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銀河鉄道の父 の商品レビュー

4.2

160件のお客様レビュー

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    53

  2. 4つ

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2024/06/19

こちらは父の日に贈った本です。父の日のフェアを色々みて、決めました。 私はまだ読んでいないので、評価の星はまだ付けないようにします。 正直に言うと、本屋に行った時に、父親は何のジャンルが好きなのかあまり理解できていませんでした。何年も生活を共にしているのに、本気で父親を知ろうと...

こちらは父の日に贈った本です。父の日のフェアを色々みて、決めました。 私はまだ読んでいないので、評価の星はまだ付けないようにします。 正直に言うと、本屋に行った時に、父親は何のジャンルが好きなのかあまり理解できていませんでした。何年も生活を共にしているのに、本気で父親を知ろうと思ったことがなかったのです。 父親は現在還暦過ぎです。平均余命は約二十年。 私が家を離れ、仕事に忙しくなれば、会える機会は今よりずっと少なくなります。家庭を持てば尚更会うことは難しくなるでしょう。 まだこれから挽回は効くと思ってはいますが、もう少し前に気付いていれば良かったです。 よく幼少期は公園とかで遊んでもらっていました。キャッチボールとか。楽しかった。 私が中学生、高校生になるにつれて思春期が激しくなり、父に対し一時的に笑顔が作れなくなりました。当時の私の気持ちを汲んでくれた父は、そこから更に寡黙になっていきました。 それから今まで関係は付かず離れず続いています。 そして、成人し就職した私は、改めて感謝の気持ちを父の日に伝えようと思いました。母と姉がいない、静かな朝でした。前から用意していたこの本を大切に持ちながら、父親の部屋に向かいました。会話は私から。ぎこちないありがとうを伝えました。 今ではこの「銀河鉄道の父」を通じて、会話が弾んでいます。

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2024/06/12
  • ネタバレ

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父親から見る宮沢賢治。 家業の質屋を嫌っていた宮沢賢治、何となく父とは不仲なイメージだったけど、このお話のように本当に大切にされてきたんだとしたら良いなぁ…。 父でありすぎる、父。 ストーリーも良いし、描かれ方にグッと来るシーンがたくさん!政次郎が賢治を看病するシーンとか、春と修羅のシーンの後に刺す光を雲丹のトゲと描いたり、最期をすきとおった…と描いたり。胸熱。

Posted byブクログ

2024/06/10

門井慶喜さん著「銀河鉄道の父」初読みの作家さんの作品。 直木賞受賞作品、観てはいないが数年前に映画化もされている。 素晴らしい作品だった。 父子の愛情が溢れんばかりの物語。 百田尚樹さんの「永遠の0」以来の久し振りに胸を強くうたれる物語だった。 物語は宮沢賢治の家族の話。 父...

門井慶喜さん著「銀河鉄道の父」初読みの作家さんの作品。 直木賞受賞作品、観てはいないが数年前に映画化もされている。 素晴らしい作品だった。 父子の愛情が溢れんばかりの物語。 百田尚樹さんの「永遠の0」以来の久し振りに胸を強くうたれる物語だった。 物語は宮沢賢治の家族の話。 父親政次郎の目線からの息子賢治の半生が綴られている。 舞台は岩手県花巻、明治中期~昭和初期迄の賢治の生涯と宮沢家の家族の営みが描かれている。 この政次郎が凄く人情味溢れる日本男子、そして父親として素晴らしい家族の長。 時に固く、時に柔らかく、しかし何事にも思慮熟慮に耽け、明哲さと聡明さと厚情さの長けた父親。 5人の子供達にも時代の主流があるにせよ、しっかりとした父親としての接し方に大きな好感を持てた。 戦前の詩人作家として「注文の多い料理店」等の童話や「銀河鉄道の夜」に代表される不思議な意味深な物語を描き、今現在でも宮沢賢治の作品のファンは多い。 自分も「銀河鉄道の夜」に至っては中学生の頃から現在まで何度も読んだ作品。だが宮沢賢治の人物像迄はあまり知らなかった。 最愛の妹トシとのエピソード等は有名で知っていたが、まさかの5人兄弟とも知らず勝手に2人兄妹だと思っていた。 この作品を読んで、描かれている賢治の人物像になんとも言えない弱々しい人間っぽさを感じる。 今風にいえばナイーブからのニートみたいな存在、行き場がないからの親のすねかじりを感じる。 根っからの甘ったれにも、強烈な他人へのコンプレックスにも、表現の歪んだ自己欲求にも、どうにでも見えるのだが父は父として家族の長としていつも賢治と真っ正面から接している。格好いい。 あの有名な「雨ニモマケズ…」は末期に病の床の上で書いたとは知らなかった。 この「雨ニモマケズ」この作品をふまえて読むと最後の「ワタシハナリタイ」って父の事なのでは? 父の様な人間に「ワタシハナリタイ」なりたかったのでは?と感じてしまう。 政次郎は物語の最後、賢治の死後に「賢治の言葉遊びみたいなものだよ」と孫に言って聞かせていたが、きっと政次郎も賢治のその言葉の意味をわかってたんじゃないかな?と思うし、そうであってほしい。 最高の作品だった。 読後に門井さんのインタビューを読んで、賢治の死後に政次郎が一家で浄土真宗から日蓮宗へと改宗したのだと読んだ。代々信じてきた宗派までも改宗して、息子の最後の言葉の意図を汲んでいる。なんだこの父親は。なんだこの親子愛は。 作者はこれを書くとやりすぎだと感じて物語には入れなかったらしい。 後で調べて知って、ますますこの親子の愛の深さを知ることができた。

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2024/05/03
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徒然と感想 当時の父親像からは程遠いリベラル寄りの父親に育てられたんだから、息子がちょっと世間からズレててもしゃあないよな。その結果「普通」になれず悩む賢治が気の毒。 テレビもYouTubeもない時代、孤独でたまらなかったやろうなと思う反面、実家が太いから甘え放題なわけで、親としての歯がゆい思いもわかる。 でも、お父さん、あなたの息子さんがこういうふうになったのは、大体はあなたの子育ての結果ですよ。そして、家族がみんな仲がいいのも、愛情深いのも、献身的な人柄に育ったのも、あなたの子育ての結果ですよ。 農学校の教師の仕事内容がブラックすぎて戦慄。ほんま彼の生まれた時代がしんどすぎ。 あとは家族から結核患者が出ても、家が金持ちなら大丈夫なんやなって学んだ。そういう意味では賢治は恵まれてた。ゴールデンカムイの杉本は家燃やしたのにな。

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2024/05/02

随分と前『あの宮沢賢治は実はボンボンで金食い虫だった』という裏話のようなものを聞いた時は、何故だかせっかくの名作の価値が下がったような気がした その事実は事実のままに、読み終えたあと賢治の作品が更に輝き出して見える素晴らしい1冊でした

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2024/04/23

文字通り宮沢賢治の父政次郎から見た宮沢家の物語。 とにかく子煩悩な父親だったのが意外でした。自ら賢治の看病をしたり、常に賢治のことを第一に考え資金を提供したりと少々過保護なのではと思うところもありますが。。。ここまで子を愛せる政次郎がまぶしいです。 政次郎の目で語られるので賢治以...

文字通り宮沢賢治の父政次郎から見た宮沢家の物語。 とにかく子煩悩な父親だったのが意外でした。自ら賢治の看病をしたり、常に賢治のことを第一に考え資金を提供したりと少々過保護なのではと思うところもありますが。。。ここまで子を愛せる政次郎がまぶしいです。 政次郎の目で語られるので賢治以外の妹、弟の様子も垣間見えて興味深い作品です。 また、昭和な考えが何かと上書きされる昨今で、大正世代の生活の様子や価値観がなんだか新鮮に感じました。それでも女性が社会に出るようになっていく様子はどの時代も同じなのかと親近感すらわきます

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2024/04/17

子供の頃、注文の多い料理店が好きだった。宮沢賢治は今では誰でも知っている知名度だが、評価されたのは死後数年でようやくとは…  正岡子規とかもそうだが、この時代は結核で亡くなるケースが多い。 政次郎が過保護気味で良き理解者として描かれている。 自らの危険も顧みずに看病するなど立派な...

子供の頃、注文の多い料理店が好きだった。宮沢賢治は今では誰でも知っている知名度だが、評価されたのは死後数年でようやくとは…  正岡子規とかもそうだが、この時代は結核で亡くなるケースが多い。 政次郎が過保護気味で良き理解者として描かれている。 自らの危険も顧みずに看病するなど立派な父親、見習わないとなぁ

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2024/03/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

Audibleで聴いた。 宮沢賢治の父親目線で描かれた、宮沢賢治、宮沢家のお話。 宮沢賢治の生い立ちについて全然知らなかったので、お金持ちの家で育ち、頭は良いけれど商売には向いていなくて、長男だけど家業の質屋は継がず、作家になる前に色々なビジネスをやろうとしていたり、幼い頃から病気がちで結核で若くして亡くなったり…という生い立ちを知れたのが面白かった。 ラストは唐突に終わったなと思った。

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2024/03/17

実は宮沢賢治先生の本は読んだことがなかったけど、ずっと気になってた。子供の頃、銀河鉄道の夜を読もうとして、少し怖いのとよくわからなくて苦手意識ができ、大人になってもそれが抜けなかった。その克服として気になった本を読んでみた。 先生の親父さん、なんとも愛らしいキャラ。厳しいけど子供...

実は宮沢賢治先生の本は読んだことがなかったけど、ずっと気になってた。子供の頃、銀河鉄道の夜を読もうとして、少し怖いのとよくわからなくて苦手意識ができ、大人になってもそれが抜けなかった。その克服として気になった本を読んでみた。 先生の親父さん、なんとも愛らしいキャラ。厳しいけど子供が大好き。その葛藤する姿に深い優しさを感じ、それで読みやすかったと思う。 この時代まだまだ「人生50年」とか言われていて短い。一生や日々の生活が人にとってとても重い。大事にするために、仕事も勉強も厳しく決めて導いてあげる必要があったのかなと。いまは「人生100年」。自由が増えた代わりに一生や日々の生活が軽くなってるんじゃない?なんちゃって。とはいえ、自分は、大事だからと頭ごなしや厳しく言われるの大嫌いだ。だから、自由な雰囲気はいいなと思うし、もっと素直に優しさを出していければいいのになとも思う。 あと、やっぱり覚悟を決めた表現者の残す作品はその人の何かが宿るんだろうなぁ。前に読んだ「楽園のカンヴァス」でも、ルソーの気迫が作品に移るような描写に引き込まれたけど、今回も同じような感動があった。 芸術家の作品、ほんとポジティブだ。

Posted byブクログ

2024/03/16
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素晴らしい小説だった。親子愛を描いた本として傑作だと思う。この小説での父・政次郎は、宮沢賢治という、人とは一風変わった個性と真摯に向き合う、人間味あふれる父親として描写されている。実際の父親がどのような人であったかは、資料がないために、はっきりとはわかっていないらしいが、いつの時代でも、このような父親のもとで育つ子供は幸せだと思う。賢治の最愛の妹・トシが亡くなる場面であったり、その約10年後に賢治が亡くなる場面は、残された人たちの気持ちを考えると、とても辛かった。

Posted byブクログ