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言の葉は、残りて の商品レビュー

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30件のお客様レビュー

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2024/03/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

感想 読みながらどうしても大河ドラマの鎌倉殿の情景が思い浮かんでしまう。ドラマとはどう違う展開が待っているのか。 政権が不安定な中、わずか14歳の鎌倉殿には背景も決める権限も限られており、気の毒としか言いようがない。 実朝の「うん」という受け答えに将軍としての性格が現れていたように思う。最初は自信なさげな返答から、成長するにつれて確信に満ちた返事へと変わって行った。 あらすじ 時は鎌倉。頼朝と義家が亡くなり、鎌倉殿は3代目の実朝になっていた。その妻にと都から信子が下向する。北条氏の立場を盤石にするために次々と粛清が始まる。 武芸ではなく文芸に秀でた将軍になろうと争った実朝がもがき苦しんで到達したのが言の葉によって統べる将軍という答えだった。

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2023/09/12

可もなく不可もなく。言の葉の「静」な感じの中に血生臭い「動」が混じってるイメージ。13人の鎌倉殿見てれば、もっと深い感想を持っただろうが見てないし、たまたま手に取った本。

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2023/02/12

和歌(言葉)の力を信じる実朝の姿が、美しく儚く、切なさを感じた。ときどき出てくる大江殿と実朝とのやり取りが微笑ましくて好き。

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2022/12/29

殺伐とした時代に言の葉を武器としたい実朝とみだいの美しいと言いたいぐらいの夫婦のやりとり。阿波の局の屈託ないと思わせる言葉の刃にみだいは心を痛めるが耐える姿は健気で鎌倉に来て実朝に会えた事が幸せと言えるみだいの姿に感動する。 大河ドラマを観たので余計に感情移入したのかも。だけど年...

殺伐とした時代に言の葉を武器としたい実朝とみだいの美しいと言いたいぐらいの夫婦のやりとり。阿波の局の屈託ないと思わせる言葉の刃にみだいは心を痛めるが耐える姿は健気で鎌倉に来て実朝に会えた事が幸せと言えるみだいの姿に感動する。 大河ドラマを観たので余計に感情移入したのかも。だけど年最後に読めてよかった

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2022/12/22

鎌倉殿の13人を見て、実朝に興味が出て読んでみた。 あの戦乱の世の中で武家の棟梁としての立場にありながら、どこか雅な雰囲気、繊細な心の機微と言葉へ込める想いがとても稀有な存在に思えた。 今よりももっと言葉というものが尊かった時代、彼らの残した和歌ももっと深く読んでみたいという気持...

鎌倉殿の13人を見て、実朝に興味が出て読んでみた。 あの戦乱の世の中で武家の棟梁としての立場にありながら、どこか雅な雰囲気、繊細な心の機微と言葉へ込める想いがとても稀有な存在に思えた。 今よりももっと言葉というものが尊かった時代、彼らの残した和歌ももっと深く読んでみたいという気持ちになった。 情景の描写が綺麗で、「みだい」「きぃん」などの言葉の描き方も良かった。

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2022/11/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

親兄姉のいる都を離れ、誰も知る人のいない鎌倉へ嫁いできた摂関家の姫・信子。不安に押しつぶされそうになる信子を優しく受け止めたのは、鎌倉幕府第3代将軍・源実朝だった。 偉大なる父から受け継いだ征夷大将軍「鎌倉殿」のプレッシャーに押し潰されそうになる実朝を陰ながら支え、和歌の魅力を教えてくれた御台所・信子。権力争いの絶えない殺伐とした武家社会を、言の葉の力で治めたいと願う実朝の心をいつも癒やしてくれた。 大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の復習と予習を兼ねた読書となった。 ドラマの中の実朝夫妻も、とてもお似合いで見ていてとっても可愛らしい。 今作の実朝夫妻も本当に仲がよくて、微笑ましいことこの上ない。 二人が仲睦まじく和歌を詠み合う姿はうっとりする位に素敵で、史実を曲げてでもこのまま共に老いるまでずっと添い遂げさせてあげたかった。 武力による争いではなく、言の葉で世を治める。武家の棟梁に相応しくないことも、この実朝なら叶えてくれるのではないか、と淡い期待を抱かせてくれた。 後に執権・北条泰時が制定した御成敗式目も、言の葉の力を信じる実朝からの影響が少なからずあったと思いたい。 そして実朝亡き後も、実朝の創った和歌が残っていることがとても嬉しい。

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2022/08/22

親族間の権力争いが絶えない鎌倉幕府の中で、言の葉を大切に、まっすぐ穏やかに人を想う三代将軍 実朝。読み終わってから、しばらく温かな気持ちが残りましたら。ストーリーを追いかけるのではなく、時代や海の香り、自然の風に思いを馳せながら、ゆっくりと世界観を味わう事ができました。読んで良か...

親族間の権力争いが絶えない鎌倉幕府の中で、言の葉を大切に、まっすぐ穏やかに人を想う三代将軍 実朝。読み終わってから、しばらく温かな気持ちが残りましたら。ストーリーを追いかけるのではなく、時代や海の香り、自然の風に思いを馳せながら、ゆっくりと世界観を味わう事ができました。読んで良かった!

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2022/08/06

どうしても大河ドラマのキャストで脳内が展開されちゃう。実朝の成長が眩しい。それにしても源氏は血を流しすぎだ。

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2022/08/01

鎌倉幕府三代将軍・源実朝と、その妻・信子の儚くも美しい恋物語です。 若き将軍・源実朝のもとに、京から摂関家の姫・信子が嫁いできます。 雅な公家の姫・信子から和歌の魅力を教えられ、元々繊細で感受性豊かな実朝は和歌に嵌っていき、“武力ではなく、言の葉の力で世を治めたい”と願うように...

鎌倉幕府三代将軍・源実朝と、その妻・信子の儚くも美しい恋物語です。 若き将軍・源実朝のもとに、京から摂関家の姫・信子が嫁いできます。 雅な公家の姫・信子から和歌の魅力を教えられ、元々繊細で感受性豊かな実朝は和歌に嵌っていき、“武力ではなく、言の葉の力で世を治めたい”と願うようになります。 二人がお互いを想い合う様は、少女小説のようにキラキラしていて眩しい程でした。 一方、そんな仲睦まじい二人の様子と対照的に、周りで繰り広げられる権力争いが凄まじく、北条家の面々がそれぞれ違った意味で怖かったです。 特に阿波局のメンヘラっぷりと、北条義時の暗躍――影で“出る杭”をバシバシ叩き潰していく様に、ドン引きの私でした(息子の泰時ですら若干引いていた気がします・・汗)。 文章も美しく、読みやすいのですが、視点の移動が多くて誰を描きたいのか、個人的にちょっと散漫な感じがするかな・・と思いました。 ラストは史実の通り、哀しい展開になってしまうのですが、しっとりとした余韻の残る、恋絵巻を堪能させて頂きました。

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2022/06/25

鎌倉幕府の三代将軍で、源氏の最後の人。そんな知識しかなかった実朝の、その人となりにどんどん心惹かれていく一冊だった。学生時代に、源氏の将軍は三代で途絶えたと習うたび、なぜ、日本の歴史の最重要人物の一人である源頼朝の家系がたった三代で途絶えてしまったのだろうかと不思議に思っていた。...

鎌倉幕府の三代将軍で、源氏の最後の人。そんな知識しかなかった実朝の、その人となりにどんどん心惹かれていく一冊だった。学生時代に、源氏の将軍は三代で途絶えたと習うたび、なぜ、日本の歴史の最重要人物の一人である源頼朝の家系がたった三代で途絶えてしまったのだろうかと不思議に思っていた。だが、この本を読んで実朝と信子の穏やかで真摯で、それでいてどこまでも強い絆と愛を知り、当時日本で最も重い責務と運命を背負っていただろうに、たったひとりの女性を愛し抜くことを貫いた実朝の誠実さ、清潔さがとても尊く思えた。日本中の武人達の頂点に君臨する家に生まれながら、「武家」とは真逆の「公家」の文化を愛し、その道を進んでいくことはどれほど孤独で恐ろしい選択だったであろうか。鎌倉幕府の将軍という立場からは逃れることなど出来ず、周囲には常に陰謀が渦巻いている。そんな状況のなか、たったひとり、ありのままの「実朝」を愛し、心をともに出来る存在が信子だったのだ。信子もまた「公家」の責務を負う立場。だからこそ、そんな重荷を全て投げ出して、ただひとりの人間として生きたい、愛し合いたいという思いが実朝と重なったのではないだろうか。武力で一時権勢を得たからといって、後の世に残るのはその一瞬の事実だけ。歌は、言の葉は、永遠だ。永遠にその人の魂とともに存在し続ける。その人が当時何を思い、誰を愛していたのか。残された言の葉から後の人々が思いを巡らせるたび、その人の魂は生き続ける。私がこの本を通して実朝に思いを馳せることもまた、彼の言の葉に残る魂との交流であるのかもしれない。

Posted byブクログ