1,800円以上の注文で送料無料

よその島 の商品レビュー

3.4

24件のお客様レビュー

  1. 5つ

    2

  2. 4つ

    7

  3. 3つ

    12

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2020/09/29

登場人物それぞれの記憶が異なり、読者を惑わす。 子育てや家族作りに失敗し、心に傷を持つ老人たちの、家族の再生の物語、といったところか。

Posted byブクログ

2020/09/25

表紙を見る限りでは、ミステリーなのかなと思いましたが、ヒューマンドラマでした。読み進めれば進めるほど、迷路に迷い込むかのようでした。疑惑、さらに疑惑で、独特で不穏な空気感が満載でした。 表向きは仲良しの人達かと思いきや、次々と出てくる秘密。妻が殺人?家政婦が復讐?など興味をそそる...

表紙を見る限りでは、ミステリーなのかなと思いましたが、ヒューマンドラマでした。読み進めれば進めるほど、迷路に迷い込むかのようでした。疑惑、さらに疑惑で、独特で不穏な空気感が満載でした。 表向きは仲良しの人達かと思いきや、次々と出てくる秘密。妻が殺人?家政婦が復讐?など興味をそそる内容でしたが、段々と景色が変わっていきます。個人的には、結末はこれでアリなの?というのが正直な感想でした。それまでの謎が解けたような解けてないような曖昧なことばかりでしたので、ハッキリとスッキリとした終わり方にして欲しかったなと思いました。 3人の視点で物語は進行し、それぞれが抱える事情が段々と見えていきます。3人の同居生活が始まるのですが、大きな事件が起きるわけでもなく、主に過去のことにスポットを当てているので、これからのストーリーというものが、ぼやけていた印象でした。 読み終わった後に題名に着目すると、深いタイトルだなと思いました。ただ、小説に出てきた様々な真実が果たして本当だったのか?疑うばかりで、あまりスッキリ感が否めませんでした。モヤモヤ感をもったまま、自分も「よその島」にいるような感覚がありました。

Posted byブクログ

2020/09/08

不穏な出だしにうわっとなった。読み進めるに従い誰も彼も怪しくて、もしかしてミステリー?かと思い始めた。一人の行動、ひとつの言動、全てがあやしく動き始める。ファンタジーのようでしたたかな人間の心理が荒野氏特有のことばで紡ぎ出される。

Posted byブクログ

2020/09/01

70代の、リタイヤした老夫婦と小説家。3人は離島に家を買い、余生を過ごそうと引っ越した。住み込みの家政婦親子2人も加わり、5人の共同生活が始まる。のっけから不穏な空気がヒタリヒタリと忍び寄り、静謐な文章なのに物騒な予感が漂う。正直「そういうオチでなかったらいいな」と思った通りのオ...

70代の、リタイヤした老夫婦と小説家。3人は離島に家を買い、余生を過ごそうと引っ越した。住み込みの家政婦親子2人も加わり、5人の共同生活が始まる。のっけから不穏な空気がヒタリヒタリと忍び寄り、静謐な文章なのに物騒な予感が漂う。正直「そういうオチでなかったらいいな」と思った通りのオチになってしまったので、そこはちょっと残念だった。若干冗長に感じる部分も。しかし雰囲気や文章は好み。登場人物の中では小説家の野呂さんが一番血が通った感じがして好き。そして何気なく出てくる料理が凝っていて本当に美味しそう。

Posted byブクログ

2020/07/31

東京での長年の暮らしを捨て、離島での生活を始めた70代の夫婦とその友人。住み込みの子連れの家政婦も加わり、それぞれが秘密を抱えたまま日々が過ぎていく。 しょっぱなから示される妻の殺人という言葉に、ミステリーのつもりで読んでいたところ、いい意味で裏切られた。 夫婦と友人の3人の視...

東京での長年の暮らしを捨て、離島での生活を始めた70代の夫婦とその友人。住み込みの子連れの家政婦も加わり、それぞれが秘密を抱えたまま日々が過ぎていく。 しょっぱなから示される妻の殺人という言葉に、ミステリーのつもりで読んでいたところ、いい意味で裏切られた。 夫婦と友人の3人の視点で語られる物語には、常に危うい緊張感と倦怠感がつきまとう。徐々に現実と妄想との境目があやふやになり、単純なミステリーとは異なる不穏な色合いが濃くなっていく。 たぶんそういうことだろうと思いながら読み進めていったラスト、タイトルである「よその島」の意味が明かされたときの切なさといったら。静かに淡々と語られる言葉の裏にある妻の哀しみを思うと、胸が締め付けられる思いだ。 決して順風満帆とは言えないけれど、それでも共に人生の終盤を迎えた夫婦の、内包する激しさとやるせなさ、そして諦めにも似た温かみが、読後にじんわりと広がる作品だった。

Posted byブクログ

2020/07/18

今までの生活の全てを捨てて島に移住。 夫婦と男性の生活になんだか それぞれの秘密を相まって ちょっぴりドキドキしながら どんなドロドロが待っているのかと 期待してしまったが 3人それぞれのラストは切なく 案外温かいものになった。 やっぱり移住、憧れちゃうよなぁ。

Posted byブクログ

2020/07/01

老夫婦と小説家の男性。知人の3人が人口の少ない知らない島に住む事になった。家に着くと知らない若い女性と子供がいた。小説家の知り合いという事で皆の食事係として一緒に住む事になるのですが一体、どんな事情があってこの5人は知らない島の家に住むことになったのか。秘密が多すぎる人達が徐々に...

老夫婦と小説家の男性。知人の3人が人口の少ない知らない島に住む事になった。家に着くと知らない若い女性と子供がいた。小説家の知り合いという事で皆の食事係として一緒に住む事になるのですが一体、どんな事情があってこの5人は知らない島の家に住むことになったのか。秘密が多すぎる人達が徐々にどんないきさつがあったのかを登場人物ごとに語る。ラストに向かっていくにつれ老夫婦の夫の記憶があやふやになり、その記憶によって結末が大きく変わっていく、、、。最初から違和感だらけの人物関係でした。読み進むにつれ、真実が解ってきたと思ったのですが、ラストではこの真実がどこまでが本当なのかが曖昧に、、、。最初から最後まで違和感が残り読み手側の解釈でラストが変わる一冊でした。

Posted byブクログ

2020/06/30

先が気になって仕方ない割にすぐに眠くなってしまう。そんなに面白くなかったということかな?初めて知る言葉が3、4つあった。例えば懸相とか、驟雨とか。

Posted byブクログ

2020/06/22

一組の夫婦と一人の男が共同生活をするため、島にやってくる。いずれも70代、碇谷芳朗は76歳で、骨董店を営んでいたが、テレビのお宝発掘番組に出て人気を博していた。妻の蕗子は70歳、二人のあいだに子どもはなかった。もう一人の男・野呂晴夫も70歳、ミステリー作家で、碇谷夫婦と同じマンシ...

一組の夫婦と一人の男が共同生活をするため、島にやってくる。いずれも70代、碇谷芳朗は76歳で、骨董店を営んでいたが、テレビのお宝発掘番組に出て人気を博していた。妻の蕗子は70歳、二人のあいだに子どもはなかった。もう一人の男・野呂晴夫も70歳、ミステリー作家で、碇谷夫婦と同じマンションに住み、碇谷の店の客だった。 物語は、ミステリー仕立てで、進む。自らの女性問題に端を発し、蕗子が殺人を犯していることを暗示するような芳朗の言動は何を意味しているのか、別れた妻と息子に対するうしろめたさを持つ野呂と住み込みの若い家政婦・仙崎みゆかとの関係は? 隠されていた秘密や疑惑が少しずつ解明され、登場人物が繋がっていく過程が読ませどころになっている。 男女関係のもつれ合いからくる不穏な雰囲気の中、読者をわざと欺くような展開もあり、一筋縄では終わらない面白さがある。 しかし、離島の風情がほとんど描かれておらず、ロケーションについて別に島にこだわる必要が感じられなかったのは残念だった。

Posted byブクログ

2020/06/10

記憶というのは曖昧なものだ。頭の中を埋め尽くすこともあれば、悲しいくらいあっさりと薄れてもゆく。塗り替えられた記憶に苦しむことも、希む未来に添うよう塗り替えることさえもある。これは、サスペンスのように交錯する3人の人生と記憶の物語。疑心暗鬼なのか、優しさなのか、裏切りなのか、愛な...

記憶というのは曖昧なものだ。頭の中を埋め尽くすこともあれば、悲しいくらいあっさりと薄れてもゆく。塗り替えられた記憶に苦しむことも、希む未来に添うよう塗り替えることさえもある。これは、サスペンスのように交錯する3人の人生と記憶の物語。疑心暗鬼なのか、優しさなのか、裏切りなのか、愛なのか。わからなくってドキドキするというよりも、凪のように穏やかに行ったり来たりする思い。3人のそれぞれの主観で語られる描き方も面白い。儚くっておだやかな愛の話。読後感も良い。何度も読みたくなる本。

Posted byブクログ