夜がどれほど暗くても の商品レビュー
被害者遺族と加害者遺族。夫婦・親子・家族の関係性。イジメ問題。マスコミの在り方。いろんなものがテンコ盛りになっているが、誌面がそれに追い付いておらず、それぞれの描出が淡く尻切れトンボ。盛り上げるだけ盛り上げられて梯子を外されたような後味の悪さが残る。些か疲れた。ミステリーとしての...
被害者遺族と加害者遺族。夫婦・親子・家族の関係性。イジメ問題。マスコミの在り方。いろんなものがテンコ盛りになっているが、誌面がそれに追い付いておらず、それぞれの描出が淡く尻切れトンボ。盛り上げるだけ盛り上げられて梯子を外されたような後味の悪さが残る。些か疲れた。ミステリーとしてのどんでんもしっかり用意されており、ドーンとくる。うちひしがれていた奥様が少し元気を取り戻してくれたのがせめてもの救い。
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志賀倫成は大手出版社の週刊誌の副編集長。だが息子・健輔に殺人の疑いがかかり、スキャンダルを追う立場から追われる立場に。被害者の娘、奈々美に襲われるが、彼女と触れ合ううちに…。 スキャンダラスな週刊誌ジャーナリズムへの批判はいささか手垢にまみれた感があるものの、読み進ませる力はあ...
志賀倫成は大手出版社の週刊誌の副編集長。だが息子・健輔に殺人の疑いがかかり、スキャンダルを追う立場から追われる立場に。被害者の娘、奈々美に襲われるが、彼女と触れ合ううちに…。 スキャンダラスな週刊誌ジャーナリズムへの批判はいささか手垢にまみれた感があるものの、読み進ませる力はあった。加害者家族と被害者家族のふれあいも現実離れしていると思ったけれど、結末には納得。 (B)
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+++ 人間の不幸に底はないのか?水に落ちた犬は叩かれ続けるのか?息子の殺人疑惑で崩れ去った幸せ―。スキャンダルとネットの噂に奪われた家族。だが男は諦めなかった―。 +++ 息子が殺人を犯し、しかもその場で命を絶ったと、警察から知らされた、大手出版社の雑誌の副編集長・志賀の目線...
+++ 人間の不幸に底はないのか?水に落ちた犬は叩かれ続けるのか?息子の殺人疑惑で崩れ去った幸せ―。スキャンダルとネットの噂に奪われた家族。だが男は諦めなかった―。 +++ 息子が殺人を犯し、しかもその場で命を絶ったと、警察から知らされた、大手出版社の雑誌の副編集長・志賀の目線で描かれた物語である。息子・健輔は、大学のゼミの教授の家に押しかけ、教授とその夫を殺したあげく自殺したという。仕事にかまけて、ひとり息子と向き合わずに来た志賀は、健輔のことを何も知らないことに愕然とする。妻の鞠子との関係も壊れ、その後の志賀がどう行動するのか興味深かったが、まず不思議に思ったのは、健輔の犯行を思いのほかあっさりと認めてしまったように見えることである。いくら最近の彼のことを知らないとはいえ、そこまでの状況に陥った理由を突き詰め、息子の無実の可能性を探ろうとしなかったのが、いささか腑に落ちないところではある。そこを於けば、犯罪加害者家族に向けられる世間のバッシングや、ひとり残された被害者の中学生の娘のその後など、興味深く惹きつけられる要素は多かった。最終的にはよかったと言えるのかもしれないが、失った命が帰らない限り、後味の悪さは残る一冊ではある。
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著者は毎月出版を目指している最中であるが、今回の作はズバリ週刊文春に対するものであったようだ。現在の週刊誌をクソ味噌に貶しており、これは文春に対する警告の書のようでもある。事件の方は大したトリックもなく、中国留学生による犯罪といったものであり、これも現代への警鐘でもあるのか。ただ事件の解決が心地よい結末であったのは救いであった。
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6月-24。3.0点。 週刊誌の副編集長が主人公。ゴシップネタを追うが、息子がストーカー殺人を犯し、現場で自殺。 激しいバッシングに遭う主人公。 12ヶ月連続出版中。大変だな。だからかも知れないが、あっさりした感じ。どっかで見たテーマだな。
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軽め小説 かかった時間 120分くらい?? 中山七里が12ヶ月連続で計12冊出すという企画。 前半が雑雑の雑。後半はいつもの感じだけど目新しさナッシング。 個人的にはもう少し遅筆でもいいから、もう少しマシなものを出して欲しいなあ…ヒポクラテス好きだから買うと思うが、それも面白...
軽め小説 かかった時間 120分くらい?? 中山七里が12ヶ月連続で計12冊出すという企画。 前半が雑雑の雑。後半はいつもの感じだけど目新しさナッシング。 個人的にはもう少し遅筆でもいいから、もう少しマシなものを出して欲しいなあ…ヒポクラテス好きだから買うと思うが、それも面白くなかったらさすがにもういいかなあ…。
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中山七里氏の最新刊。シリーズ物ではない。相変わらず、一気読みの作品だった。ほぼ半日で読破した。内容は、大手出版社で、取材側(加害者を攻撃する側)だった主人公が、突然、自分の息子が殺人犯となり、取材される方(マスコミや匿名の偽の正義感を持った人々から攻撃される方)に回るストーリだ。...
中山七里氏の最新刊。シリーズ物ではない。相変わらず、一気読みの作品だった。ほぼ半日で読破した。内容は、大手出版社で、取材側(加害者を攻撃する側)だった主人公が、突然、自分の息子が殺人犯となり、取材される方(マスコミや匿名の偽の正義感を持った人々から攻撃される方)に回るストーリだ。いかに今のメディアが愚かで且つ偽の鬱屈した特命の大衆も酷い事をしているか?なぜ匿名性をもって弱い人を攻撃するのか?など、改めて考えさせられる作品だ。ぜひマスコミ関係者に読んでもらいたい作品だ。最後は、予想通りの結末となりました。
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一人息子が殺人事件を起こしたのちに自殺してしまった雑誌編集者。今までは取材する側だったのが立場が逆転、さらに世間からの猛烈な攻撃にさらされる、という何とも言えずやりきれない物語です。さらに被害者の遺族までが同じような世間の悪意に晒されるのは、どうしようもなく理不尽で胸が痛くなるば...
一人息子が殺人事件を起こしたのちに自殺してしまった雑誌編集者。今までは取材する側だったのが立場が逆転、さらに世間からの猛烈な攻撃にさらされる、という何とも言えずやりきれない物語です。さらに被害者の遺族までが同じような世間の悪意に晒されるのは、どうしようもなく理不尽で胸が痛くなるばかり。こういう不幸は突如として自分の身にも降りかかるかもしれないというに、本当に想像力のない人たちが多いです。 被害者遺族と加害者家族という真逆の立場でありながら、家族を失い世間の悪意で叩かれる、という状況はまるで同じ。そんな中から徐々に芽生えていく彼らの絆にはほっとさせられました。というより、志賀がとにかくかっこいい。ラストの展開は圧巻。ああいう大人が現実にもまだまだいてほしいと思います。
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息子が大学の先生をストーカーし殺害した。ゴシップ記事の雑誌副編集長の志賀は、追う立場から追われる立場へ180度変わり、世間の悪評に耐える日々を送っていた… 真犯人は誰か?本当に息子がやったのか?クライマックスまで気を抜けず一気読みでした。犯人の件はあっけなかったけど、被害者の奈々美は志賀夫婦と暮らすのかな。葛城刑事が唯一の救いキャラでした。話の口ぶりから、円は司法修習生になれたみたいですね。
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犯罪被害者と加害者のプライバシーについて考えさせられた一冊。 正義や大義名分を盾に取り、匿名で繰り返される言葉の暴力。 そんな暴力を忌み嫌いながらも時には傍観者として楽しんでいる自分も居ることに気がつく。 それに日々加担しているのではと気づき、ぞっとした。 最後に一筋の光を見いだせたことが救いだった。
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