箱とキツネと、パイナップル の商品レビュー
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大学を卒業したばかりの坂出和也の新居は、一見普通のアパート・カスミ荘101号室。103号室には、中学一年生の一人息子・翔真がいる前川家、105号室にはコンビニ勤めの梅下、201号室にはアルバイトの進藤、203号室には高校の化学教師・早瀬、205号室には銀行員の北白川が住んでいるが、隣室の102号室に住む鈴木だけは正体不明で見かけることすらめったになかった。 チャイムが鳴ったり鳴らなかったり、和也の部屋を覗くかのような不審者が現れたり、隣の空き地に「キツネ注意報」の立て看板が立てられたりと、不審な出来事が続く。同時に、和也は子どものころから見る悪夢に悩まされていた。彼を気づかう大学時代の友人・藤井はキツネ憑きについて研究しており、そちらからアプローチする。 ファンタジーかなホラーかな……と思いつつ読み進めると、ミステリー。ミステリーだとわかってしまうとある意味定石通り。 登場人物がなかなかユニークだが、深い悪意を持った人があまりいないので、読後感はいい。
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独特。ミステリーと言うより、日常で出くわす小さな謎を寄せ集めたほのぼの日常系という感じ。怖さのかわりに不思議さを集めたオムニバスホラー小説みたいな発想。個人的にはミステリと呼ばれるからには一つの大きな謎を解き明かすカタルシスはほしく、その意味では少し消化不良。 それと、この方、意...
独特。ミステリーと言うより、日常で出くわす小さな謎を寄せ集めたほのぼの日常系という感じ。怖さのかわりに不思議さを集めたオムニバスホラー小説みたいな発想。個人的にはミステリと呼ばれるからには一つの大きな謎を解き明かすカタルシスはほしく、その意味では少し消化不良。 それと、この方、意図してか意図せずか、場面変遷が唐突なのでふとついていけなくなる瞬間がすごく多い。セリフの話者がわからなくなる瞬間が何度もあった。寝落ち寸前の思考のような朧げさが全編を覆っており、それが主人公のキャラと関係しているのかとも思ったけど……終わり方的に偶然っぽい。
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(threads共有) 最後まで書き切れなかったのか? 消化不良 腹の立つ終わり方だな 風呂敷広げただけで収束してないの 全く好きじゃない 立って読んだ俺の時間を返して欲しいよ
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タイトルと装丁からほんわかとしたかわいらしい雰囲気が漂っていたけど予想外の着地だった。話自体も途中まではそんな感じだった。 最後の方は深層心理と記憶の話かな。とにかく途中から目が離せなくなった。 坂出くんと藤井さんと周りの住民たちの関わりの描写が面白い。面白い作家さんに出会った。
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新潮ミステリー大賞優秀賞受賞作品。 「回覧板とバスケットシューズ」「コンビニとハイヒール」「立て札と目玉焼き」 「桃と玄関チャイム」「分電盤とジョギングと、パイナップル」 5話収録の連作短編集。 主人公は大学を卒業し郊外型の広大なショッピングモール内にあるスポーツショップへ...
新潮ミステリー大賞優秀賞受賞作品。 「回覧板とバスケットシューズ」「コンビニとハイヒール」「立て札と目玉焼き」 「桃と玄関チャイム」「分電盤とジョギングと、パイナップル」 5話収録の連作短編集。 主人公は大学を卒業し郊外型の広大なショッピングモール内にあるスポーツショップへ就職した坂出。 通勤の便を考えて入居したのは色気のない「カスミ壮」 どこにでもいそうな素朴な青年と個性豊かなカスミ壮の住人達との触れあいを今では珍しく感じ、ちょっと羨ましくなる。 ほのぼの系かと思えば不穏な要素も入り込みキツネにつままれた様な読後感。
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気になるワードが沢山でてくるし 不思議な現象や謎もあり 気になるから読み進めるけども… 最後のオチがいまいち… 狐憑きは睡眠障害やったということ? 鈴木さんは箱仲間の数人やったん? 大家さんの旦那さん、ホントに死因=箱なん? 大家さん最後までメールだけなんかーいっ うーん ファンタジーではないし かといってリアルなミステリーでもなく 面白くない事はないけど 面白かったとも言い難い本やったわ
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読了後、しばらく放心した。面白くて。 ふわふわとしていて掴みどころがない、不思議な空気感を持った小説だった。 ジャンル的にはミステリーになるらしい。1章から4章までは、社会人なりたての主人公を取り巻く、ちょっと不思議ながらも何気ない日常風景が描かれているため、「どこが・・・?」...
読了後、しばらく放心した。面白くて。 ふわふわとしていて掴みどころがない、不思議な空気感を持った小説だった。 ジャンル的にはミステリーになるらしい。1章から4章までは、社会人なりたての主人公を取り巻く、ちょっと不思議ながらも何気ない日常風景が描かれているため、「どこが・・・?」と謎だった。ところが5章で謎解きタイム。それまでの不可解なことが明らかになっていく。 こういうミステリーもあるのか、と新鮮に思った。 結局、主人公が抱える特異さについて根本的な解決には至らなかったし、その原因についてもはっきりとした真相は分からない。けれども主人公たちの未来は明るい。藤井の笑顔がそう思わせた。 キツネ云々、超常現象みたいな音云々と、ファンタジー路線が入るのかと思いきや、5章にてすべて現実にあることとして落とし込んだのが素晴らしかった。それから、そういった不可解な現象が日常風景に無理なく溶け込んでいたので、違和感を抱くことなく読めた。 面白かったです。
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独得の世界観。 最後まで展開の結末には気がづかず、面白かったです。 人同士の繋がりも多く、関わり合いがとても良かった。 けど、現実感のあるファンタジーというより.. 現実味がどんどんなくなってしまったため、心情や展開を理解し難いところがありました。 もう少し、ナチュラル...
独得の世界観。 最後まで展開の結末には気がづかず、面白かったです。 人同士の繋がりも多く、関わり合いがとても良かった。 けど、現実感のあるファンタジーというより.. 現実味がどんどんなくなってしまったため、心情や展開を理解し難いところがありました。 もう少し、ナチュラルな登場人物にするかあっさりとした展開でも、個人的には良かったかも.....
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五賞用。いい意味でも悪い意味でも予想される物語の行く末を裏切られた感あり。繊細さと雑さが同居しているのも惜しいがまだこれから。次回作を読んでみたいと思ったのはこの作品くらいかな。心理学に関してはちょっと牽強付会な印象。ファンタジー寄りになってた方がよかったな。
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