くちなし の商品レビュー
生々しい小説だ、と思った。自分がいちばんよく知っているはずの自分のカラダが、なにかそれだけで別の意識をもった生き物みたいに描かれていて、ちょっと気味が悪い感じがするというか。 結局いちばん怖いのは、「知らないもの」よりも「知っているはずなのに知らなかったもの」なのかも……。 この...
生々しい小説だ、と思った。自分がいちばんよく知っているはずの自分のカラダが、なにかそれだけで別の意識をもった生き物みたいに描かれていて、ちょっと気味が悪い感じがするというか。 結局いちばん怖いのは、「知らないもの」よりも「知っているはずなのに知らなかったもの」なのかも……。 この本が、「高校生直木賞」を受賞したと知って読んでみたのだけれど、これを選んだ高校生の「読む力」に感服した。
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変わった掴みどころのない話が多かったけど、世界観と発想が面白かった。異世界っぽいけど読みやすい、入って来やすい。
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艶めかしい!どのお話も、なんとも艶めかしい! ありえないと顔を背けるよりも早く、その世界に浸ってしまう。そんな魅力のある文章たちでした。 愛する人の腕と暮らしたり、羽虫に身体を蝕まれたり、蛇になったり、卵を身籠ったり 艶めかしい世界の中には生と死が無造作に転がっている。なんとなく...
艶めかしい!どのお話も、なんとも艶めかしい! ありえないと顔を背けるよりも早く、その世界に浸ってしまう。そんな魅力のある文章たちでした。 愛する人の腕と暮らしたり、羽虫に身体を蝕まれたり、蛇になったり、卵を身籠ったり 艶めかしい世界の中には生と死が無造作に転がっている。なんとなく避けてしまいたくなる生と死をドーンと投げ込まれたような衝撃がありました。
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独特の世界観でとっても好きでした。 個人的には愛と憎悪の物語かな。私の住む世界とは全く違う道徳感なのに共感できるところが多くありました。あと、表現がとっても綺麗で素敵でした。 短編集なので隙間時間に読み進められると思います。でも読んでいると本の世界観に吸い込まれて周りが見えなくな...
独特の世界観でとっても好きでした。 個人的には愛と憎悪の物語かな。私の住む世界とは全く違う道徳感なのに共感できるところが多くありました。あと、表現がとっても綺麗で素敵でした。 短編集なので隙間時間に読み進められると思います。でも読んでいると本の世界観に吸い込まれて周りが見えなくなるので要注意です…笑 彩瀬まるさんの作品ほかにも読んでみたいなと思いました!
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不倫の話か… と思ったら ん?うで?もらう? 持って帰る?うでを? という感じで SF展開?含むのがちょっとおもしろかった といった短編集 長編だとどんなか読んでみたい んだけど 一番好きだったのはゴーヤの話で なんか地味なんだけど 滋味深いみたいな
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良くも悪くも好き嫌いが分かれそうな作品。 多忙な時期でも、読書がしたいと思います買った短編集。 特殊な世界線というか、独特な設定が含まれているにも関わらず、すらすら読め、何故かその設定を受け入れられるのが不思議な感じがしました。 ただ、話によっては此処で終わる?というお話もあ...
良くも悪くも好き嫌いが分かれそうな作品。 多忙な時期でも、読書がしたいと思います買った短編集。 特殊な世界線というか、独特な設定が含まれているにも関わらず、すらすら読め、何故かその設定を受け入れられるのが不思議な感じがしました。 ただ、話によっては此処で終わる?というお話もありました。話の内容が面白かった分、少し終わり方が残念な印象。 短編集の中でも、1編が短い印象があるので時間がない人にはおすすめできます。 逆に長編が好きな方にしたら内容が薄く感じる可能性が捨てきれない印象も。 個人的には、「花虫」が1番好きでした。タイトルとおなじ「くちなし」は内容が薄く感じられました。凄く好きな世界観ですがスピード感が早すぎて、残念に感じました。この内容なら、もっと長く書いて欲しい感じの話。 ダラダラ書きましたが、時間がなく特殊設定ありの恋愛が好きな方にはおすすめできます。ただ、例外としてハッピーエンドやラブラブな話が好き方にはおすすめできません。
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彩瀬まるさん、12作目 2018年第5回高校生直木賞受賞 別冊文藝春秋 2015〜2017 掲載された短編群 千早さんの解説ではないですが、途方に暮れてしまう方の短編集 日常から乖離した特異な部分を介在させながら、その世界観を日常的に描く 最近彩瀬作品を続けて読めている理由...
彩瀬まるさん、12作目 2018年第5回高校生直木賞受賞 別冊文藝春秋 2015〜2017 掲載された短編群 千早さんの解説ではないですが、途方に暮れてしまう方の短編集 日常から乖離した特異な部分を介在させながら、その世界観を日常的に描く 最近彩瀬作品を続けて読めている理由に 図書館予約がほとんど入っていないということがあるのです 彩瀬さんファン層は、購入されるているだろうと思うのですが、それにしてもです 確かに 私も今回は何が出てくるんでしょうね、 それは何を表現してるんでしょうかね と 読み始めてなんか出てくると 読むのに気合い入れてしまいますし さすがにわからないってのにも出会うし それでもです、すとんとくると快感なんですよ 彩瀬さんは、 「日常的から大きく乖離した幻想的な作品は 読み手に負担をかけて読者を選ぶ」 と言われて しばらく(その種類の作品を)書くのをやめていたとか 書きたいものと読んでもらえるものの折り合いですかね 『新しい星』は 確かに読みやすい、日常内の小説で 直木賞候補にもなってます そしてこちらも直木賞候補だった様です 高校生達が高校生直木賞に『くちなし』を選んだことは驚き(本当に褒めてる方)です 理解は及ばなくても特異な世界観に惹かれたとか 頼もしい 短編は7編 どれも恋愛小説になるのだと思う クセお強め 「愛のスカート」 は、ストレート現実的です その他は異物混入感あり 「けだものたち」 はわからないけど 恋愛としては成就 他は してない 「薄布」 は ざっくり 女性が美少年で人形遊びするシーンがあるのだけど 高校生男子達がどうしても生理的に受け入れられないという意見が多かったようだ このシーンは別に性別逆転でも良いし 女子達は きっと数多くある性犯罪系の小説を読 んでるんだろうと思うのだ それでも きっと生理的にという表現はしないのではと思う そうすると男子くん達の方が感受性が強すぎるのか、想像性が弱いのか 「くちなし」 は不倫関係にあった男と別れる時左腕をもらう 女は左腕を慈しみながら暮らす ある日男の妻が腕を取り返しにやってくる その代わりに妻の腕をもらう 女は妻の腕と折り合って暮らす 再び妻に会った時 妻は男の中の裏切る生き物を処分してくちなしに入れたと言う 元気そうな妻に腕を返す あらすじ書いても役に立たないタイプの小説だけど これは妻が夫を随分愛している感じが理解できる
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帯に神様のお話みたいと書いてあった。私も同じようなことを思った。芥川龍之介の蜘蛛の糸みたい、人間の醜いところが垣間見える。なんかゾクゾクする。現実世界とは違う世界のことだけど、現代社会の何かを表しているような気がした。千と千尋の神隠しが実は環境問題を題材にしているのではないか、み...
帯に神様のお話みたいと書いてあった。私も同じようなことを思った。芥川龍之介の蜘蛛の糸みたい、人間の醜いところが垣間見える。なんかゾクゾクする。現実世界とは違う世界のことだけど、現代社会の何かを表しているような気がした。千と千尋の神隠しが実は環境問題を題材にしているのではないか、みたいな。ちょっと怖くてドキドキしつつ、でも急にじんとさせられたり。毎回予想の斜め上を行くストーリーが待っている。一本ジブリ映画を見終わったような満足感があって、考えさせられる。すごくよかった。
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幻想的で甘美で少しグロテスクな短編集。 文章も美しく、不思議な世界観に浸れる。 現実にはあり得ない世界観の中でも、そこにある感情の揺らぎは普遍的なものがあって、共感もできる。 どのお話も独特の魅力があって素敵だった。
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一見人間の話なのに、明らかに違う生き物たち。 ・別れの時に彼の片腕をもらった女 ・3回産卵をすると死んでしまう女たちの中で、一度も産卵をせず見守る女 ・激情を抱くと蛇や怪物に変身してしまう女たち こんな発想できるのほんとすごいなー!と思うけど、普通の人間たちの話である「愛のスカ...
一見人間の話なのに、明らかに違う生き物たち。 ・別れの時に彼の片腕をもらった女 ・3回産卵をすると死んでしまう女たちの中で、一度も産卵をせず見守る女 ・激情を抱くと蛇や怪物に変身してしまう女たち こんな発想できるのほんとすごいなー!と思うけど、普通の人間たちの話である「愛のスカート」「茄子とゴーヤ」がなんだかんだ良かった。
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