カインの傲慢 の商品レビュー
シリーズ第5弾。臓器を抜き取られた少年の死体が相次いで発見。犬養刑事と相棒の明日香が連続殺人事件に挑む。貧困に苦しみ臓器を売る被害者少年たちと臓器売買の闇を描く。犬養刑事が抱える苦しみがあわれだが警察官として彼は正しいと思う。
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12ヶ月連続刊行企画第5弾は刑事・犬養隼人シリーズの最新作。 子供が犠牲になる物語はただでさえ気持ちが滅入るが、 その理由が貧困から来る物だとあれば尚の事。 臓器を抜き取られた死体が相次いで発見される。 被害者たちは皆、貧しい家庭で育った少年達。 犯人を追う犬養と高千穂明日...
12ヶ月連続刊行企画第5弾は刑事・犬養隼人シリーズの最新作。 子供が犠牲になる物語はただでさえ気持ちが滅入るが、 その理由が貧困から来る物だとあれば尚の事。 臓器を抜き取られた死体が相次いで発見される。 被害者たちは皆、貧しい家庭で育った少年達。 犯人を追う犬養と高千穂明日香の二人に感情移入しながら読み進める。 終盤で明かされた犯人に憤りを覚えているとラストで再び衝撃を受ける。 しかし例え身内の為だろうが金に物を言わせ臓器を奪うなんて絶対悪だ。 貧しさ故の臓器売買などが行われないように、迅速な貧困対策の重要性を感じた。
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社会的問題をえぐるような、重厚な話だと思った。 どう解決して行くのかを気にしながら読み進めていたが、なんか呆気なく解決。 最後の告白のシーンで、全てが明らかに。 人の命と経済的事情を考えさせられたかなあ。
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貧困者を狙った臓器売買。 それも、年少者。 読んでいて、辛さと怒りがフツフツとわいてくる。 未来ある子供たちをあらゆる悪から守る方法がないのか? 警察も医者も、聖人ばかりではない。
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犬養隼人刑事シリーズ 5 忌まわしいドクター・デス事件が終結して、1年後。 貧困層を狙った、臓器売買の犯人に立ち向かう、犬養隼人刑事。 練馬区の公園で、臓器が持ち去られている、中国人の少年の死体が発見された。 犬養刑事とコンビを組む、高千穂明日香は、留学していた経験を生かして、...
犬養隼人刑事シリーズ 5 忌まわしいドクター・デス事件が終結して、1年後。 貧困層を狙った、臓器売買の犯人に立ち向かう、犬養隼人刑事。 練馬区の公園で、臓器が持ち去られている、中国人の少年の死体が発見された。 犬養刑事とコンビを組む、高千穂明日香は、留学していた経験を生かして、単身、中国へ乗り込む。 そこで、見たものは、最貧層の家庭だった。 その後、相次いで、第2、第3の同様の死体が見つかるが、その被害者達は、貧困家庭の少年達だった。 ----- 富裕層からの依頼により、貧困層が供給する物は、唯一、身体しかない。 臓器移植問題は、一概には語れないと思う。 それでも、犯罪絡みの臓器売買は、決して有ってはいけない。 このシリーズのラストは、犬養刑事にとって、いつも辛い問題を提起している。
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社会のシステムと倫理観と法律と医療と…と考えさせられる事が沢山あった。犬養さんの当事者ゆえの苦悩もわかるけれど自分は明日香のような青い正義を持っていたいと思った。物語の中とはいえ壮絶な貧困の表現に暗い気持ちになるがリアルなんだろうな。
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2022年9月29日 貧しい者から肝臓を奪う。 富む者の都合の良い考えで犠牲者が5人もでた。 誰のための肝臓か… 結末がすっきりしない。 法で解決できない問題がある。
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はい、やらかしました。シリーズ物でした。 以前の話を知らなくても全然楽しめましたが、損した気分。Orz とある死体発見から臓器売買という可能性が疑われ捜査が行われるお話。 貧困と臓器売買、本当にありそうな話で怖いです...あるのか⁉︎ 読み終えて色々考えさせられるお話だなぁっ...
はい、やらかしました。シリーズ物でした。 以前の話を知らなくても全然楽しめましたが、損した気分。Orz とある死体発見から臓器売買という可能性が疑われ捜査が行われるお話。 貧困と臓器売買、本当にありそうな話で怖いです...あるのか⁉︎ 読み終えて色々考えさせられるお話だなぁっと思いました。
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刑事犬養隼人シリーズではこの5作目が一番面白かった。最後まで黒幕の陣野さん自身の多臓器不全が原因でドナーを探していると思わせておいて、実は違った。陣野さんが犬養刑事に言ったの最後の台詞「違法な臓器売買を検挙して〜あなたのしたことは結局かたちを変えた人殺しに過ぎない。」が胸に突き刺さった。犬養刑事自身も腎臓を患い臓器移植を待っている一人娘の父親という立場でありながら、一方、法を守るべき立場の警察官としての倫理観もある。貧困故に自らの臓器を売買するしかなく、その後死んでいった少年達の無念を晴らす一念で捜査をした結果が自分の娘の病の根治を遠ざける皮肉な結果となってしまった。人は、立場が違えば物事の考え方や取る行動も違ってくると思います。父親としての立場と警察官としての立場の間で葛藤する犬養刑事が今後どのような結論を出し、どんな行動をするのかが楽しみです。
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積読だったが、文庫を購入したタイミングで読み始めて、途中から単行本にシフトした後は、一気に読み終えた。電車では文庫本しか読まないと決めているが、なかなか車中では集中できず進まない。今回は負け試合。敗因は、複雑さに欠いたストーリー展開に騙されたこと。 デビューしたての頃は殺人及び...
積読だったが、文庫を購入したタイミングで読み始めて、途中から単行本にシフトした後は、一気に読み終えた。電車では文庫本しか読まないと決めているが、なかなか車中では集中できず進まない。今回は負け試合。敗因は、複雑さに欠いたストーリー展開に騙されたこと。 デビューしたての頃は殺人及び死体の描写でかなり生々しい表現が多かったが、最近では売れっ子になっちゃたからか臓器損壊の説明がかなりマイルドになっているように思える。別にインパクトを求めている訳ではないが、ちょっと物足りなさもある。 最近、読売新聞オンラインで立て続けに臓器売買に関する記事が連日の様に紹介されている。ドナーが経済的に困難を抱えているウクライナ人、腎臓の対価は200万円、手術が途上国で行われて患者の容体が悪化、あるトルコ人のコーディネーターは1,000万円、中国では2,000万円の金が動くらしい、キルギスでの腎移植手術では日本人が手術中に重篤、イスラエル人は死亡、キルギス以外でもカザフスタン・タジキスタン・ベラルーシ・ブルガリアでは死体から移植したのを生体移植と偽る。以上、悪い事を挙げたら枚挙にいとまもない臓器移植。仲介したNPO法人「難病患者支援の会」の活動も疑問視されている。 日本人の死生観が大幅に変わらないうちは、この様な闇臓器売買は世界中で永遠に続く。日本人は人工臓器の飛躍的な技術革新や、人命軽視集団厚労省がやたらとハードルを高めている夢の新薬に頼るしかないのか。
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