保健室のアン・ウニョン先生 の商品レビュー

チョン・セラン(著者),斎藤真理子(訳者)

2024/08/19

この本を読みたくて、まずNetflixドラマを見た。ようやく本も読み終えて、満足。ドラマで分からなかったことも、本を読めば分かりやすく、スッキリした。時々出てくるウニョンの悪態が結構好き。軽い文章でクスッとしたり、でも、考えさせられたりするのがチョン・セランさんの魅力。ハマりそうです

2024/08/12

BB弾で戦う保健室の先生と天然漢文教師のコンビが楽しい。気になっていた韓国文学に手を伸ばしはじめ、ポップな作品も読んでみたいなと思って手に取った作品。気軽に読めるが、思ったほど爽快な作品ではなく、ところどころじめじめした空気を感じた。舞台となっているこの学校の地下から漂ってくるのかもしれない。

同じ東アジア文化圏に属していると感じられるのが嬉しかった。漢文教師はやっぱりこういうキャラなんだ、みたいな。韓国名に馴染みがないので、登場人物の名前がなかなか覚えられなかった。

2024/07/01

この学校には、何かがいる——
養護教諭のアン・ウニョンが新しく赴任した私立M高校。
この学校には原因不明の怪奇現象や不思議な出来事がつぎつぎとまき起こる。
霊能力を持つ彼女はBB弾の銃とレインボーカラーの剣を手に、
同僚の漢文教師ホン・インピョとさまざまな謎や邪悪なものたちに立ち向かう。

はたしてM高校にはどんな秘密が隠されているのか……。
斬新な想像力と心温まるストーリーで愛され続けるチョン・セランの魅力が凝縮した長編小説。

2024/06/23

私立M高校に赴任した養護教諭アン・ウニョンは霊能力の持ち主。学校では次々と怪奇現象や謎の事件が起こる。どうやら何か秘密があるらしい。創立者の孫である漢文教師ホン・インピョは、成り行きで彼女に協力することになり…。
「一風変わった養護教諭が生徒たちの悩みを解決する話」かと思いきや（そういう要素も確かにあるが）、斜め上にぶっ飛んだ展開に。表の仕事も裏の仕事もそれなりに有能なのに、邪悪なものを倒す武器がBB弾の銃やおもちゃの剣だったりと、どこか残念なウニョン先生のキャラクターが面白い。日本と似ているようで違う韓国の教育事情も興味深く読んだ。

2024/05/24

できるよ、今からでもやればできるよと応援されたが、気がせいてきた。生きていくというのは焦ることなんだな。欲が出ることなんだな。

2023/10/24

　「夏目友人帳」（この世ならざるものが見える）と「ふたりはプリキュア」（手を握り合って力を発揮する）と「丸の内魔法少女ミラクリーナ」（ファンシーなアイテム）と「虚構推理」（事件は邪悪なもののせい）と、ボーイミーツガールとシャーマニズムとまっすぐ過ぎる正義感と親切心を混ぜてこねてジェリービーンズを散らしたような小説だった。
　チョン・セランの『シソンから、』が好きだったので色々読んでみようと思って、亜紀書房「チョン・セランの本」シリーズの１であるこれを。ファンタジーもりもりという事前情報は仕入れていたので面食らわずに読めた。養護教諭のアン・ウニョンと漢文教師のホン・インピョのコンビネーションが最高。文章も、本作はポップに振り切っているとはいえ、良い意味でちょっと引っかかる面白さがあって好き。
　著者あとがきに「永遠に書いていられそう」とあったが、二人の関係は一応決着がついて良かった。

2023/09/18

ドラマを観て原作が気になったから読んだ。

ウニョン先生のキャラが独特で面白い。ゴースト系(？)の話なのに怖くなく、文章はポップで、10話の短編に分かれているから読みやすいし、ユーモア溢れる表現に口角が上がる。夜の給食や夜間自習など、韓国ならではの文化も盛り込まれてて勉強になった。

何回も読みたいお気に入りの作品。

2023/09/02

霊能力を持つために生きづらそうな養護教諭と主要受験科目外の教科漢文の先生には、学園を守る確かな良心がある設定が良いです。養護教諭ウニョン先生は側から見るとおかしな行動ばかりしていますが、漢文のインピョ先生は東洋の古典に精通しているので怪奇現象にも対応できると、ウニョン先生を支え、二人で生徒、先生に良からぬ行動を引き起こす魑魅魍魎と戦うさまは学園の構成員に見えていたら英雄なのに。次々に現れる敵は二人以外には見えていないのだろうなと思いました。

2023/08/27

韓国版の退魔士の話をラブコメっぼく、という感じか。韓国の世相を反映したようで、あぁそうなんだ、と思うこと多し。

2023/08/17

ファンタジー？ホラー？SF？なのに、ポップで読みやすい。
本書に登場するM高校には、目に見えない邪悪な存在が潜んでいる。
その存在と戦う養護教諭の物語です。
M高校で起こることは、人が直面する不条理を表している。
そして、邪悪な存在を退治する養護教諭は、“不条理と戦う姿を表している”と感じた。
ストレートな表現はなくても、力強さと希望を感じさせる小説。