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暇なんかないわ大切なことを考えるのに忙しくて の商品レビュー

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24件のお客様レビュー

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2022/09/03

ゲド戦記の作者 子供は言われたことを信じないといけない。子供にとって、進んで信じることは生き続けるために、人間らしくなるために必要なこと。 教えられることに耳を傾けてそれを信じなくてはならない。情報が妥当であるかテストすることは常に許されるべきだが、同時に危険を伴う。 道路に飛...

ゲド戦記の作者 子供は言われたことを信じないといけない。子供にとって、進んで信じることは生き続けるために、人間らしくなるために必要なこと。 教えられることに耳を傾けてそれを信じなくてはならない。情報が妥当であるかテストすることは常に許されるべきだが、同時に危険を伴う。 道路に飛び出したら?コンロの赤くなったバーナーを触ったら?ということはテストすることなく信じた方がいい。学ぶことが多すぎて全てをテストすることは不可能だ。本能的に死っていることがほとんどないので、世界をどのように把握し、その中で生きて行く道をどうやって見つけるかに着いて基本的パターンを人に示してもらわないといけない。

Posted byブクログ

2022/08/17

ル=グヴィンの生前最後のエッセイ集だと本屋で見て購入。  でも、最初だけ開いて以降、数年、続きを読む事ができなかった。気力がないという理由で。  それが久しぶりに開いて見ると、するする読めるようになっているのは、ようやく、人の話をちゃんと聞ける自分になって来たせいなのかもしれ...

ル=グヴィンの生前最後のエッセイ集だと本屋で見て購入。  でも、最初だけ開いて以降、数年、続きを読む事ができなかった。気力がないという理由で。  それが久しぶりに開いて見ると、するする読めるようになっているのは、ようやく、人の話をちゃんと聞ける自分になって来たせいなのかもしれない(だといいな)。  そんな風に、この人のエッセイは軽い話でもどこか「ずん!」としている。読んでいると、エッセイという定義が判らなくなってくる。辛うじて印象でまとめるなら、文学者のというより、それは学者や科学者の書くものの雰囲気がある。それでいて、けして難しい内容で読み手を煙に巻くというところは微塵もない。でも、一文一文で考えさせられてしまうのだ。彼女はそうさせるつもりはないのだろうけれど。  最初は老いや女性問題などについてのエッセイ。それも事情通の人にはとても響くだろう、ウィットに富んだ筆致でも、他の今まで私が読んだどんな人のエッセイよりも、軽妙なのに中身が濃い。  後半になってくると、この「ずん!」が「うん!?」に変わる。猫の話など、もっと身近な、でもそれもとても深くワクワクするような思考の広がりにつながっていく。なので、今から読もうという人は是非、最後の方を愉しみにしてもらいたい。  特に私は、第2部の『世の中を理解しようとすること』の「未完の教育」(グヴィンの猫がネズミを捕る話)、第4部の『報酬』の章の、「その木」(クリス●ツリーについての話)に惹かれた。さらに同じ第4部の「二階のお馬さんたち」については、思考の道筋が面白すぎて、楽しくて足をバタバタ鳴らして喜んでしまった。  この本は基本的にはグヴィンのブログの文章を再編したものからなっているとのことだけれど、最後まで読んで、さらに訳者の後書きまで読んで、感じていた印象の理由が「あぁ!」と明らかになった気がした。  彼女と同じ国で、語る元になった事件や本などを身近に知っていたら、もっともっと楽しめたのだろうと思ったし、訳者後書きに、彼女の講演の話や他のエッセイの事などが書かれているのを見ると、自分が英語圏にまったく造詣がないのに悔しさを感じた。いまからでも英語の勉強始めるかな(喋れなくても、読めればいい。笑)  カッコイイ人だなぁとつくづく表紙を見て、ため息が出る。同じ人間に生れて、光栄だと感じた。心から。  

Posted byブクログ

2022/03/06

猫を飼ったことがないけど、猫の章が面白かった。ジョークや表現が日本にはないもので新鮮。 ちょっと大人過ぎたので、また歳を重ねてから読みたい。

Posted byブクログ

2021/12/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

最初からほぼずっと何かを非難したり責めたりしているので、なんだか疲れる。「鋭い指摘」とか、誰かをけなすための「ユーモアたっぷりの皮肉」とか、合う人はきっとたくさんいるんだろうけど、私がエッセイで読みたいと思っているのはそういうタイプの文章ではないな、とようやく気づいた。絲〇さんとかもズケズケ言う毒舌系でエッセイがどうも合わない。 ただ、それだけに「怒りについて」の話は考えさせられるところがあった。 本人も「怒りが私の行為や思考の燃料になっていることがいかに多いか、自分がどんなにしょっちゅう怒りに身を任せているかに気づかずにはいられない」と認めている。そして、怒りの有用性、怒りという武器が正当化される時について考えるのだ。憎悪、嫉妬、恐れからくる怒りの爆弾の信管を取り除くにはどうしたらいいのか、怒りを「創造と共感に役立つもの」にするにはどうするべきか、答えのない問いを残してこの章は終わる。 私がこの手のエッセイが嫌いなのは、たぶん自分の中に多分にある攻撃性が喚起されて、なおかつそのことにうんざり、いらいらして疲れるからだ。 私は怒りの表明を読むのにも、自分が怒るのにも疲れている。この問いは私の心にもぼちゃんと投げ込まれてきた。忌避してきた怒りから逃げ切れるわけではない。怒りはなくならない、どう付き合っていくべきなのか?なのだ。80歳のグウィンにわからないことが、簡単に答えを出せるわけないのは承知しているけれど。 最後のクリスマスの頃の話はどれも面白かった。特に知識と信じることの違いの話。「ごっこ」と「ほんと」の違いは、その楽しみを奪わない。繰り返される人の営みの中で、神話は効力を持ちうる。これは力強く温かい話だった。

Posted byブクログ

2021/06/07

途中、途中、飛ばしながら最後まで完走。内容の厚いエッセイで、読んでいると考える脳を刺激され、落ち着かなかった。すんなり入ってくることもあれば、なんとなくしか理解できないことも。読む側を想定しないまるで独白のような文章を読むことはとても心地良く、エッセイというもののほとんどがこうで...

途中、途中、飛ばしながら最後まで完走。内容の厚いエッセイで、読んでいると考える脳を刺激され、落ち着かなかった。すんなり入ってくることもあれば、なんとなくしか理解できないことも。読む側を想定しないまるで独白のような文章を読むことはとても心地良く、エッセイというもののほとんどがこうであるなら楽しいなと思った。訳者あとがきで引用されていた一節が素敵だったのでメモとして掲載。 「お告げは命令を下すのではない。その逆で、考えるよう促すのだ。謎に対して思考を寄せることを、私たちに求めるのだ。考えて行動した結果が思わしくなくとも、それがわたしたちにできる最善のことなのだ。」

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2021/05/29

ゲド戦記の著者という事だが今の時点でゲド戦記は読んだことがなく、ジブリのアニメを一度観ただけで「あらすじ」の様なものしか理解していない自分にとっては、先入観もなくタイトルが気になって手に取った。 いろんな事に触れている。この人のきっぱりした口調が好きだ。経済の成長については全く同...

ゲド戦記の著者という事だが今の時点でゲド戦記は読んだことがなく、ジブリのアニメを一度観ただけで「あらすじ」の様なものしか理解していない自分にとっては、先入観もなくタイトルが気になって手に取った。 いろんな事に触れている。この人のきっぱりした口調が好きだ。経済の成長については全く同意見で、同じ意見がある事に安心もし、ウルフが好きだというのを読んで嬉しく思う。ヘミングウェイは私は嫌いではないけどね。

Posted byブクログ

2020/10/19

ひさびさに骨太なエッセイを 読みました。 高校生の頃ゲド戦記を読み、 作者が作り上げる世界や 言葉遣いに感銘を受けたことを おぼえています。 今回のエッセイを読んでいても 付箋を貼りたい箇所が、たくさんあり 手元に置いて何回も読み返したい 一冊になりました。

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2020/10/12

ジブリアニメとして制作された『ゲド戦記』の著者として有名な、K・ル=グウィンさんのエッセイ。猫との生活(バード日記)や、年齢を重ねてたどり着いた生活について、作家としての思いや、人生の一コマについてだったり、様々なテーマで語っている。 一番印象に残ったエッセイが『ファーストコンタ...

ジブリアニメとして制作された『ゲド戦記』の著者として有名な、K・ル=グウィンさんのエッセイ。猫との生活(バード日記)や、年齢を重ねてたどり着いた生活について、作家としての思いや、人生の一コマについてだったり、様々なテーマで語っている。 一番印象に残ったエッセイが『ファーストコンタクト』という題名のもの。 ガラガラヘビとの緊張感ある対峙で共有した瞬間を語った一編。 彼女の作品を未だに読んでいない。読むとすればヒューゴー賞、ネビュラ賞を取った『闇の左手』から、続いて『ゲド戦記』へと歩みたいと思っている。

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2020/10/10

ゲド戦記はわが青春の愛読書だが、エッセーは初読。 彼女の作品に出てくる、老いた聡明な龍のような 鋭い言葉が印象的。 余暇という言葉の裏にうかがえる 「大切なもの」が見えない愚か者(現代の大多数の大人)への辛辣な批判、ファンタジーの意味が「そのありかたでなくてもいい」ことを問いか...

ゲド戦記はわが青春の愛読書だが、エッセーは初読。 彼女の作品に出てくる、老いた聡明な龍のような 鋭い言葉が印象的。 余暇という言葉の裏にうかがえる 「大切なもの」が見えない愚か者(現代の大多数の大人)への辛辣な批判、ファンタジーの意味が「そのありかたでなくてもいい」ことを問いかけること、など卓見に富む。

Posted byブクログ

2020/09/25

とても上質なエッセイ。 こういう本が翻訳され続けるように、知的人でいる努力を重ねたい。 この本をおもしろいと思える読者が今後も絶えませんように。

Posted byブクログ