誰も気づかなかった の商品レビュー
一文一文噛み締めながら読んだ。この本の中に収められていることば全て、自分の頭の中に入れていつでも引き出せるようにしておきたい。
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地区センターにて。 マッサージの予約時間まであと30分... 何かもう1冊...と思い手にしてみました。 よくよく考えたら詩集って初めてかも^^; 慌ただしい世の中だからこそ、こういう時間を大切にしたいなぁ。 ****************************************************** 詩人の没後五年を機会に、書き残しながら本にまとまらずに終わった断章の連作「誰も気づかなかった」と、「夜の散文詩」シリーズの5篇を小さな本として刊行。 定価(本体1,800円+税) 「本があった。/しかしそれが本だと、/ここにいる誰も、気づかなかった。/本は読まれなかったからである。」このようなリズムをそなえた箴言と、晩年の景色を記した散文詩。長田弘さんがぜひ伝えたかった思索の結晶を傍らに置いて、何度でも読みかえせるように。 出版社からのコメント 詩人没後五年を機に、遺された断章群と散文詩5篇を初刊行。人生の哲学がリズムある簡明な言葉でつたわる小さな本。 内容(「BOOK」データベースより) 本があった。しかしそれが本だと、ここにいる誰も、気づかなかった。本は読まれなかったからである。没後五年、詩人がそっと遺してくれた断章を一冊に。 著者について 詩人。1939年福島市に生まれる。1963年早稲田大学第一文学部卒業。1971-72年北米アイオワ大学国際創作プログラム客員詩人。毎日出版文化賞(82)桑原武夫学芸賞(98)講談社出版文化賞(2000)詩歌文学館賞(09)三好達治賞(10)毎日芸術賞(14)などを受賞。2015年5月3日死去。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 長田/弘 詩人。1939年福島市に生まれる。1963年早稲田大学第一文学部卒業。65年詩集『われら新鮮な旅人』でデビュー。98年『記憶のつくり方』で桑原武夫学芸賞。2000年『森の絵本』で講談社出版文化賞。09年『幸いなるかな本を読む人』で詩歌文学館賞。10年『世界はうつくしいと』で三好達治賞。14年『奇跡―ミラクル』で毎日芸術賞。2015年東京都杉並区で死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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ことばがあった。 しかしそれがことばだと、 ここにいる、誰もおもわなかった。 ことばは意味をもたなかったからである。 ページをめくるたびに、魂を揺さぶられる。 苦しんでいる微笑み。無言の苦しみ。飄々とした苦しみ。激怒している飄々とした人。悲しんでいる激怒、、、。次々と放たれる言...
ことばがあった。 しかしそれがことばだと、 ここにいる、誰もおもわなかった。 ことばは意味をもたなかったからである。 ページをめくるたびに、魂を揺さぶられる。 苦しんでいる微笑み。無言の苦しみ。飄々とした苦しみ。激怒している飄々とした人。悲しんでいる激怒、、、。次々と放たれる言葉に自分が確かに立っていたはずの地面が揺らぎ始める。誰も気づかなかった全てのことを、詩人は次々と問いかけてくる。今までの人生が出会った人やことどもが次々と立ち上がってくる。読み終わって本を閉じると、今までとは別の世界に私はいた。
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図書館で「最初の質問」を読んでやられてしまった。 それからずっと好きだけど、特別追いかけようとしてきたわけではなく、熱心に読んできたわけでもないのだけど、ふとこの人の詩がどうしても読みたくなる時があるな、と思う。 近所の絵本を主に置いている本屋さんの店主さんが私がこの一冊を手に取った瞬間に顔をぱっと輝かせて 「その本は本当にいいですよ!私はその本が棚にあるというだけで気持ちが安らぐので、売れたらすぐに注文するんです」と言われていて、買うことを即決した。 (その後しばらく店主さんとお喋りしていたら、けっこう好きな本がかぶっていて盛り上がった。) 帰りの車の中で、運転しながら話しかけてくる母を適当にかわしながら読み耽った。 本当に「気付かなかった」が詰まっていた。 心に落とされる質問に、私はなんと答えられるだろう。 正しさについての言葉が特に鋭く、やさしく胸に刺し込まれた。 「何だって正しければ正しいのでない」 そして後半に収録された短文というのか、散文もとてもよかった。 静かで、いつまでも責めることなく質問を続けている姿がうつくしい。
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最後の詩が一番ハッとした。 わたしは水分や蛋白質やカルシウム…云々ではなく、どんな時、誰の記憶でできているのだろうか。
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本屋で見かけてそのまま買った。「静かな闇の向こう」がすき。最後の3行にはっとした。一人一人は全然違うのに自身の「悲しい」という感情がその人たちを繋いでいて、それが自分のなかにもあるというのがうれしいような気持ちになった。自分が媒介になってるとでもいうか。あと川と橋の問答は構造主義...
本屋で見かけてそのまま買った。「静かな闇の向こう」がすき。最後の3行にはっとした。一人一人は全然違うのに自身の「悲しい」という感情がその人たちを繋いでいて、それが自分のなかにもあるというのがうれしいような気持ちになった。自分が媒介になってるとでもいうか。あと川と橋の問答は構造主義っぽいと思った。
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ブクログが推薦?してくれて読んだ。 Ⅵ 47 怒っている人だって笑うときがある。 けれどもその人は笑わなかった。 .... その人が逝ったのは冬の寒い日だった。 そしてじぶんの葬儀の日に そこにいないのがうれしいというように その人ははじめて笑ったのである、 その遺影のなかで。
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深い。削ぎ落とされた、残された言葉だけでの表現の強さに驚く。わからない事もあるが、情景が浮かぶモノもあり詩の不思議な力に触れた気がする 橋と川の話が面白かった すべてそう在るものはそう在るのだ。 何だって正しければ正しいのでない。 ニューヨーク 公立図書館の椅子を手に入れ...
深い。削ぎ落とされた、残された言葉だけでの表現の強さに驚く。わからない事もあるが、情景が浮かぶモノもあり詩の不思議な力に触れた気がする 橋と川の話が面白かった すべてそう在るものはそう在るのだ。 何だって正しければ正しいのでない。 ニューヨーク 公立図書館の椅子を手に入れたらしく、羨ましいかぎり!
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長田弘『誰も気づかなかった』(みすず書房、2020年) Twitterを通して知った作品。これは、問いかける詩集。感情、存在、真実、正解、幸福、わたし。 価値観や考え方がまるっきり変わってしまったコロナ禍の今だからこそ、ことばを求めたくなるのかもしれない。眠れない日にはこの本に傍...
長田弘『誰も気づかなかった』(みすず書房、2020年) Twitterを通して知った作品。これは、問いかける詩集。感情、存在、真実、正解、幸福、わたし。 価値観や考え方がまるっきり変わってしまったコロナ禍の今だからこそ、ことばを求めたくなるのかもしれない。眠れない日にはこの本に傍に居て欲しい。 「たとえ誤りにみちていても、 世界は正解でできているのでなく、 競争でできているのでもなく、 こころを持ちこたえさせてゆくものは、 むしろ、躊躇や逡巡のなかにあるのでないか。 何だって正しければ正しいのでない。」 (P61-62)
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ふと疑問を投げかけてくれるような優しい言葉たち。そこにあるものは、見えているままではないということに気づかせてくれます。
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