー夫人、ホーバリー伯爵を一途に想い続けるヴェニーシャ、親近感を持てるけれど賢いジェーン、どの女性達もとっても素敵でした。 個人的にはもっとモリソー親子についても読みたかったです。 ノーマンとジェーンが、クランシー(実際はポアロでしたが…)を尾行する場面からは、あちこち飛び回ったり、脅迫のふりをしたりと展開が早く、スパイ映画のようでした。 "ビッグ4"を読んだ時のような楽しさがまた甦ってきて、ページをめくるのがあっという間でした。 (クランシーについて、"彼女"や"あの男"など言われていましたが、結局、男性なのか女性なのか…混乱してます…お分かりの方いるかな…)

Posted byブクログ

2021/02/03

読みやすく、たんたんと進むストーリー。大胆なトリックを楽しむというよりは、伏線を楽しむ感じでした。最後まで犯人がわからず、さすがポアロといった感じです!

Posted byブクログ

2020/10/29

飛行機の中での殺人。相変わらず関係者が多く途中まで誰が誰だか整理できず…いつものようにひとりひとり丁寧に話を聞き、詳細に調査をして真実に近づいていく。いつも通りポワロの質問は私も理解できないのだが、最後にはそういうことか!と感心してスッキリ。最初の計画が成功していれば完全犯罪にで...

飛行機の中での殺人。相変わらず関係者が多く途中まで誰が誰だか整理できず…いつものようにひとりひとり丁寧に話を聞き、詳細に調査をして真実に近づいていく。いつも通りポワロの質問は私も理解できないのだが、最後にはそういうことか!と感心してスッキリ。最初の計画が成功していれば完全犯罪にできたかも。

Posted byブクログ

2020/09/21

さすがアガサ女史、安定の面白さで読み進めさせてくれる。 コロナ禍で心理的余裕が無いせいか、本が読めない状態だったがやっと復活。作品中何度か出てくる、人はみな自分のことを語りたいという抑えがたい欲求を持っている、という言葉も響く。舞台がいつもの汽車や船でなく飛行機なのも新鮮。 ...

さすがアガサ女史、安定の面白さで読み進めさせてくれる。 コロナ禍で心理的余裕が無いせいか、本が読めない状態だったがやっと復活。作品中何度か出てくる、人はみな自分のことを語りたいという抑えがたい欲求を持っている、という言葉も響く。舞台がいつもの汽車や船でなく飛行機なのも新鮮。 ただ個人的には、フルニエという中途半端に推理が効く(愛すべきジャップの単純さやヘイズティングの天真爛漫さと違って)存在のせいか、物語のキレが悪い気がした。ただ、あとがきにある「アクロイド殺し」と「そして誰もいなくなった」の間の飛び石的作品、との解説に納得。 とはいえ、今回も私はアガサ女史の手中で遊ばれ真犯人に自力で辿り着けなかった、、読み返すと犯人が自分で自分のこと殺人犯、と告白しているのに、一瞬オヤって思ったのに、、!、、ミルクボーイのネタのように、あ、犯人じゃん!、、でもコイツは違うか、、と打ち消してしまっていた。 登場人物の内心がセリフで語られるのってズルイな。何となく本人たちに心寄せてしまってミスディレクションに全部引っかかってる私。また天国のアガサさんをほくそ笑ませてしまった、、笑 ジェーン•グレイとアンヌ•モリソン。選ぶ男性によって女性の人生の陽と陰が決まる。ジェーンはポワロに救われたけど、その人の本質なんて自分ではわかりっこないのよ、善し悪しも偶然よ、とアガサ女史が教えてくれてるような。ポアロはビジネスライクといいつつ、人のココロの機微もようく観てて優しいんだよな。最後の言葉にも表れてる。まさにパパ•ポワロ。アガサ女史自身はポワロを嫌ってた(笑)みたいだけど、私にとっては、灰色の脳細胞と併せて、厳しさと優しさを持ち合わせた尊敬に値する人物。 そして、ジゼル。殺されても同情に値しないような人物が被害者になるのが常だが、本作は、夫に捨てられ、孤児院の娘にきっちり毎月送金、でも自分の判断で大金を送金して親子の縁を切る、若い頃はキレイだったのに天然痘で美貌が失われ、女を捨てて金貸し業で身を立てた、、と、心を動かされる人物だった。恐喝はダメだけど。この辺りの描写にアガサ女史の人を捉える慈愛みたいなのを感じるのは私だけかな。アンヌ•モリソーのこの結末は可哀想。。 いつもながら、真犯人わかってから二度読みしたくなるのに併せて、途中、写真の電送、、ってこの時代、FAXみたいなのがあったのか?この時代、飛行機の乗客の座席が向かい合わせ(CA席みたいに?)だったのー?とこりゃまた色々調べたくなる要素も。余韻が残る作品。

Posted byブクログ