パリの砂漠、東京の蜃気楼 の商品レビュー
金原ひとみの本を読むのは初めて。現代女性の鋭い感覚と描写に驚いた。繊細な感性の人なのだろう。他の本も読んでみたい。
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愛すること、愛されること。女である資格。その前に鼻にピアスを通さないと済まない自己顕示、それも習慣化すると別の武装となり…赤裸々に、真摯に文章化する。帯の平野啓一郎の評になる。でも、私は非難があるかも知れないがイブの原罪性をみた。出家する前の寂聴さんみたい。
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絶えず見え隠れする「自責の念」「存在することへの疑い」「自分の中の乖離」。 自己嫌悪に陥る心の動きがすごくよくわかる。前向きになったと思ったらまた気持ちが塞がって、という浮き沈みを繰り返し、全くどこにも進めないように感じる。 私がなんとなく感じていたことが言語化されていて納得す...
絶えず見え隠れする「自責の念」「存在することへの疑い」「自分の中の乖離」。 自己嫌悪に陥る心の動きがすごくよくわかる。前向きになったと思ったらまた気持ちが塞がって、という浮き沈みを繰り返し、全くどこにも進めないように感じる。 私がなんとなく感じていたことが言語化されていて納得する部分が半分と、私よりも金原さんはもっともっと繊細で自己矛盾に苦しんできたんだと感じる部分が半分くらい。 あと自分の性格や感じることに対して、何か理由をつけて説明をしたり、経験と紐づけなくてはいけないような感覚は ー辛い過去がないと鬱になっちゃいけない ー自己嫌悪は誰かに見捨てられたから 受験や就活や日常のいろんな場面から植え付けられるけど、でも別に自分が感じることに理由なんていらないんだと思える。
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「天才は孤独」という言葉が浮かぶ。 彼女の鋭敏な受容体は常に自身を 誰もたどり着けない地獄のふちに追いやるけど、 その類まれな感覚と言語化能力によって あらゆる人の心のひだをなぞり、 無理やり作ったかさぶたをはがして 血が流れる感覚を思い出させてくれる。 彼女の小説はいつも...
「天才は孤独」という言葉が浮かぶ。 彼女の鋭敏な受容体は常に自身を 誰もたどり着けない地獄のふちに追いやるけど、 その類まれな感覚と言語化能力によって あらゆる人の心のひだをなぞり、 無理やり作ったかさぶたをはがして 血が流れる感覚を思い出させてくれる。 彼女の小説はいつも主人公が自傷しているけど このような思考回路から生み出されているのか・・と 淡々と読み進めた。 常軌を逸した原罪意識に 凡人の私はところどころついてゆけず 気を抜くと目が文字の上を滑る。 なんかこの感覚の鋭さ、生きづらさ、 宇多田ヒカルを彷彿とさせる。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
金原さんの小説はきつすぎる。エッセイの方がマイルドで読みやすかった。 ↓ 激しく共感‼️ 子供を産み激しい育児をしていた頃の私は元来の私ではなく、子供たちの手が離れるにつれ元の自分に戻っていった、という意識が拭えない。
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最初読み始めた時、これエッセイなん?痛々しく、自分の負の感情を浮き彫りにされる、、、と辛くなった。 しかし、読み進めると、この切り裂くような言葉が結構中毒的に心に刺さった。
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以前にも読んだような気がするのですが、ブクログに登録がなかったので改めて。 たまたま個人的に体調が悪く、気持ち的にも落ち込むことが続いてるタイミングで読んだのですが、こういうときに金原ひとみのエッセイはちょうど良いのだと発見でした。 落ち込み気味な時は金原ひとみに頼るようにしま...
以前にも読んだような気がするのですが、ブクログに登録がなかったので改めて。 たまたま個人的に体調が悪く、気持ち的にも落ち込むことが続いてるタイミングで読んだのですが、こういうときに金原ひとみのエッセイはちょうど良いのだと発見でした。 落ち込み気味な時は金原ひとみに頼るようにします。
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これまで読んだどのエッセイよりも抉られた。どのページを開いても鋭く濡れた刃物で切り付けられるような痛みが走る。「瞬間的な心の充足ではなく、恒常的な魂の充足などあり得るのだろうか」この一文に泣いた。
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金原ひとみの書く文章が、とても好きだ。 用いる語句や表現の全てが、まさにその言葉でしか表現ができないだろうという絶妙な構成で仕組まれているように感じる。 他の作品のような物語も良いのだが、自身の事やその日常語るエッセイにこそ、その真価を発揮しているのではないだろうか。 図書館で...
金原ひとみの書く文章が、とても好きだ。 用いる語句や表現の全てが、まさにその言葉でしか表現ができないだろうという絶妙な構成で仕組まれているように感じる。 他の作品のような物語も良いのだが、自身の事やその日常語るエッセイにこそ、その真価を発揮しているのではないだろうか。 図書館で借りた本だったが、読後本屋で購入した。
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一歳と四歳の娘とのパリでの母子生活、突然の帰国、そして東京での混迷する日々。苦しみながら、ダメになりながら、なんとかギリギリ生きている。そんなところまで書いてくれている。だからこそ金原さん自身の優しさや強さも感じる。ヒリヒリする。でもこの姿が人間の根本だと思う。
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