銀河鉄道の父 の商品レビュー
宮沢賢治について、生い立ちなどの知識があまりないまま読み始めました。 勝手なイメージから、完璧な人だと思い違いをしておりましたが、人と同じように悩み、失敗を繰り返し、中にはもう少ししっかりしておくれ…と感じるエピソードまでがちりばめられており、彼への印象が変わりました。 お父様の...
宮沢賢治について、生い立ちなどの知識があまりないまま読み始めました。 勝手なイメージから、完璧な人だと思い違いをしておりましたが、人と同じように悩み、失敗を繰り返し、中にはもう少ししっかりしておくれ…と感じるエピソードまでがちりばめられており、彼への印象が変わりました。 お父様の目線で描かれることが中心で、子を愛し過ぎる側面に自分も2人の母として思わず笑ってしまう部分があり、楽しく読み始めることが出来ます。一方で、人生についても考えさせられます。 終始読み飽きることない作品です。
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学校で無理やり読まされた作家は大体嫌いになるので、宮沢賢治もその1人でした。 童話を読んでもひたれない。詩は説教くさい。何より、自分の周りにいた「賢治好き」の人達が苦手でした。なんか皆んな“良い人“っぽかったんですよ。 その後、好きな作品も見つけましたが、僕の中の賢治像は、「軽度...
学校で無理やり読まされた作家は大体嫌いになるので、宮沢賢治もその1人でした。 童話を読んでもひたれない。詩は説教くさい。何より、自分の周りにいた「賢治好き」の人達が苦手でした。なんか皆んな“良い人“っぽかったんですよ。 その後、好きな作品も見つけましたが、僕の中の賢治像は、「軽度の発達障害で、重度のシスコンで、大人になっても親の金でレコードを買い漁る放蕩息子」と言う散々なものでした。賢治の父政次郎を主人公に据えた本作ではたして何かがかわるのだろうか、、 どうしても上記のような視点で読んでしまうので『父』政次郎よりも賢治の言動に注目してしまいます。歴史小説の常として、どこまでが史実でどこからが創作か分かりませんが、賢治像にあまり変化はありませんでした。 ただ、トシの最期の言葉を奪った行為には戦慄しました。作品が良くても人間としては最悪ですね。賢治君とは友達になれそうにありません。 政次郎は随分印象が変わりました。現代においては十分に封建的ですが、当時においては随分進歩的で柔軟な父親だったようです。本人も「これが、明治の父親だじゃい」と快哉を叫んでます。 大変失礼ですが(と言うかこの感想、失礼な事しか書いていませんが)、明治時代の花巻にも新時代は訪れていて、そこの小金持ちの進歩的な家庭から作家宮沢賢治が生まれたんだなぁといろいろ腑に落ちました。
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宮沢賢治と遠野の昔話が好きなのが高じて岩手県好きです。宮沢賢治の生い立ちは本やドラマ化されたので知ってましたが。父親のことは余り語られてなかったのでとても衝撃的でした。息子への愛の強さとあの父親の息子だから優しく切ない物語が出来上がったのですね。私の3人いる娘達は皆30歳を超えま...
宮沢賢治と遠野の昔話が好きなのが高じて岩手県好きです。宮沢賢治の生い立ちは本やドラマ化されたので知ってましたが。父親のことは余り語られてなかったのでとても衝撃的でした。息子への愛の強さとあの父親の息子だから優しく切ない物語が出来上がったのですね。私の3人いる娘達は皆30歳を超えましたがこれからも愛情をたっぷりかけて行きます。この本の感想は父親の偉大な愛情に尽きました。
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父親(政次郎)の深い愛情、それゆえの苦悩。長男(賢治)としての苦悩。多少甘いなぁと思ったが、裕福だからこそできてしまう。早くから目を付けていた妹(トシ)。生前にもっと評価されたらもう少し救われたかも。
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言わずと知れた宮沢賢治、のお父さんの物語。 宮沢賢治が本郷三丁目近くの菊坂にも住んでいたとは。 思わず探しに行きました。 菊坂途中歯医者横の階段を下りた先に宮沢賢治は住んでました。 宮沢賢治が決して文筆活動に集中していたとは言えないあたりが興味深い。
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宮沢賢治の父、政次郎から見た 賢治と家族の人生。 大学の頃に賢治を齧っていた時に感じていた 「なんか芯がない気がする」 「フラフラしててハッキリしないなぁ」 という印象のアンサー本のようで とてもスッキリ。 経歴だけでは分からなかった人生の流れが知れただけでも凄く価値のある読書...
宮沢賢治の父、政次郎から見た 賢治と家族の人生。 大学の頃に賢治を齧っていた時に感じていた 「なんか芯がない気がする」 「フラフラしててハッキリしないなぁ」 という印象のアンサー本のようで とてもスッキリ。 経歴だけでは分からなかった人生の流れが知れただけでも凄く価値のある読書でした。 「奇跡的に美しい作品を生み出す大先生」ではない 宮沢賢治を知りたい方にオススメ。
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この時代の父親とては規格外の愛情、度量だったのではないでしょうか。それだけに賢治に先立たれる父の悲哀が伝わってきます。 賢治の作品を読み直したくなりました。
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宮沢賢治のお父さんが主人公(主観)の本ということで面白そうと手に取った本です。 文豪と呼ばれる宮沢賢治が、世間知らずの甘ったれの時期もあったことが、いい意味で新鮮でした。 教科書に出てくるような人は、およそ自分の想定できるような人ではない(超越してる)と思っていたので。 で、主...
宮沢賢治のお父さんが主人公(主観)の本ということで面白そうと手に取った本です。 文豪と呼ばれる宮沢賢治が、世間知らずの甘ったれの時期もあったことが、いい意味で新鮮でした。 教科書に出てくるような人は、およそ自分の想定できるような人ではない(超越してる)と思っていたので。 で、主人公の政次郎さん、この時代にあって出来過ぎなくらい良いパパさんです。 元来子思いのパパさんだけど、自分を律してるところが偉い。地に足つけた考えを持っていて、政次郎の言動はメモするところが多かったです。 以下、政次郎の言動の気に入ったところ。 p118(賢治の制服姿を見て) (話が違う)さけびたい衝動に襲われた。父親に何の断りもなしに息子をこんなに成長させるとは何事か。 その後、賢治が先生から「宮澤」と呼び捨てにされるのを聞いて、息子の成長を感じて泣く政次郎。 →ここ好き p158病気に長所があるとするなら、それは人と人をへだてる心の垣根をあっさりと取り払い得ることだろう。 p352仕事があるということの最大の利点は月給ではない。いわゆる生きがいの獲得でもない。仕事以外の誘惑に人生を費消せずにすむというこの一事にほかならないのである。
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宮沢賢治の作品は、学生のころに授業で習って何となく知っているものがある程度。その人となりも全く知らない状態で、「親なら読むべし」という書評を目にして手に取った。 どれほど事実に忠実に描かれているのかわからないけれど、まずは宮沢賢治という人物が思っていたよりダメ息子で驚いた。 父親...
宮沢賢治の作品は、学生のころに授業で習って何となく知っているものがある程度。その人となりも全く知らない状態で、「親なら読むべし」という書評を目にして手に取った。 どれほど事実に忠実に描かれているのかわからないけれど、まずは宮沢賢治という人物が思っていたよりダメ息子で驚いた。 父親とは、家長とは、こうあるべき!という思いと、親としてどうしようもなく子どもを甘やかしてしまう、信じてしまう、そんな現実のあいだで葛藤する政次郎にはとても共感した。 子どもの可能性を信じて、何だかんだ口や手を出しながらもやりたいことをやらせる。成功は喜び、失敗はともに背負う。なかなかできることではないけど、親としてそんなふうにあれたら良いなと思った。
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宮澤賢治を父が語った物語。 賢治が幼いころ赤痢やチフスにかかり看病した話、質屋を継がずニートのように生活しても喧嘩しても見守っている。まぁ、言っても無駄な感じもあったけど一人東京に行ってやりたい事、できる事を見つけていく。 後半、2人の子を亡くし後悔しながらも沢山の孫に囲まれて生...
宮澤賢治を父が語った物語。 賢治が幼いころ赤痢やチフスにかかり看病した話、質屋を継がずニートのように生活しても喧嘩しても見守っている。まぁ、言っても無駄な感じもあったけど一人東京に行ってやりたい事、できる事を見つけていく。 後半、2人の子を亡くし後悔しながらも沢山の孫に囲まれて生きていく所は切なくも前向きな気分になれ、家族ってすごいと考えさせられました
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