向田邦子ベスト・エッセイ の商品レビュー
憧れ、共感、自分の心のうちを見透かされているような気恥ずかしさ。生きた時代は全然違うのに少しも古びていない。未だにファンが増え続けていることにも肯ける。本書で好きなのは『手袋をさがす』。自覚しているかどうかは別として、誰もが著者と同様に、手袋をさがしているのだと思う。正面から向き...
憧れ、共感、自分の心のうちを見透かされているような気恥ずかしさ。生きた時代は全然違うのに少しも古びていない。未だにファンが増え続けていることにも肯ける。本書で好きなのは『手袋をさがす』。自覚しているかどうかは別として、誰もが著者と同様に、手袋をさがしているのだと思う。正面から向き合ったら苦い気持ちになるような、わかっているんだけど見たくないようなそんな気持ちを描き出した一遍。
Posted by
エッセイ集。ネットでこの本とともに「手袋をさがす」というエッセイが紹介されていて、気になり購入。前に読んだこともあるけれど、再読してもやはり共感できる部分は多い。戦争の際のお父さんの感情が出てしまう場面が、人間味があって、どれも泣きそうになってしまう。自分の好きなものを探し続けて...
エッセイ集。ネットでこの本とともに「手袋をさがす」というエッセイが紹介されていて、気になり購入。前に読んだこともあるけれど、再読してもやはり共感できる部分は多い。戦争の際のお父さんの感情が出てしまう場面が、人間味があって、どれも泣きそうになってしまう。自分の好きなものを探し続けてもいい、自分のまま進めばいい、そんな背中を押してくれるようなエッセイ集だった。
Posted by
男女雇用機会均等法ができる何十年も前の 自立した、だけど当時は憧れの範囲であった女性とは向田邦子だったのかと思った。 世代を超えた共感と憧れが巧妙に描かれたエッセイ。
Posted by
岡山の置き土産第二弾。ジャケ買い。 向田邦子ってだれ?という状況でスタート。 この時代に結婚せずに仕事でばりばりやっていくのは大変だっただろうに、あんまりそれを感じない。毎日小さくてもいいから発見をして楽しんでいるからだろうか。 解説読んでとても納得したのだが、たしかにあの時...
岡山の置き土産第二弾。ジャケ買い。 向田邦子ってだれ?という状況でスタート。 この時代に結婚せずに仕事でばりばりやっていくのは大変だっただろうに、あんまりそれを感じない。毎日小さくてもいいから発見をして楽しんでいるからだろうか。 解説読んでとても納得したのだが、たしかにあの時代のテレビは華やかさ満載のはずなのにそれが全然感じられない。素敵な人だったのだろう。 思うことは、ベスト・エッセイが最初の読み初めではなく、ベストじゃない版を最初に読みたかった。ベストじゃなかったら手に取ってないのだろうけども。 今度は昔出されたやつを読んでみようと思う。 飛行機が落ちないで欲しいという話は何も考えずに読んだ。あとがきで没後40年と知ってなんで亡くなったのか気になってカバーを見たら飛行機事故だった。飛行機事故にあったときは、綺麗に片付けて出掛けてしまったのかな。
Posted by
思ったよりとてもよかった。スパイラルの展示を見たあとだったので、余計に。原稿の展示を見た時、字が汚いなーと思ったが、本人も承知のことだったとは。ほっとした。 ニューヨークの旅の話で、治安が悪い地域に行った時、みんな不機嫌な顔をしていた・・・というような文章があった。もし、自分も差...
思ったよりとてもよかった。スパイラルの展示を見たあとだったので、余計に。原稿の展示を見た時、字が汚いなーと思ったが、本人も承知のことだったとは。ほっとした。 ニューヨークの旅の話で、治安が悪い地域に行った時、みんな不機嫌な顔をしていた・・・というような文章があった。もし、自分も差別や偏見にあい、ここで生きていたらこんな顔になっていただろう・・・というように続く。「この人すごい」と好きになった。父の詫び状以外にも、泣いてしまう話もいくつか、さすがベストエッセイ。ライオンの話は特に大好き。
Posted by
よかったなぁ。私は無人島に持っていくのは向田さんの父の詫び状かもしれない。最後の話が自分とも重なってよかった。
Posted by
2021年は向田邦子没後40年の年です。妹の和子さんが7つの分野、50篇のベストエッセイを編集されました。「向田邦子ベストエッセイ」、2020.3発行。角田光代さんの解説にただ頷きます。「読み手の強力な共感、わかるわかる、あるある、がある。そして、それは時代や世代を軽々と超えて...
2021年は向田邦子没後40年の年です。妹の和子さんが7つの分野、50篇のベストエッセイを編集されました。「向田邦子ベストエッセイ」、2020.3発行。角田光代さんの解説にただ頷きます。「読み手の強力な共感、わかるわかる、あるある、がある。そして、それは時代や世代を軽々と超えている」私の好きなのは、分野ごとに:①家族では「父の詫び状」「お辞儀」「字のない葉書」②食いしんぼう「薩摩揚」「お弁当」③犬と猫とライオン「噛み癖」「猫自慢」④こだわりの品「旅枕」⑤旅「鹿児島感傷旅行」⑥仕事「一杯のコーヒーから」⑦私という人「手袋をさがす」。
Posted by
これまで向田邦子のエッセイは読んだことがないと思っていたんだけど、この本の中にどう考えても読んだことあるものがいくつか入っており、あれ?と思ったら「マハシャイ・マミオ殿」という飼い猫に宛てた短いラブレターを読んで強烈に思い出したことがある。僕は高校の時にラブレターの代筆をしてたこ...
これまで向田邦子のエッセイは読んだことがないと思っていたんだけど、この本の中にどう考えても読んだことあるものがいくつか入っており、あれ?と思ったら「マハシャイ・マミオ殿」という飼い猫に宛てた短いラブレターを読んで強烈に思い出したことがある。僕は高校の時にラブレターの代筆をしてたことがあるんだけど、面倒くさくなって「眠る盃」というエッセイ集の中に入ってる「マハシャイ・マミオ殿」をパクってほぼそのまま渡したことがあったのでした。 友達が誰々が好きでラブレターを渡したいんだけど書けないから書いてくれと言ってきて、書いてあげたらその話が広まってしまい、とうとう「〇〇高校に行ってる友達が書いてほしいって言ってるんだけど」とか言ってくる奴が出てきて面倒くさくなった末のことでした・・・。22年を経て思い出しました。お金は貰わなかったと思いますが、貰わなかった自信がありません。500円くらい貰ったことが何度かあったからです。拝借した文面でお金を受け取るなどという良心の痛むことを当時の僕がしていないことを祈るばかりです。
Posted by
エッセイとしては、たしかに読みやすく面白かったが… いかんせん、時代の変遷で、現在の価値観とのギャップが大きかった。 向田邦子の描く「父」は、今であれば、典型的なDV、モラハラ夫で、非難轟々間違いないところである。 また、向田邦子自身も、20代前半で不倫し、相手の妻子を自殺未遂に...
エッセイとしては、たしかに読みやすく面白かったが… いかんせん、時代の変遷で、現在の価値観とのギャップが大きかった。 向田邦子の描く「父」は、今であれば、典型的なDV、モラハラ夫で、非難轟々間違いないところである。 また、向田邦子自身も、20代前半で不倫し、相手の妻子を自殺未遂に追い込み、最終的には男が自殺して恋が終わった…という、今では絶対に許されない経歴の持ち主。 文化、芸術と倫理は、別次元なのかも知れないが、エッセイは、創作物というより、著者の思考の投影なので、向田邦子自身に大きな違和感を感じる読後感となった。 特に、後半の「ないものねだりの手袋」の一節が、周囲を不幸にしてでも手に入れたかった「禁断の恋」の正当化のようで、見苦しいと感じた。
Posted by
解説が角田光代と知って、迷わず手に取った。 おもしろかったなあ。 何度も読み返す1冊になると思う。 飛行機の話が何度も出てきて、運命の不思議を感じた。
Posted by