ファシズムの教室 の商品レビュー
ファシズムの成立するプロセスを社会学的な観点から解説している。 特定の狂信者が支持するわけではなく、ごく普通の市民が他責にできる状況で急進する現象のようだ。自身の経験からも納得できる説明だった。 ★★★★★ 彼らは客観的に見ると従属的な立場にいるのだが、本人の内面では自分が何を...
ファシズムの成立するプロセスを社会学的な観点から解説している。 特定の狂信者が支持するわけではなく、ごく普通の市民が他責にできる状況で急進する現象のようだ。自身の経験からも納得できる説明だった。 ★★★★★ 彼らは客観的に見ると従属的な立場にいるのだが、本人の内面では自分が何をしても責任を問われないという、解放感とでも呼ぶべきものが生じている。逆説的なことに、服従によってある種の「自由」が経験されているのである。
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ファシズムをテーマにした大学の体験学習の内容とそのやり方 「権威への服従」をファシズムの本質と捉えて展開される突っ込んだ分析は、是非とも教養として広く伝わってほしい内容である。 また教育方法について、かなり詳しく書かれており、圧力がかかって現在行われていないのがとても惜しまれ...
ファシズムをテーマにした大学の体験学習の内容とそのやり方 「権威への服従」をファシズムの本質と捉えて展開される突っ込んだ分析は、是非とも教養として広く伝わってほしい内容である。 また教育方法について、かなり詳しく書かれており、圧力がかかって現在行われていないのがとても惜しまれる。 監獄実験、ミルグラム実験、ハンナ・アーレントの「悪の陳腐さ」は知っていたが、 映画「es」「The wave」、ジェーン・エリオットの「青い目、茶色い目」など気になった。
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受講生のレポートに書かれていた「自分は監獄実験の看守役の人たちのような虐待行為をおこなわないと思っていたが、この授業に参加してそれは間違いだと気づいた」という言葉が心に残った。私も自分はやらないと思っていたが、この人と同じだろうと思うと怖くなる。ファシズムは遠い昔のことではなく、...
受講生のレポートに書かれていた「自分は監獄実験の看守役の人たちのような虐待行為をおこなわないと思っていたが、この授業に参加してそれは間違いだと気づいた」という言葉が心に残った。私も自分はやらないと思っていたが、この人と同じだろうと思うと怖くなる。ファシズムは遠い昔のことではなく、いつでも起こり得ること。ファシズムとは何か、どのようにして集団は暴走するのかを知っていれば、流されずに立ち止まって抵抗するための力になるだろう。
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共同体意識のある集団では、残酷な指示でも従ってしまう。責任感が麻痺し、帰属意識が強く働くからである。 上からの指示だから自分には責任がないと感じ、残酷な行動もできてしまう。その集団に属していることが誇らしく思えて、高揚感を覚えてしまう。個人の倫理観は防波堤としては貧弱である。 ...
共同体意識のある集団では、残酷な指示でも従ってしまう。責任感が麻痺し、帰属意識が強く働くからである。 上からの指示だから自分には責任がないと感じ、残酷な行動もできてしまう。その集団に属していることが誇らしく思えて、高揚感を覚えてしまう。個人の倫理観は防波堤としては貧弱である。 自分が残酷な行動をしないためにはどうしたらいいのだろう。集団の力に逆らうのは難しそうである。そのため、属している集団が危険な方向に向かっていると感じたときに、即座に脱出できる準備をする必要がありそうだ。一般人が属している集団は、会社や友人コミュニティだろう。会社をいつでも辞めれるように、ある程度生活資金をためておく。1つの友人コミュニティと縁を切っても大丈夫なように、他にも友人との繋がりを作っておく。 本書を読み、集団が怖い力を持っていることを意識できるようになったのでよかった。
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他人事ではない、自分はそうならないと思っている人ほど必読! 気を付けていないと、誰でも(私も含めて)渦中の人になり得る。 服装をそろえたり、同じことをみんなで発したりって、日本にいると、日常のあちこちで実は経験している。運動会のチームTシャツ、制服に然り。号令による起立に然り。...
他人事ではない、自分はそうならないと思っている人ほど必読! 気を付けていないと、誰でも(私も含めて)渦中の人になり得る。 服装をそろえたり、同じことをみんなで発したりって、日本にいると、日常のあちこちで実は経験している。運動会のチームTシャツ、制服に然り。号令による起立に然り。 著者が実際に「体験学習」をして、学生からの振り返りを分析してみると、集団行動にのめり込む原因として、「集団の力の実感」「責任感の麻痺」「規範の変化」の3つが大いに関係していることが詳らかに。 ファシズムは過去のことではなく、現代もヘイトスピーチなどと形を変えて、存在する。この闇に取り込まれないように、できることを考えたい。
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平和ボケが危険なことを思い出させてくれる一冊。 ナチスドイツの悪行は全てヒトラー1人に起因するのか? 現代にファシズムが再来する可能性はないのか? 題材が題材なだけに非常に気を使った文章なためややクドい印象もあるが、そんなに難しい本ではないので、気軽に読み始めていいと思う。 ...
平和ボケが危険なことを思い出させてくれる一冊。 ナチスドイツの悪行は全てヒトラー1人に起因するのか? 現代にファシズムが再来する可能性はないのか? 題材が題材なだけに非常に気を使った文章なためややクドい印象もあるが、そんなに難しい本ではないので、気軽に読み始めていいと思う。 中盤以降の授業の方法に関する記述は授業実施に際しては細心の注意が必要とのことで どうしても省けないのだと思うが、一般の読者は斜め読みでもいいかな、と思う。 序盤から前半は全ての日本人に読んでほしい。
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ファシズムを体験する授業の実践を紹介している。 しかし、日本の義務教育の現場はファシズムの状態に近いようで既に馴染みがあるものだなと思った。
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誰にでも起こり得るという事が分かりやすく書かれている。今の時代にこそ、読んで集団暴走の可能性を理解しとくべきである
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ファシズムには、上からの抑圧というだけでなく、自発的な集団的熱狂に伴う「魅力」という側面があり、それこそが危険性の本質だという認識の下、著者が実践してきたファシズムを体験する授業の経緯やノウハウを解説。 本書におけるファシズムの本質についての指摘は納得できるものであり、本書の視座...
ファシズムには、上からの抑圧というだけでなく、自発的な集団的熱狂に伴う「魅力」という側面があり、それこそが危険性の本質だという認識の下、著者が実践してきたファシズムを体験する授業の経緯やノウハウを解説。 本書におけるファシズムの本質についての指摘は納得できるものであり、本書の視座は、ネットでの誹謗中傷やヘイトスピーチなどが問題となっている現代の日本においても必要なものであると思う。そして、本書で紹介されているファシズムの体験授業は、現代社会におけるファシズムの萌芽に抗していくという点で意義深いことはもちろんだが、単純に面白そうであり、是非受けてみたかったと感じた。また、本書では、『THE WAVE ウェイブ』、『帰ってきたヒトラー』などの参考となる映画が紹介されているが、それらもいつか見てみたいと思った。
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「権威への服従」をメインとする心理実験的なものを体感することによりファシズムを理解する授業のレポート。この実験に色々とツッコミ所があるとしても全くダメだとは思わないし、この授業をキッカケにファシズムに興味関心を持った学生がさらに考察や研究を深めていきたいと思えるのなら、それはそれ...
「権威への服従」をメインとする心理実験的なものを体感することによりファシズムを理解する授業のレポート。この実験に色々とツッコミ所があるとしても全くダメだとは思わないし、この授業をキッカケにファシズムに興味関心を持った学生がさらに考察や研究を深めていきたいと思えるのなら、それはそれで授業としては成功しているのだろう。 あえて難点を言えば、この実験に欠けているのはファシズム誕生の背景である経済的な閉塞状況とナショナリズムを由来とする民族共同体の視点ではないだろうか。よって、経済的に苦しい学生に実際のヘイトスピーチデモに参加させて、レポート書かせた方がファシズムを体感するには有益に思えるが。
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