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新実存主義 の商品レビュー

3.3

28件のお客様レビュー

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2024/01/24

ガブリエルの新実存主義をめぐる哲学的な対話。 最後のケルンの議論は腑に落ちなかったが、ガブリエルの反論で明瞭になった。おかしい議論はおかしいと言えるのが知性だ。 全体的に、心、精神の問題を扱っている。「語彙」に注目するガブリエルの視点が興味深かった。 また、ハラリなどが主張す...

ガブリエルの新実存主義をめぐる哲学的な対話。 最後のケルンの議論は腑に落ちなかったが、ガブリエルの反論で明瞭になった。おかしい議論はおかしいと言えるのが知性だ。 全体的に、心、精神の問題を扱っている。「語彙」に注目するガブリエルの視点が興味深かった。 また、ハラリなどが主張するニューロン主義や意思の欺瞞性への批判も痛快。確かな人間性を取り戻す重要な取り組みだ。

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2023/11/15

形而上学的捉え方と実存主義の考察は、とても興味深く読み進めていたが、なんども迷子になりかけて、なかなか苦労した。

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2023/01/03

心をどう定義するか、あるのかないのか、学術的に論じるとこうも面白くなるのか、と感じました。「精神」は日本語でも幅広い意味で使われているのでなじみやすい反面、意味をしぼらないとよくわからなくなります。翻訳が難しかったろうな、と思います。個人的に、架空の存在が存在すると考えるか否かの...

心をどう定義するか、あるのかないのか、学術的に論じるとこうも面白くなるのか、と感じました。「精神」は日本語でも幅広い意味で使われているのでなじみやすい反面、意味をしぼらないとよくわからなくなります。翻訳が難しかったろうな、と思います。個人的に、架空の存在が存在すると考えるか否かの件は、解釈の自由さを裏付けるようで参考になりました。

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2022/11/04

硬く固めた文章で熱量も高い。故に中々近付けないのではあるが、自画像の個所は自我像として解釈した。自分なりに。躍起になっては、七転び八起き、強靭な精神で日々精進。

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2022/01/15

主張していることは理解できないわけでもないが、用語についての訳注などがあれば、多少なりとも理解の助けになったのではないか。新書という物理的、経済的な制約上やむを得ないことであったのかもしれないが。

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2022/05/29

 一本の論文に4名による関連論文(反論)を4本足して再版論を付けて1冊の新書になっている。論文がわざわざこんな形で邦訳され,新書化されるってなかなかに凄いことだと思います。  「実存主義」を名乗る理由はいまいちピンとこなかったのだが,言いたいことはだいたい真っ当だと感じた。という...

 一本の論文に4名による関連論文(反論)を4本足して再版論を付けて1冊の新書になっている。論文がわざわざこんな形で邦訳され,新書化されるってなかなかに凄いことだと思います。  「実存主義」を名乗る理由はいまいちピンとこなかったのだが,言いたいことはだいたい真っ当だと感じた。というか,自然主義というか物質一元論というか還元主義というかすなわちウィルバー的に言えば「フラットランド」がここまで猛威を振るい続けているとは思わなかった。え,まだそこ?というのが正直な感想である。  精神(ガイスト)と意識(コンシャスネス)と心(マインド)とスピリットとソウルあたりの述語を再度整理しないと訳が分からなくなりますね。  

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2021/10/18

苦しかった。 自分は哲学者による政治や社会について議論は好きだが、哲学そのものの議論には興味がないのだということが良くわかった。

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2021/09/02

「私は脳ではない」を読んで興味があったので手に取ってみた。 パーマンのコピーロボット.サイボーグ、AIやらなんやら…もし、物理の法則で人間とおんなじもん作れるとしたら、俺とそいつ(コピーロボット、サイボーグとか)は何が違うんやろか? 心があるやないか! とゆうてみても、「心とは...

「私は脳ではない」を読んで興味があったので手に取ってみた。 パーマンのコピーロボット.サイボーグ、AIやらなんやら…もし、物理の法則で人間とおんなじもん作れるとしたら、俺とそいつ(コピーロボット、サイボーグとか)は何が違うんやろか? 心があるやないか! とゆうてみても、「心とはなんでっしゃろ?」となるし、そいつに心がないとなんで言えるんでっか?となる。 心は精神という言葉に置き換えられ、それは、体という物理的な法則に支配されているものを大きく包んでいる。体は「必要条件」やからないと精神もないことになるが、体は「十分条件」ではないから、体だけではない何かがある。 還元論的自然主義者(なんでもかんでも物理的にできてると言う人ら)がいくら「人間は動物となんら変わりかない!」と叫んでみても、その主張はすでにしっかりと“精神”に基づいている。 という意味で批判できる。 てな、かんじのことをゆうてると思いました。 もう一度読みたい。

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2021/06/05

友からの贈り物として。 ややこしい議論は抜きにして、ここでガブリエルたちが考えているのは、脳みそと意識の関係に他ならない。意識とは脳みその機能ととらえられるか。 機能とは目に見えない。けれど状況や環境に伴い機能は現れる。目に見えないが機能は確かにある。脳みそが環境と折衝する作用と...

友からの贈り物として。 ややこしい議論は抜きにして、ここでガブリエルたちが考えているのは、脳みそと意識の関係に他ならない。意識とは脳みその機能ととらえられるか。 機能とは目に見えない。けれど状況や環境に伴い機能は現れる。目に見えないが機能は確かにある。脳みそが環境と折衝する作用というものか。脳みそが自身のうちにあるものを具現化する、それこそが脳みその機能という形で現れる。心的語彙とは機能を意識化・言語化することそのものではないか。 脳みその機能は予測と制御である。それをもって、脳みそ同士をつなぎ、身体や環境という自然をその手中に収めようとする。人間が自己理解に照らし合わせてあり方を変えようとするとはそういうことではないか。いくら水がH2Oではないと言い張ってもH2OはH2Oだ。一方で脳みそは自らの機能を自然へと投影する。社会化文明化とはそういうものではないか。 けれど、すべてが予測・制御できるわけでは当然ない。脳みそもまた自然の産物だからである。自分とは何かと考えている当の本人は誰か。脳みそはそれを考えることができない。本当の意味で「ない」というものを脳みそは語れない。脳みそは日に一度その機能をとめる眠るという未知の存在と常に隣り合わせである。 ガブリエルらが今後議論するとするなら、心ということばでもって何を語ってきたのか、自然ということばでもって何を語ってきたか。心が心であるということ、自然が自然であるということ、端的な事実としてことばが現に存在してしまっていることを考えられると思う。心無いやつだという段階で、もう心が存在してしまっている。ほんとうに心がないというなら、そもそもわかることなどできようにもないはずだ。 そして、心ということばでもって何を語り何を語らなかったか、この点を明らかにしていくこともまたできるのではないかと思う。

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2021/03/08

著者の主張に対する他の哲学者の反論、意見、それに回答するという形の討論形式の本。 難しい。まず哲学に興味があり近代哲学の本を何冊か読んでいないと何言っているかさっぱり分からんと思う。 自然主義的還元論の中に「心」は収まるものではないという主張を繰り出しているのだけど、読めば読むほ...

著者の主張に対する他の哲学者の反論、意見、それに回答するという形の討論形式の本。 難しい。まず哲学に興味があり近代哲学の本を何冊か読んでいないと何言っているかさっぱり分からんと思う。 自然主義的還元論の中に「心」は収まるものではないという主張を繰り出しているのだけど、読めば読むほど思弁が言葉に縛られるという西洋哲学の根本部分の受け入れがたい何かにつきあたる。が、なんとなくざっと読んでいても面白い。 言葉による現象の分別、意味の場の分別、存在の意味などすべて言葉による分別智であり、分別智の極限に向け突き進んでいる感じがする。 全く持って議論も何が正しいのか分からないし、どっちが説得力があるのか判定できない天上での議論ナ感じであるのだけど、それはそれとして面白かった。 創作として「頭のいいキャラ」を描きたい場合なんとなくその雰囲気を作る材料になるかもしれない。 確かに自然科学的還元論で「脳」が精神を生み出しているとしても、その精神の様々な様相がどのような状態で再現できるのかというのは、自然科学の手に負える問題ではない気もするのだけど、科学が進歩すれば分かるかもしれず、現時点ではなんともいえない。

Posted byブクログ