人は、なぜ他人を許せないのか? の商品レビュー
近年、SNSを中心に目立つ「他人に厳しい」風潮に疑問を持ち、本書を手にしました。 日本は島国で天災が多いこともあって、みんなと違うことをする人、違う考えを持つ人を排除する傾向が強いという見解に納得しました。 さらに、インターネットの普及によって、「自分と同じ考えの人」とばかり交流...
近年、SNSを中心に目立つ「他人に厳しい」風潮に疑問を持ち、本書を手にしました。 日本は島国で天災が多いこともあって、みんなと違うことをする人、違う考えを持つ人を排除する傾向が強いという見解に納得しました。 さらに、インターネットの普及によって、「自分と同じ考えの人」とばかり交流しがちな傾向が増幅されたことが、近年の日本の風潮に拍車がかかっているということです。 とはいえ、どんな人にでも「正義中毒」(なんでも自分が正しいと思いこむこと)になる落とし穴はあるので、まずは自分のことを客観的に見る力が大事とのこと。 常に頭の片隅に置いておきたい話でした。
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《正義中毒はドーパミンにまみれている》 自分が正しいと思うこととは違うことをしている人を攻撃し「快楽」を感じている人を『正義中毒』と呼ぶ。 他人を攻撃してしまうのは脳の仕組みとしては避けられないことであり、誰もがしてしまうことである。しかし攻撃すると快楽物質である「ドーパミン」...
《正義中毒はドーパミンにまみれている》 自分が正しいと思うこととは違うことをしている人を攻撃し「快楽」を感じている人を『正義中毒』と呼ぶ。 他人を攻撃してしまうのは脳の仕組みとしては避けられないことであり、誰もがしてしまうことである。しかし攻撃すると快楽物質である「ドーパミン」が出て止められなくなり、そのため『依存症』になってしまう。それはまるでアルコール、ギャンブルそして薬物と同じである。 依存症に陥らないためには『メタ認知』つまり「自分を客観視」することが大事だ。要するに「こんなことしたら恥ずかしいな」と思うことである。マインドフルネスはとても有効な手段の一つではないだろうか。 脳は加齢で衰える。メタ認知を意識することで、「正義中毒」の予防をしよう。新しいものや他人の言葉を受け入れられなくなる「頑固オヤジ」になることも防げるのではないか。
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5)他人に正義の制裁を加えると脳の快楽中枢が刺激され快楽物質であるドーパミンが放出される。この快楽にはまると簡単には抜け出せなくなり罰する対象を常に探し求め決して人を許せないようになる。→正義中毒=正義に溺れてしまった中毒。この認知機能は依存症と同じ。本来備わったいるはずの冷静さ...
5)他人に正義の制裁を加えると脳の快楽中枢が刺激され快楽物質であるドーパミンが放出される。この快楽にはまると簡単には抜け出せなくなり罰する対象を常に探し求め決して人を許せないようになる。→正義中毒=正義に溺れてしまった中毒。この認知機能は依存症と同じ。本来備わったいるはずの冷静さ自制心思いやり共感性などは消し飛んでしまい攻撃的な人格に変化してしまう。 41)ウサギの大脳は正義中毒を起こすには小さく人間のように正邪を基準とした行動は取らない。なぜ生まれたのかという問題で悩むこともないし死ぬという意識はしていない。人間は大脳を発達させてしまったばかりに大脳新皮質と呼ばれる思考を司る部分が増設された。人間は生き延びて繁栄していく事と引き換えに生きている意味をわざわざ考えなければいけないという厄介な宿命も背負ってしまった。知性があるからこそ愚かさがあり愚かさのない知性は存在し得ないという裏表の関係がある。 69)女性が空気を読む能力を発達させた要因は子育てを行う際乳児からの非言語メッセージを受容する為に必要だったのではないか。その能力の高さによって同性同士のコミュニケーションや自身に対するネガティブなメッセージを受容しやすくなる為に生きづらさを感じているとするなら女性に降りかかってしまいがちな苦労だといえる。 75)中学までは女性の方が成績が良いのに高校生になると急に落ちていく背景には年齢が上がるにつれて女性はそこまで勉強ができなくていいという社会的なメッセージを受け止めた結果そうなってしまうのではないかと考えられる。 112)人間は遺伝子レベルでは98%以上チンパンジーと同じ。残り2%足らずの部分が前頭前野の大幅な発達の要因となり知識や複雑な言語体系を構築させて人間に特徴的な能力を身につけた。特に注目すべきは集団である事つまり社会性の強化複雑化の為に使う能力。 209)人間である以上言動に矛盾があるのは当たり前過去の発言や振る舞いを覆してしまってもしょうがない。信じていた事を裏切られたと感じる事こそ摩擦やいざこざの原因にもなるがそれを回避する一番良い方法は他人に一貫性を求める事自体をやめること。
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難しい言葉を使うでもなく、とても読みやすかった。 私が知りたい「なんで?」に答えてくれていたのでスッキリ。 けれど、そのスッキリも「私の考えは間違っていなかった!」と思うことで満たされている、いわゆる「正義中毒」に通じるものなのかもしれない…と思うと素直に喜べないが。 この本...
難しい言葉を使うでもなく、とても読みやすかった。 私が知りたい「なんで?」に答えてくれていたのでスッキリ。 けれど、そのスッキリも「私の考えは間違っていなかった!」と思うことで満たされている、いわゆる「正義中毒」に通じるものなのかもしれない…と思うと素直に喜べないが。 この本を読もうと思ったきっかけに、私の身近に、いつも特定の人に対して怒っている人がいること、がある。 集団に属してまで怒り続けているその人を見て、「なぜなのか」と強く疑問に感じていたことに納得した次第。 また、赤の他人を叩く人ー例えば、ネットなどで、自分が直接的被害を受けたわけでもないのに「それを言われて傷つく人もいる」などと発言者を非難するような人ーのことも少しは理解はできたような気がする。 幼少期のいじめが起こるのにも、年寄りがすぐにがなり立てるのにも、ちゃんと脳の構造的な部分での理由がある。 だからこそ、周りが伝えていくことも必要なのだな、と感じた。 時折「これについては後述します」と先延ばしにされることもあったけれど、モヤモヤしながら読み急いだ結果がスピードアップに繋がったことから、これはまさか最後まで読ませる作戦だったのか?などと考えてしまった。
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自分自身正義中毒になってしまわないように、客観視出来るよう日々努力していきたいと思った。 前頭前野を活性化すべく、いつもの定番では無く、あえて別の考えや物に触れ、睡眠、オメガ3の食事で脳に栄養を与えていきたい。
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タイトルにひかれて読んでみた。 コロナで自粛警察と呼ばれる人がでてきたり 芸能人の不倫を過剰に叩く人が多かったり、 最近他人を許せない人が増えたように思うからだ。 筆者は、なぜ他人を許せないのか?について 考察しているだけで、結論は出していない。 許せるようになるための特効薬も...
タイトルにひかれて読んでみた。 コロナで自粛警察と呼ばれる人がでてきたり 芸能人の不倫を過剰に叩く人が多かったり、 最近他人を許せない人が増えたように思うからだ。 筆者は、なぜ他人を許せないのか?について 考察しているだけで、結論は出していない。 許せるようになるための特効薬も述べていない。 結論がほしい人にはじれったいかもしれないが、 自分自身で考えるきっかけにもなるので 私はそれはそれでいいと思った。
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「日本では主張と人格が分離されず、容易に人格攻撃へと繋がる」っていうのにすごく共感 政治観だったり、社会問題に対してだったり、何に対しても、 意見そのもの≠その人の人格 相手にも自分にも一貫性を求めるのは難しい (科学的に人間は一貫してる生き物じゃないらしい) むしろ変化して...
「日本では主張と人格が分離されず、容易に人格攻撃へと繋がる」っていうのにすごく共感 政治観だったり、社会問題に対してだったり、何に対しても、 意見そのもの≠その人の人格 相手にも自分にも一貫性を求めるのは難しい (科学的に人間は一貫してる生き物じゃないらしい) むしろ変化してくことこそ健全だよね..!
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対正義中毒の人もしくは自分が陥った場合の対処法として、「これ!」という明確な答えを求める人には向かない本。現に友人は「答えがないので、途中で、読むのを辞めた」そうだ(笑) ただし、長期的にどう向き合いどう振る舞っていくかの指針にはなる。 ここからさらに知識を深めて実践していくかが...
対正義中毒の人もしくは自分が陥った場合の対処法として、「これ!」という明確な答えを求める人には向かない本。現に友人は「答えがないので、途中で、読むのを辞めた」そうだ(笑) ただし、長期的にどう向き合いどう振る舞っていくかの指針にはなる。 ここからさらに知識を深めて実践していくかが大きく分かれる本だと思う。 元々多角的に考えるよう意識してるので、しっくりきた。大勢がこの考え方ができれば理想的である。
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IQが高いことで有名な著者だが、「天才」ということで集団から排除されてきたことが文章からなんとなく感じられました。 人は余裕のある状態であれば、他者を許すことができるが、ひとたび余裕が無くなれば、生き延びるための集団を維持せざるおえなくなり、よそ者を簡単に排除してしまう…コロナに...
IQが高いことで有名な著者だが、「天才」ということで集団から排除されてきたことが文章からなんとなく感じられました。 人は余裕のある状態であれば、他者を許すことができるが、ひとたび余裕が無くなれば、生き延びるための集団を維持せざるおえなくなり、よそ者を簡単に排除してしまう…コロナにまみれた東京を排除しようとする心理と重なると思いました。 著者の説くように一人一人が自己を矛盾した存在だと認め、双方並列した人間関係を取り戻せる世の中になってほしいです
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
十人十色という言葉があるように人は全員違うということを再認識させてもらえる本だった。 自分自身の中に存在する感情を客観的に捉え、自分を認識し、自分の成長・成熟の糧になる情報が入っている本だと感じた。 考えに固執し固定概念に囚われた結果が正義感を振りかざす、という現状を脳科学の観点と著者の体験談からわかりやすく伝えてもらうことができる非常に良い本であった。
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