箱とキツネと、パイナップル の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
あらすじ 大学を卒業し、地方のモールにあるスポーツ用品店に就職した坂出。アパートに引っ越すが、そこは住人はクセのある人ばかり。元気な高校教師、背の高い中学生と過保護両親、別の高校教師に振られたモデル志望、コンビニ店長、謎の鈴木。そして家主はこまめに回覧板メールを送ってくる。 坂井では時々夢を見る。幼い頃、弟が用水路で行方不明になったままだ。大学同級生の藤井は臨床心理士の勉強をしている。 アパートでは、住人の小さな秘密を知ったり、向かいの庭でボヤが起きたりする。 つかみどころのない作品だったなー。ミステリーなのかな。結局、ボヤを起こしたのは誰かはっきりしなかったし、鈴木なる人物もよくわからなかった。作品の雰囲気は好きだ。登場人物の書き方が細やかで優しい。中学生家族が部活の試合で頑張ってのバーベキューパーティとか楽しそう。
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皆さんのレビューで初めてミステリー大賞作品だと知った。 タイトルだけでは内容が分からない。読み始めると私の好きな、小さなアパートの住民同士の交流の話で興味を引かれた。主人公の社会人一年生・坂出も地味だが真面目で穏やかで好感持てる。 しかし読み進めると様々な違和感を感じる。 全く...
皆さんのレビューで初めてミステリー大賞作品だと知った。 タイトルだけでは内容が分からない。読み始めると私の好きな、小さなアパートの住民同士の交流の話で興味を引かれた。主人公の社会人一年生・坂出も地味だが真面目で穏やかで好感持てる。 しかし読み進めると様々な違和感を感じる。 全く姿を現さないが『回覧板』なるメールで些細なことでもマメに送信する大家。それだけでなく坂出が入居する日も坂出の名前も住民全員に知らせている。 新たな入居者である坂出の勤務先まで大家に問い合わせ、勤務先に押し掛ける住民一家。 有無を言わせず部屋に押し掛け食事を振る舞う女性住民に、彼女に誘われ一緒に食事を食べに来る住民。 大家や住民たちの距離感に戸惑ってしまう。 それぞれの住民のキャラクターは個性的で、それぞれの背景も興味深いものがあってドラマとしては面白い。 不動産屋のオバサンと電気工事のオジサンとのやりとりも楽しい。 坂出と大学時代の同級生・藤井とのさっぱりした、進まなそうで進んでいる恋愛関係も良い。 しかしそうした一見フワフワほのぼのした雰囲気に惑わされて見逃してしまいそうな、小さな違和感は次第に膨らんでいく。 鳴ったり鳴らなかったりするインターフォン。誰も見たことがないという坂出の隣人。キツネの祟りを理由に草刈りを拒否する隣の空き地の地主。その草むらと化した空き地に時折建てられる『キツネ警報』なる木札…などなど。 更に坂出の勤務先を問い合わせた住民には、子供が幼い頃に一時行方不明になったことが明かされたり、坂出自身にも幼い頃に弟が行方不明になりそのまま今に至っていることが分かったり、何とも不穏な雰囲気に。 タイトルの『キツネ』と『パイナップル』はすぐに出てきたが、『箱』はなかなか出てこない。アパートのことを『箱』に例えているのかと思ったら終盤に出てきた。まさかの『箱男』だったとは。 結局のところ解決したのは『キツネ憑き』の部分だけ。大部分は曖昧なまま。正体不明なもの、真相が分からないものが大半だ。 住民たちの距離感や大家の細やかさも変わりそうにない。 個人的には不気味な印象しか受けなかったが皆が仲良く楽しそうにしているなら良いのか。 藤井が坂出を支えそばにいてくれることが救いだった。
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坂出は、就職を機に職場に近いカスミ荘に引っ越しをした。こまめに回覧板(パソコンにメールで)を出す大家さん、個性豊かな住人たち、大学院で心理学を学んでいる大学時代の友人の藤井らと共に新しい生活が始まる。 前半は、住人たちと坂出とのユニークな日々とプチ謎解き。後半は、坂出の人生に関わ...
坂出は、就職を機に職場に近いカスミ荘に引っ越しをした。こまめに回覧板(パソコンにメールで)を出す大家さん、個性豊かな住人たち、大学院で心理学を学んでいる大学時代の友人の藤井らと共に新しい生活が始まる。 前半は、住人たちと坂出とのユニークな日々とプチ謎解き。後半は、坂出の人生に関わる大きな謎解き。狐付きについての研究をしたいという藤井の謎解きが圧巻です。
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坂出和也がカスミ荘に入居して出会う様々な人物とのやり取りをまとめたものだが、出てくるキャラクターが特異で楽しめた.特に和也の友人の藤井が凄い.まず会ったのが103号室の前原翔真、でかい中学生で両親と住んでいる.201号室は新藤紗耶香、部屋には妙な柱が鎮座している.コンビニ店長の梅...
坂出和也がカスミ荘に入居して出会う様々な人物とのやり取りをまとめたものだが、出てくるキャラクターが特異で楽しめた.特に和也の友人の藤井が凄い.まず会ったのが103号室の前原翔真、でかい中学生で両親と住んでいる.201号室は新藤紗耶香、部屋には妙な柱が鎮座している.コンビニ店長の梅下は105号室.銀行員の北白川は205号室.203号室の早瀬は化学の高校教師で紗耶香は教え子.第二週の紗耶香の悲鳴の件、第3週のキツネ注意報の件、第4週の梅下の盗聴の件はそれぞれ面白かったが、和也の内面を藤井が解き明かす第5週が最高.弟の智也の失踪に絡む和也の心の問題.翔真の出自の話.面白い話がてんこ盛りの一冊です.
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大学を卒業後、あるスポーツショップに就職。配属先は、この春完成したショッピングモール内。住む場所はその近くにあるアパートにした。そこの住民は、個性的な人達だらけで、良い意味でお節介である。最初は普通だった生活が、次々と起きる不思議な現象にじわりじわりと不穏な雰囲気を纏っていく。 ...
大学を卒業後、あるスポーツショップに就職。配属先は、この春完成したショッピングモール内。住む場所はその近くにあるアパートにした。そこの住民は、個性的な人達だらけで、良い意味でお節介である。最初は普通だった生活が、次々と起きる不思議な現象にじわりじわりと不穏な雰囲気を纏っていく。 「箱とキツネと、パイナップル」という謎の題名でしたが、読み終わってみると重要な鍵を握っていて、不思議な感覚がありました。はっきりとした答えがないまま終わったので、モヤモヤ感満載でした。 中盤までは、ミステリー?と思うくらい、ちょっとお節介な住民と共にハートウォーミングな生活を送っているのですが、ある出来事を境に雰囲気が変わっていきます。 グイグイと自分のテリトリーに入っていく住民には、現実にいたら恐怖を感じますが、文章から察するに愛らしさは伝わるので、心地よくも感じました。 中盤からは、弟の死の謎やキツネ注意報といったミステリー色が加わり、その世界観により引き込まれました。 主人公を中心に過去の経験と今の状況が、前半の明るさとは違った不穏さがあり、その落差が面白かったです。 色々伏線なのでは?と思ったところはちらほら書いているのですが、明確に提示したわけではなく、結果的にはあまり回収されていない印象がありました。 最終的には、主人公のこれからも大変なので、ぜひ克服してほしいと思いました。その他の謎が、モヤっとしていて、もう少し拡げて欲しかったなと思いました。
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大学を卒業し、郊外型ショッピングモール内にあるスポーツショップで働くことになった主人公が住むのは、築五年の二階建てアパートのカスミ荘。個性豊かな住人たちとの暮らし のなかで、さまざまなことが起こる。ミステリーとしては少し物足りなさは残るが、愉しく読ませてもらった。
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前半は、ミステリーを読んでいる感覚は全然無い。アパートの住人との交流に、仕事、少しのロマンス。社会人1年目の主人公が初々しくて素敵だな。と思っている内に、徐々にミステリー色が強くなってきて、すんなり読みやすかった。 爽やかな気持ちのまま読み終われる小説でした。 新潮ミステリー大...
前半は、ミステリーを読んでいる感覚は全然無い。アパートの住人との交流に、仕事、少しのロマンス。社会人1年目の主人公が初々しくて素敵だな。と思っている内に、徐々にミステリー色が強くなってきて、すんなり読みやすかった。 爽やかな気持ちのまま読み終われる小説でした。 新潮ミステリー大賞、という帯を見てから読み出したので、色々勘ぐってしまった。予想外の展開でした。全体的に物足りない気持ちも少しある。 藤井があっさりしていて可愛い。友達になりたい。
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ミステリといっても、殺人とかのハードなものではなくて、生活や人にまつわる謎なので、楽しめました。 が、推理は全くできませんでした。 それでもカスミ荘の人たちの個性的なこと、それぞれの人生が面白くて、十分楽しめました。 北白川さん、早瀬先生、梅下くんなど、男性たちがとてもユニーク。...
ミステリといっても、殺人とかのハードなものではなくて、生活や人にまつわる謎なので、楽しめました。 が、推理は全くできませんでした。 それでもカスミ荘の人たちの個性的なこと、それぞれの人生が面白くて、十分楽しめました。 北白川さん、早瀬先生、梅下くんなど、男性たちがとてもユニーク。 大家さんのまめな回覧板の文章とか、主に推理する、冷静な藤井が、彼女じゃないって言わないなら・・・という可愛いことを言うところがすごく気に入っています。本筋と関係ないところにハマってすみません。最後にはちゃんと、えっ?!そうだったのか!!と思いましたから許してください。 他の作品もぜひ読みたくなりました。
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アパートの住人とのやりとりは微笑ましいし、ちょっとしたズレや疑問が後から「なるほどそういうことか」と理解できるのは面白かった。 けど、終始淡々と進むので少し物足りなく感じてしまった。 住人自体は個性的な人ばかりなので、もっと坂出くんとのやりとりを見てみたかった。
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