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家族じまい の商品レビュー

3.6

158件のお客様レビュー

  1. 5つ

    19

  2. 4つ

    66

  3. 3つ

    57

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

    2

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2023/11/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

出てくる登場人物の中で乃理の気持ちが一番わかったかもしれない ずるいかもしれないけど言葉では親に 頼ってね って言いながらも心の中では 本気で頼られたらどうしようという気持ち なんだかわかるなぁ…

Posted byブクログ

2023/11/10

家族じまいというタイトルが気になり、読み始めた。家族のあり方は、月日や義理の人間が加わることで変わっていく。我慢して家族のバランスを保っていた人が認知症になってしまったことが、なんともいえなかった。歳を取ってからの家族のことを考えさせられた。

Posted byブクログ

2023/10/26

家族は祝福であると同時に罪でもある。 この本を読んだ後に思い浮かんだのは、そんなことでした。 認知症になったサトミを中心として、その長女や次女をはじめとした周囲の人々の視点から、「家族」を描く作品です。 各章の題が(その章で視点の中心となる)人物名になっており、連作短編のような...

家族は祝福であると同時に罪でもある。 この本を読んだ後に思い浮かんだのは、そんなことでした。 認知症になったサトミを中心として、その長女や次女をはじめとした周囲の人々の視点から、「家族」を描く作品です。 各章の題が(その章で視点の中心となる)人物名になっており、連作短編のような形をとっています。 「家族じまい」に関連する話が出てくるのは最後の最後で、しかもサトミの直接の関係者ではありません。 結局のところ、そこが引っかかる。 私は娘という立場上、どうしても娘二人と近い視点で物語を読み進めてしまったのですが、「結局のところ、猛夫が周りを振り回している」という印象をいちばんに(そして最後の最後まで)受けました。 紐解いていく物語の先々で、「父親の勝手で~」というようなことが書かれていると同時に、もちろん父には父の苦悩があるのですが、その辺りは(猛夫の章がないこともあり)あまり詳しくは描写されません。 登場人物の年齢から察するに、猛夫は昭和の人間で、その時代の常識と今の常識がかけ離れているとはいえ、玉に見せる悲しさや優しさが仇だなと思うほどに、彼は周りの人々を困らせ、落ち込ませ、怒らせ、心配させるのです(しかももっと悪い癖もある)。 「昭和の荒くれた父親」というと表現は悪いですが、あの時代の「負の遺産」ともいえる男性像が、そしてその男性像が周囲にもたらす弊害が、恐ろしくリアルに描写されています。乃理のこじれ具合とは比較にならないくらい、この人のせいで家族がこじれている。 恐らく母親を緩衝材として成り立っていた家族が、母親の認知症によって崩壊したもので、これは当然といえば当然の結果なのですが……。 と同時に、この緩衝材であったはずの母親が逃避を繰り返した先にたどり着いたのが認知症だったというのも、心に迫る切なさがあります。 もしかして、こういう家庭、多いのか……だとしたら悲しすぎる。 余談ですが、個人的に乃理の考えや方向性が私にはない発想だったので「そういう考え方をする人がいるのか~」と大変参考になりました。 しつこくメッセージを送ってくるのは、いずれ気持ちが解けて返事をしてくれると信じている……俄かには信じがたいことですが、そう考えている人がいてもおかしくないです(相手にとってはいい迷惑でしょうが)。 「家族じまい」という強烈なタイトルに惹かれて手に取りましたが、実際のところ、タイトルと内容が少し合っていないような感じは否めませんでした。 家族じまいを宣言するのは一人だけで、それ以外の人たちはみんな「しまえない家族を持て余している」「家族をやめられずに続けている」ように見えます。どちらかというと「家族しまえない」です。 うーん……人の細かな機微や描写表現など、良いところもありますが、私としては期待外れでした。 ドロドロ系ドラマとかが好きな人は好きそうな内容です。

Posted byブクログ

2023/09/21

「家族じまい」 読み終わって、改めて良いタイトルだと思う。 「終い」ではなく「仕舞う」のイメージらしい。 認知症となり少しずつ忘れていく「母」を取り巻く女性5人の視点で5つの物語が描かれる。 娘や姉の視点の間に、旅先で出会った女性や、娘の夫の弟の嫁になる人の話が入ることで、狭い家...

「家族じまい」 読み終わって、改めて良いタイトルだと思う。 「終い」ではなく「仕舞う」のイメージらしい。 認知症となり少しずつ忘れていく「母」を取り巻く女性5人の視点で5つの物語が描かれる。 娘や姉の視点の間に、旅先で出会った女性や、娘の夫の弟の嫁になる人の話が入ることで、狭い家族だけの話に留まらないのが、かえって読みやすくなっていたと思う。 バラバラだった家族が認知症になった女性(母)を軸に再び繋がりかける。決してまとまるわけではない。長年の思いもある。それが、また生々しくもある。 生きるために働いて、結局死ぬ準備にいちばんお金がかかるというのも笑ってしまう。 どの立場の話も少し辛い。 繋がる家族もあれば、仕舞う家族もあり。 家族というのはややこしい繋がりかも。

Posted byブクログ

2023/09/14

乃理と登美子の話が良かった。 自分が良い子でいるための親孝行、まるで時を経て良い人になったかのように昔の自身を省みる言葉。 向こうにいる相手というより、自身に対して、自分がこうであると納得させるような、自分すらも騙すような(騙されたものも含めて本当なのかもしれないけど)人間の性質...

乃理と登美子の話が良かった。 自分が良い子でいるための親孝行、まるで時を経て良い人になったかのように昔の自身を省みる言葉。 向こうにいる相手というより、自身に対して、自分がこうであると納得させるような、自分すらも騙すような(騙されたものも含めて本当なのかもしれないけど)人間の性質に複雑な気持ちになった。そうしてしか生きていけないんだと思うけど。 家族みんながお互いを愛し続けられるようにできていれば良いのに。いろんなしがらみがあるのがリアルで心が痛かった。 淘汰された記憶の中に娘たちがほとんど存在しない認知症のサトミ。 しゃんとしていて、冷静に自分の足で着実に歩いているけれども、やはり勝ち負けで娘との関係に対する自分の気持ちを落ち着けるしかない登美子。 正論に従って綺麗に生きるために、都合の良い理由や感情を作り出し、それすらも真の自分と錯覚しているような徹。 幼少期の親子関係に囚われ、心と頭と口が一致しないままどうしようもなく耐えている乃理。 救いのある、みんなが繋がりあえる、そんな世の中であってほしいけど、無理なんだろうな 初読みの作家さん。最初はしっくりこないんだけど、何回も繰り返しその部分を読み直すにつれて、ああなるほどなって思うような凝った表現が多かった。

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2023/09/05

家族の繋がりのある第五章。娘達から見た母サトミの認知症。娘の夫の弟の若い嫁の話。と繋がっていく。形は違うがそれぞれが家族じまいなのだ。第五章の登美子の話がとてもいい。認知症を患った妹サトミとの事や登美子の娘に決別を言われた事など書かれてる。妹が認知症になっても姉から見たら小さかっ...

家族の繋がりのある第五章。娘達から見た母サトミの認知症。娘の夫の弟の若い嫁の話。と繋がっていく。形は違うがそれぞれが家族じまいなのだ。第五章の登美子の話がとてもいい。認知症を患った妹サトミとの事や登美子の娘に決別を言われた事など書かれてる。妹が認知症になっても姉から見たら小さかった妹なのだ。二人の絆を感じた。

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2023/08/22

登場人物が各章でつながりがある連作もの。(私好み) 家族だからこその軋轢、老いの問題、なんかやるせない話しが多くて気分が沈みがちに。著者の地元の北海道が舞台。

Posted byブクログ

2023/08/21

これは悲しい。 ズーンとくる悲しさだ。 ものすごくリアルで、 家族とは 老いていくとは いろんなものに絡め取られて いろんなものを捨てていく そういうことなんだろうなと思ってしまった。

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2023/07/27

夏の一冊で紹介されていて読んでみた。 連作短編集。 家族の在り方、どんなふうに歳を重ねて、関係性が育っていくのか、考えさせられる話だった。

Posted byブクログ

2023/07/25

人に言えるくらいになれば、たいがい危機は脱しているはずなんだよね。 人の世は伸びては縮む蛇腹のようだ。 自分を蔑んだら、そのあとは哀れむ感情が降ってくる。

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