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ししりばの家 の商品レビュー

3.9

98件のお客様レビュー

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    15

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2020/08/27

2020年8月26日読了。 ・ ある2人の視点が交互に進んでいく。 ・ 1人は。旦那の転勤で神戸から上京してきた笹倉果歩。 旦那はSEの仕事が忙しく、帰りは遅く日曜日もほとんど仕事。 「稼ぐのは俺がやるから、家を守ってくれ。」 そう言われ仕事も辞めて、何をするでもなく時間をつぷす...

2020年8月26日読了。 ・ ある2人の視点が交互に進んでいく。 ・ 1人は。旦那の転勤で神戸から上京してきた笹倉果歩。 旦那はSEの仕事が忙しく、帰りは遅く日曜日もほとんど仕事。 「稼ぐのは俺がやるから、家を守ってくれ。」 そう言われ仕事も辞めて、何をするでもなく時間をつぷす毎日。 ・ そんなある日、駅でばったりと幼馴染の平岩敏明と13年ぶりに再会する。 彼は結婚して、中古の家を買いリフォームしてそこに住んでいるらしい。 久しぶりの再会と、上京してから親しくする人もいなかった果歩は家に遊びに行く約束を交わす。 後日、平岩家に遊びに行くと奥さんの梓さんを紹介されたのだが。 目の下にメイクで隠せないほどの隈が出来、腰を曲げるだけでも辛そうに深々と礼をしながら「梓です。よろしくどうぞ」と言うのだった。 そんな彼女に戸惑いながら、家を見回してハッとする。 床のあちこちに足跡が出来ている。 床に茶色いものが溜まっている。 砂だ。 廊下にも、階段にも、ベッドにもいたるところに。砂、砂、砂。 驚いた果歩は、意を決して平岩夫妻にこの砂は何なのかと問いかける。 「砂が何か問題でも?」 「砂は砂、普通やんそんなん」 この家は何かおかしい。 ・ ・ もう1人は、小学生の頃に幽霊屋敷と呼ばれる家に忍び込む事になった五十嵐哲也。 クラスメイトの吉永純、相馬功、比嘉琴子と共に家に入る。 先を進み、二階への階段を見て思わず足が止まる。 たくさんの砂が流れ落ちている。 二階からは さあああああああああああ と砂の音がしている。 「これはマズイ。帰ろう。」 功の言葉を無視してどんどん進む純。 すると、琴子が急に誰かと話し始める。 功は膝をついて嘔吐し、苦しげに身をよじる。 純は 「明日のプールは中止だから風呂入れって何回も、だからさあスーファミくれっつってんの俺は。クリスマス。そえ、あ、らから」 と意味不明の事を言い始める。 みんなおかしくなってしまった、次は自分の番だ。そう思った時、 目の前の何もないはずの砂が窪み、さらに手前が、またさらに手前が。 何かが足跡を残して近づいてきている。 琴子が「いや!」と叫ぶ。 そこではっきりと見た。 砂煙の中に立つ細長い影、光る大きな2つの目を。 記憶はそこで途切れている。 ・ それから十数年間、哲也の頭の中には砂が詰まっている。 ザリザリと音を立てて脳を削り、神経を傷付け、話そうとすると口の中に砂の味が広がり全身が痒くなる。 哲也もおかしくなってしまっていた。 ・ そんな彼の元に、一緒に幽霊屋敷に忍び込んだ比嘉琴子が十何年ぶりに現れる。 そしてこう言うのだ。 「五十嵐くんの、頭の砂を取り払う」 ・ ・ 比嘉姉妹シリーズ第4弾。 今回も『ししりば』という謎の怪異の話だが、気になるのは『砂だらけの家』、『砂だらけの幽霊屋敷』 砂を描いた作品というとすぐに安部公房の『砂の女』が浮かんだが、解説でもやはり触れられていた。 どちらの作品にも「普通ではない、おかしな事が当たり前になってしまう恐怖」という共通点を感じた。 ・ ぼぎわんで最強霊能力者として登場した比嘉琴子の幼い頃のエピソードから、力に目覚める様子が描かれていて楽しめた。 時系列的には、ぼぎわんの前の話。 妹の真琴と美晴の話や、前作までにはまだ登場してきていない弟の存在の話も明かされ、まだシリーズが続く期待を持たせてくれる。 ・ タイポグラフィクションという手法が用いられていて、著者の遊び心も凝っているなと思った。 ・ ラストのあたり、少し理解出来ない所があり不完全燃焼。

Posted byブクログ

2020/08/24
  • ネタバレ

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いわゆるホラー題材・家もの。 随所に過去ホラー作へのリスペクト、挑戦が見られる、ホラー好きとしては必読の一冊。 怪異の有り様は結構システマチックで、どちらかというと洗脳?された「一家」の有り様が怖い。 ただ、怪異がこの世の中の一種のプログラムとして描写されているのは、現代怪異の一つの形としては、そこまで手垢がついているものではないので、新鮮さがあって面白い。

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2020/08/23

琴子が霊能力を使うきっかけになった過去と、そのきっかけによって人生が狂ってしまった主人公 いつもよりほんの少し、琴子に人間味があって好き

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2020/08/18

砂の積もる家。その家はどこかおかしい。おかしいはず。 それはししりばの家。 比嘉姉妹シリーズは、姉妹がちょっとずつ出てくるのがいいですね。

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2020/08/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

全2作より時代は遡り、真琴も野崎も登場しない、いわば"琴子の目覚め"の物語。 "家"という、これまたホラーではこすり尽くされた題材に挑んだ作品ではあるが、変わらず高い筆力で、途中で手が止まらなくなってあれよあれよという間に読み終わる。 覚醒前後の琴子の様子が語られているという点においても、シリーズ及び彼女のファンには読み応えがあるだろう。 そしてやはりというか、クライマックスでの怪異との対決シーンにモヤモヤを感じる。 成敗に向けて用意するものは酒に鏡に煙草の煙と(もう1つ飛び道具があったが結局は使用せず)、何ら読者にインパクトを与えないありきたりのギミック。 挙句の果ては論理を超越した琴子の特殊能力も通用せず、まさに偶然の巡り合わせにより拾った薄氷の勝利。 このパッケージングに有無を言わせぬ筋道が一本通ったら、本当に死角のない傑作シリーズになると思うんだけどなあ、などと無責任な一読者として勝手なことを申し上げてみる。

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2020/07/23

ししりばの家に住む人は砂の上で暮らしている。 異物感と狂いの描写がしっかりと恐怖心を煽りつつ、そこには恐怖と対立する姿が描かれていた。 誰だって王様になれる家って不思議。 生活って時々おっかない。

Posted byブクログ

2020/07/13

夫の転勤先の東京で、幼馴染の平岩と再会した果歩。しかし招かれた平岩家は不気味な砂が散る家だった。怪異の存在を訴える果歩に異常はないと断言する平岩。おかしいのはこの家か、それとも、わたしか――?(e-honより)

Posted byブクログ

2020/05/07

不気味な小説でした。じわ〜っと怖さが滲んでくるというか。色々な登場人物が出てくるけれど、おススメはお婆ちゃん。「大丈夫」ってそういう意味かよ〜!

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2020/04/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ずうのめより好き。 三津田信三感をずっと感じてたら、作者やっぱり好きなのか。肝試しシーンとかかなりそれっぽさ感じて、三津田信三好きとしては堪らない。作者も三津田信三も岡本綺堂好きっていうのが、個人的にポイント高い。怪異、怪談のなにが怖いかっていう見解、立ち位置が多分2人とも一緒。 砂の家は、砂の女からモチーフきてるんだろうけど、不気味で惹かれる。そこに住む頭の壊れた人々とあらすじだけで面白い。 ずうのめよりは映画化向きな気がするから、来ると同じレベル感なら映画化して欲しい。 そして銀さん大活躍!!絶・天狼抜刀牙!!!!

Posted byブクログ

2020/02/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

比嘉姉妹シリーズ。時系列的には『ぼぎわんが、来る』より前かな。 なんだか見境のない霊的ホームセキュリティによる怪異。 わざわざ巻き込まれに行っちゃう人が出る辺りはホラーあるある。 結末もなんだか不穏な感じで、果歩さん多分壊れちゃってますよね……?

Posted byブクログ