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家族じまい の商品レビュー

3.7

160件のお客様レビュー

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    19

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2024/02/02

決して楽しく明るい話ではないが、細かな心の機微が丁寧に描かれているのに何となく惹かれて最後まで読み切った。 一人一人がいろいろな思いを抱えながらもそれを全て話せなかったり、言葉にできなかったりするのが家族なのかなあ… 登場人物が皆どこかサバサバとしており、「家族じまい」とい...

決して楽しく明るい話ではないが、細かな心の機微が丁寧に描かれているのに何となく惹かれて最後まで読み切った。 一人一人がいろいろな思いを抱えながらもそれを全て話せなかったり、言葉にできなかったりするのが家族なのかなあ… 登場人物が皆どこかサバサバとしており、「家族じまい」というタイトルが妙にしっくりきてしまう物語だった。

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2024/02/02

人生、ポジティブになれそうな、やっぱりなれないような、そんな際どいラインをずっと行く小説だった。面白かった。親目線からの自身の子供との関係ではなく、老いてきた自分が、更に老いている自身の親との関係に重点を置いた話だったのが印象的。親への愛情(または情)と子供への愛情(または情)は...

人生、ポジティブになれそうな、やっぱりなれないような、そんな際どいラインをずっと行く小説だった。面白かった。親目線からの自身の子供との関係ではなく、老いてきた自分が、更に老いている自身の親との関係に重点を置いた話だったのが印象的。親への愛情(または情)と子供への愛情(または情)は同じものなか?全く別物なのか?そんな考えが浮かんできた。 セリフの中に「自分の体から出ていった血縁のことは、そう大したことではない。」というようなセリフがあったが、これがこの小説の核をついている気がする。子供はいつか育ち、自分から離れていき、巣立ち、音沙汰もなくなることがあるが、それも悪くないことなのかもしれない。残るのは親や兄弟といった血縁との関係。そこを深掘りしている小説で、とても色々考えさせられた。

Posted byブクログ

2024/01/30

少し暗い雰囲気が終始漂う。 なんだかとてもリアルに家族の心の葛藤が書かれていると思った。 親の認知症、夫の円形脱毛症、考えただけで心が沈むような話題を考えさせられる。

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2024/01/24

やらなかったことと、出来なかったことって、同じなかったことでもずいぶん違うなあって、いま思った 29ページ 母の一生のなかで父が少しずつ死んでゆく。 無邪気な天使になってゆく母と、少しずつ死んでゆく父と、そのことをただ見ていることしか出来ない娘たちがいる。

Posted byブクログ

2024/01/10

縦軸に繋がって展開していく5人の女性の連作短編。今まで普通に存在していた家族の形から、手を放してしまわなければならない場面が訪れる。親と子、姉と妹、それぞれの関係性の中で変わっていくことは仕方のないことだと思う。この作品はとても身近に感じられ考えさせられた。

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2024/01/04

感想 家族の新陳代謝。自分が育った集団に固執する必要はない。いつか自分も子供に見捨てられるのだから。しかし割り切れない。それが人情。

Posted byブクログ

2023/12/26

もう重すぎて読むの限界!!!ってところで 視点が変わる絶妙な構成だった。 家族の一員として、許容や対立などの様々な葛藤を抱えながら生きてて、読みながらすごくもどかしかった

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2023/12/19

介護や老いが絡む話だからなんだろうが、読んでて気が滅入る。桜木さんの小説は何冊か読んだが、たんたんしていて寂しい思いになることが多い。どこがで少しユーモアが入ってくれればいいんだけどなぁ。年取るのが怖くなる。

Posted byブクログ

2023/12/11

姉から借りて読書。 文章表現としては、文学的でなかなか入りにくい表現と、ユニークでスッと入り込む表現が混在。その関係で、いまひとつな章と面白い章がある。個人的には「紀和」の章が一番良い感じだったかな。 とにかくどの章でも様々な問題が出てきたが、広げた風呂敷を多く語らないのは本作の...

姉から借りて読書。 文章表現としては、文学的でなかなか入りにくい表現と、ユニークでスッと入り込む表現が混在。その関係で、いまひとつな章と面白い章がある。個人的には「紀和」の章が一番良い感じだったかな。 とにかくどの章でも様々な問題が出てきたが、広げた風呂敷を多く語らないのは本作の魅力のひとつか。 同世代の葛藤がテーマの作品なのでストーリーにすぐに引き込まれどんどん読み進めたが、重いと言うか切ないと言うか…読み終えて少し落ち込んだ。

Posted byブクログ

2023/12/08

第15回中央公論文芸賞受賞作。 連作短編集。80歳を過ぎて認知症のばあさんと身勝手な爺さんの夫婦。 両親との行き違いから音信不通だった姉と、生活が苦しくてギスギスした家族関係のなか、両親との同居で悩む妹。 老いとは、介護とは、時として家族を崩壊させてしまうほどのものなのか。 欲し...

第15回中央公論文芸賞受賞作。 連作短編集。80歳を過ぎて認知症のばあさんと身勝手な爺さんの夫婦。 両親との行き違いから音信不通だった姉と、生活が苦しくてギスギスした家族関係のなか、両親との同居で悩む妹。 老いとは、介護とは、時として家族を崩壊させてしまうほどのものなのか。 欲しくても、ついに手にする事が出来なかった家族の愛情とは。

Posted byブクログ