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画家とモデル の商品レビュー

4.1

20件のお客様レビュー

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2024/05/16

面白かったし興味深かい内容から★満点 ただし著作権絡みか画像不掲載の作品が目に付くのは残念。 参考文献もちょっと雑に感じる。まあ自分で調べろって事かもしれないが。 一番気になったのは当然、メンツェルの作品。 真相を知るまで後の創作とは思わなかったほど観てきたかのように描けている...

面白かったし興味深かい内容から★満点 ただし著作権絡みか画像不掲載の作品が目に付くのは残念。 参考文献もちょっと雑に感じる。まあ自分で調べろって事かもしれないが。 一番気になったのは当然、メンツェルの作品。 真相を知るまで後の創作とは思わなかったほど観てきたかのように描けている。 現物もベルリンで観た。汚れて薄暗い画面で細かい描写不鮮明なのは残念だった。 晩年に得た真のミューズ → サージェントと《トーマス・E・マッケラーのヌード習作》 「飛んでいってしまった」 → ゴヤと《黒衣のアルバ女公爵》 母として画家として → ベルト・モリゾと《夢みるジュリー》 守りぬいた秘密 → ベラスケスと《バリェーカスの少年》《道化セバスティアン・デ・モーラ》 レンピッカ色に染める → タマラ・ド・レンピッカと《美しきラファエラ》 愛する母をマリアに → ギュスターヴ・モローと《ピエタ》 大王と「ちびの閣下」 → メンツェルと《フリードリヒ大王のフルート・コンサート》 伯爵の御曹司とダンサー → ロートレックと《ムーラン・ルージュ、ラ・グリュ》 野蛮な時代の絶対君主に仕えて → ホルバインと《デンマークのクリスティーナの肖像》 愛のテーマ → シャガールと《誕生日》 過酷な運命の少女を見つめて → フォンターナと《アントニエッタ・ゴンザレスの肖像》 真横から捉えた武人の鼻 → ピエロ・デラ・フランチェスカと《ウルビーノ公夫妻の肖像》 破滅型の芸術家に全てを捧げて → モディリアーニと《ジャンヌ・エビュテルヌ》 妹の顔のオイディプス → クノップフと《愛撫》 宗教改革家との共闘関係 → クラーナハと《マルティン・ルター》 画家の悲しみを照り返す → レンブラントと《バテシバ》 呪われた三位一体 → ヴァラドンと《網を打つ人》 「世紀の密会」 → ワイエスと〈ヘルガ・シリーズ〉

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2023/05/05

代表的な画家と、描かれたモデルとの関係や背景について。 読む前と読んだ後ではその絵から感じ取れるものがずいぶん変わってくる。 それにしても絵から伝わる情報や感情は、写真や映像とはまた全然違ったものがあって面白い! ジャンルは違っても、原田マハさんの楽園のカンヴァスも良かった。

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2023/03/21

何故、画家はその人をモデルに選んだのか? 18人の画家の人生にドラマを与えた、モデルとの関係を読み解く。 サージェント ゴヤ ベルト・モリゾ ベラスケス タマラ・ド・レンピッカ ギュスターヴ・モロー メンツェル ロートレック ホルバイン シャガール フォンターナ ピエロ・デ・フラ...

何故、画家はその人をモデルに選んだのか? 18人の画家の人生にドラマを与えた、モデルとの関係を読み解く。 サージェント ゴヤ ベルト・モリゾ ベラスケス タマラ・ド・レンピッカ ギュスターヴ・モロー メンツェル ロートレック ホルバイン シャガール フォンターナ ピエロ・デ・フランチェスカ モディリアーニ クノップフ クラナーハ レンブラント ヴァラドン ワイエス 主要参考文献有り。 解き明かされる画家とモデルとの関係。 知れば、絵画に込められた画家の想いが浮き上がってくる。 秘められたモデル。老いらくの恋の行方。愛しい一人娘。 気高さが滲み出る矮人たち。バイセクシャル。溺愛と母性。 個人的な共通項を見い出した亡き大王。 自分の不自由な身体とは対極の躍動感ある肉体の持ち主。 絶対君主と彼に関わる女性たち。幸運の女神である愛しい妻。 温かい眼差しで見つめた多毛症の少女。理想の君主の傭兵隊長。 運命の人と献身の伴侶。偏愛する妹。共闘する宗教改革家。 光の妻と陰の内縁の妻。画家である母が愛した息子とその友人。 十五年間隠し通された心の安らぎ。 出会ったのは偶然か、必然か?モデルとの関係は、 絵画を知るにも、画家を知るにも、重要な観点だと、 しみじみ感じさせられました。

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2022/02/13

中野京子さんによる、「画家とモデルの関係性」に焦点を当てた美術本。 18章あり、「芸術新潮」に2018年〜2019年にわたって連載されたものをまとめたもの。 ゲイであることを死ぬまで隠し続けて想い人のヌードを描き続けたサージェント。 同姓の友人がほとんどいなく、晩婚ながら授か...

中野京子さんによる、「画家とモデルの関係性」に焦点を当てた美術本。 18章あり、「芸術新潮」に2018年〜2019年にわたって連載されたものをまとめたもの。 ゲイであることを死ぬまで隠し続けて想い人のヌードを描き続けたサージェント。 同姓の友人がほとんどいなく、晩婚ながら授かった一人娘のジュリーを母の目で暖かく描き続けた印象派の紅一点モリゾ。 モリゾは印象派の中では地味だけど、暖かい絵が私は好きです 道化として宮廷に置かれていた小人たちを丁寧に描いたベラスケス。 キャリアウーマン並みに絵を学び、肖像画や女性ヌードで脚光を浴びたバイセクシャルで奔放の女流画家レンピッカ。 この人の人生も強烈ですね。 遺伝により多毛症となり、半人半獣のペットとして扱われた少女ゴンザレスに優しく愛のこもった目線で描き続けた美しい女流画家フォンターナ。 最初はギョッとするけど、すごくいい絵です。ゴンザレスに優しく寄り添うフォンターナ。二人の空気感が伝わってくるようです。 モーリスユトリロの母であり、モデルとしても印象派の画家たちと交流があった画家のシュザンヌ。 この人もめちゃくちゃな人ですが、ロートレックやルノワール、沢山の画家たちに気に入られていたようですね。 ユトリロの絵の方が後々有名になり、私も何とも言えない侘しさのある彼の絵が結構好きですが、人としては酒浸りで暴力騒動もよく起こした暴れん坊だったようです。 美しくも若くもない、農家の子持ちの女性ヘルガを長年描き続けた(しかもそれぞれの夫、妻には何故かしばらく秘密で)アメリカのリアリズムの画家ワイエス。 それがこの表紙の絵です。確かにそんな美人では無いような。(中野さん曰く、ドイツのサッカー選手カーン似)このヘルガさんはまだご存命のようで、ワイエスへの尊敬の念は持ち続けているようです。 絵のモデルとの関係性、距離感、空気感。当時のその情景を考えながら絵を眺めると、また面白い。 そして中野さんのテーマの切り取り方。(もしかしたら出版側からの依頼かも知れないけど)いつもながらさすがですね!

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2022/01/21

知ってる絵にも、背景にこんなドラマがあるとは。 表紙になっているワイエスのヘルガの絵は長い間秘密にされていた。 近所の人達を普通に描いただけでは無かったのだ。 多毛症のアントニエット・ゴンザレスを描いたファンターナの絵。宮廷で飼い殺しになっていたモデルの少女はどんな気持ちで生き...

知ってる絵にも、背景にこんなドラマがあるとは。 表紙になっているワイエスのヘルガの絵は長い間秘密にされていた。 近所の人達を普通に描いただけでは無かったのだ。 多毛症のアントニエット・ゴンザレスを描いたファンターナの絵。宮廷で飼い殺しになっていたモデルの少女はどんな気持ちで生きていたのだろうか? 面白くてあっという間に読んでしまった。

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2021/12/18

18人の画家と そのモデルになった人たちにまつわる エピソードが綴られています。 それぞれ短くまとめられていますので、 ちょっともの足りない気がしますが、 絵が描かれた当時の時代背景や 文化、風習、画家とモデルの関係など、 浅く広く知ることができます。 べそかきアルルカンの詩...

18人の画家と そのモデルになった人たちにまつわる エピソードが綴られています。 それぞれ短くまとめられていますので、 ちょっともの足りない気がしますが、 絵が描かれた当時の時代背景や 文化、風習、画家とモデルの関係など、 浅く広く知ることができます。 べそかきアルルカンの詩的日常 http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/ べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え” http://blog.goo.ne.jp/besokaki-a べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ” http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2

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2021/09/06

中野京子さんの本、続けて読んで、7冊目。 全て素晴らしく、たのしめるが、これが今のところ、ベスト1。 サージェントの秘密にまずガツンとやられた。 画家の切ない思いが胸に迫る。セクシャルで熱を帯びた筆致。そして最後はワイエスのヘルガシリーズで閉める。 秘密のある人間のなんと魅力的...

中野京子さんの本、続けて読んで、7冊目。 全て素晴らしく、たのしめるが、これが今のところ、ベスト1。 サージェントの秘密にまずガツンとやられた。 画家の切ない思いが胸に迫る。セクシャルで熱を帯びた筆致。そして最後はワイエスのヘルガシリーズで閉める。 秘密のある人間のなんと魅力的なことよ。 一つの価値観に囚われない中野京子の人間観もまた魅力。レンブラントに尽くし若くして亡くなったヘンドリッキエは「愛する人を庇護することも幸せの一つの形だ」、ヴァラドンとユトリロ、ユッテレという騒々しい三人は、「世間を騒がせ、周りの顰蹙を会議、大騒ぎの果てとはいえ、本人たちは存分に生きたと言えるのではあるまいか」と、中野京子の彼らを見る目は限りなくやさしい。 深い教養と人間への共感。 ベラスケスとフォンターナのモデルへの敬意を発見した中野京子の洞察力。小説を読むような充足感を得られる本だ。

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2021/08/10

中野京子さんは何冊か読んでいるがやはり文章がうまい。ただその絵画の背景を語るだけではないのが良いところだ。今回は美術史の中でも、モデルやその周囲の人間と画家との関係に焦点をあてている、よりミクロな美術史といえる。

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2021/09/08

 画家とモデルといえば「画家が男でモデルが女」「画家が攻めでモデルが受け」という図式を思い浮かべる。本書で採り上げられた画家/モデルの関係は、ありがちな図式を逸脱している。  図書館で借りたため、帯カバーが見返しの部分へ二分割で貼られていた。きちんと見なかったのが幸いし、ネタバレ...

 画家とモデルといえば「画家が男でモデルが女」「画家が攻めでモデルが受け」という図式を思い浮かべる。本書で採り上げられた画家/モデルの関係は、ありがちな図式を逸脱している。  図書館で借りたため、帯カバーが見返しの部分へ二分割で貼られていた。きちんと見なかったのが幸いし、ネタバレせずに済んだ。  シャガールの《誕生日》は、何度みても感動する。  ヴァラドン《網を打つ人》は初見。これでユトリロが母の肖像を描いていれば美術史に一石どころか一岩を投じるのだが、風景画の人だから残念だ。

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2021/02/07

読み応えのある解説が18本.非常に面白かった.従来の絵画の解説は画家に特化したものが大半だが、本書はモデルや画家の周辺の人も含めた話を盛り込んでいるのが最大の特徴だ.どの話も楽しめたが、マルティン・ルターを扱った"宗教改革家との共闘関係"が良かった.どのような...

読み応えのある解説が18本.非常に面白かった.従来の絵画の解説は画家に特化したものが大半だが、本書はモデルや画家の周辺の人も含めた話を盛り込んでいるのが最大の特徴だ.どの話も楽しめたが、マルティン・ルターを扱った"宗教改革家との共闘関係"が良かった.どのような活動も周りの人との良好な関係が、うまく展開することが肝要であることの事例のような内容だった.

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