鐘を鳴らす子供たち の商品レビュー
戦争に関する本だと知らず手に取った作品。 終戦記念日前で戦争に少し思いを馳せるのにちょうどいい塩梅の作品だった 2021.8.13 99
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戦争孤児の方がどんな生活を送っていたのか…改めて考えさせられた。 勝手な一部の大人が始めた戦争の最大の被害者だと思う。 沢山の事を学んだ。 アオの涙と将太の叫び。めちゃくちゃ心に響いた。 色んな角度から戦争について考えさせられた。 併せて、民主主義や人権について。 やっぱりみん...
戦争孤児の方がどんな生活を送っていたのか…改めて考えさせられた。 勝手な一部の大人が始めた戦争の最大の被害者だと思う。 沢山の事を学んだ。 アオの涙と将太の叫び。めちゃくちゃ心に響いた。 色んな角度から戦争について考えさせられた。 併せて、民主主義や人権について。 やっぱりみんながきちんと色んな事を学んで政治に参加して自分たちで自分たちを守らないといけない。
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実話なのか、作者の創作なのか、半々なのかわからない。ただ、戦後の混乱期「鐘の鳴る丘」が多くの人に影響を与えたのは紛れもない事実だろう。子供たちの心情を見事に表現し、当時の様子もよくわかる作品だと思う。 最後に25年後に歳月が跳び、脚本家菊田一夫さんの葬式の場面になった。もう少し鐘...
実話なのか、作者の創作なのか、半々なのかわからない。ただ、戦後の混乱期「鐘の鳴る丘」が多くの人に影響を与えたのは紛れもない事実だろう。子供たちの心情を見事に表現し、当時の様子もよくわかる作品だと思う。 最後に25年後に歳月が跳び、脚本家菊田一夫さんの葬式の場面になった。もう少し鐘の鳴る丘の顛末を知りたいような気がした。
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私は戦争を知らない。 戦災孤児やラジオドラマという言葉自体を 知る機会も自分から歩んでいかなければ 巡り合わない。 その時代の子供たちや大人は どういった思いを日々感じていたのでしょう。 彼らが演じていたラジオドラマは 少なからず未来に繋がる希望になっていたこと、 「人権」につ...
私は戦争を知らない。 戦災孤児やラジオドラマという言葉自体を 知る機会も自分から歩んでいかなければ 巡り合わない。 その時代の子供たちや大人は どういった思いを日々感じていたのでしょう。 彼らが演じていたラジオドラマは 少なからず未来に繋がる希望になっていたこと、 「人権」についてあらためて考えさせられる作品でした。
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朝ドラ「エール」で主人公・裕一を再生させる契機となったラジオドラマ「鐘の鳴る丘」の制作エピソードをモチーフとしたフィクション。 朝ドラ同様、実在の人物は微妙に名前を変えて書かれている。残念ながら古関裕而先生(作中では古坂)は脇役で薄い存在だったが、脚本を書いた菊田一夫氏(作中は菊...
朝ドラ「エール」で主人公・裕一を再生させる契機となったラジオドラマ「鐘の鳴る丘」の制作エピソードをモチーフとしたフィクション。 朝ドラ同様、実在の人物は微妙に名前を変えて書かれている。残念ながら古関裕而先生(作中では古坂)は脇役で薄い存在だったが、脚本を書いた菊田一夫氏(作中は菊井)は重要人物として子供たちに影響を与えていく。 主人公は「鐘の鳴る丘」に出演した子供たち。『クラブ活動』で演劇の指導を受けている小学生たちに「鐘の鳴る丘」の出演オファーが来るところから始まり、出演前のテスト、演技指導に配役決定、いよいよドラマ出演、そしてドラマ人気が高まっていく中での変化などが描かれていく。 終戦直後の当時はまだ児童劇団などなく、実際に関係者の伝で演劇活動が盛んだった小学校にオファーしたそうだ。 とはいえこの作品では『クラブ活動』に所属していない良仁のような児童も出演する。 朝ドラ「エール」でのラジオドラマシーンに映っていたのは身なりのきれいな子供ばかりだったが、この作品では違う。 祐介や世津子や勝のように家が裕福な児童もいるが、良仁のように貧しい児童や乞音症の孝もいる。極めつけは小学生なのに堂々煙草を吹かし、学校をサボって拾い集めた煙草の吸いさしを売り捌く将太のような児童もいる。 だが彼らが初めてプロのお芝居に触れて、「鐘の鳴る丘」の中で菊井の書いた物語を生きていく。ドラマの中では家庭事情など関係なくもう一つの人生を生きられる。 ところがお芝居が上手な実秋の提案で良仁らが実際の戦災孤児を見に行くと衝撃を受ける。将太が可愛く見えるほど、彼らは恐ろしい野獣のようだった。良仁は食卓が貧しくとも帰る家があること迎えてくれる家族がいることのありがたみを知る。 一番印象的だったのは「鐘の鳴る丘」の出演者たちや菊井などのスタッフ一同で戦災孤児たちを保護している施設に慰問に行くシーン。 「鐘の鳴る丘」で主人公が作ろうとしている「少年の家」そのものだとワクワクする良仁たちだったが、施設で暮らす少年・光彦は菊井に強烈な言葉を突きつける。 『なにが、戦災孤児救済のドラマなものか。それが証拠に、本物の浮浪児にラジオを聞く余裕があるか。ここにいる僕らだって、あんなきれいごと、聞きたいとも思わないんだ』 『「鐘の鳴る丘」は嘘ばっかりだ。お前も、お前も! お前たちの演技は、全部、全部、嘘っぱちだ!』 魂の叫びのような言葉に対する菊井の言葉が心に残る。彼は自分の万年筆を光彦に渡し『それで、君は自分の物語を書きなさい』と言うのだ。 菊井のモデルである菊田一夫も孤児だ。生まれて直ぐに養子に出され、その後も捨てられて様々な他人の手で養育された末に奉公に出される。 そんな彼が誰にも顧みられない子供たちにスポットを当てようと書いたドラマが、その当人たちを傷付けることになるとは。 この出来事は良仁始め様々な子供たちに動揺を与える。特に悪役を見事に演じていた実秋は演技が出来なくなってしまう。 ラジオドラマは『嘘っぱち』の作り事でしかないのか、喜んで聞いているのは恵まれた人々だけなのか? 目まぐるしく変わる時代と大人たちの事情に翻弄されながらも、子供たちが懸命に頑張っている様子が良かった。またそんな子供たちに寄り添う演技指導の重子先生が素敵だった。 終盤の公開録音シーンはその集大成。『嘘っぱち』のドラマであっても、そこに生きそこに何かを感じ影響を受けた人たちが沢山いるのも事実。 将太に並んで良い味を出していたのが孝。おっとりしているが馬の世話をしている時は大人のように上手で馬をとても大切にしている。その飼い馬アオもまた親馬を戦地に取られ失った孤児だった。 それから二十五年後、その後の彼らが描かれる。戦後の価値観がまた変わる中で、良仁は何を思うのか。
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鐘の鳴る丘を題材にして、何を描くんだろうと懐疑的にこの本を取り上げたんだけど、想像以上に素晴らしい物語に仕上がっていました。
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『緑の丘の赤い屋根 とんがり帽子の時計台・・・』 ラジオドラマの主題歌だったことさえ知らないはずなのに、なぜか歌えてしまうこの曲。 ちょうど朝ドラ『エール』でこの曲の誕生秘話を知ったばかりでした。 朝ドラは製作者サイドの物語でしたが こちらはラジオドラマに出演した子どもたちの物語...
『緑の丘の赤い屋根 とんがり帽子の時計台・・・』 ラジオドラマの主題歌だったことさえ知らないはずなのに、なぜか歌えてしまうこの曲。 ちょうど朝ドラ『エール』でこの曲の誕生秘話を知ったばかりでした。 朝ドラは製作者サイドの物語でしたが こちらはラジオドラマに出演した子どもたちの物語。 なぜ戦争が起きるのか、敗戦した日本がどうなってしまうのか 何も知らされぬまま、一生懸命生きたあの時代の子どもたちの姿がリアルに伝わってきます。 敗戦後の混乱の中で、あの歌がどれだけの人たちの希望となっていたのか 胸に迫る小説でした。
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ちょうど朝ドラとリンクした感じで読む。 娯楽の溢れた現代では、 一つの番組を皆が楽しみにしていたというのが すごいギャップだ。 でも、大人と子供が皆で作り上げた日本の希望。 そんな時代があって、今があるんだな。
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図書館で借りたもの。 放送劇は、物語は、きっと祈りなのだ――。敗戦後の混乱期。突然、ラジオドラマに出演することになった小学生たちの、戸惑いと奮闘を描く。NHKの連続放送劇「鐘の鳴る丘」をモチーフとした物語。 あの菊田一夫さんが手がけたラジオドラマと、そのラジオに出演した子供たち...
図書館で借りたもの。 放送劇は、物語は、きっと祈りなのだ――。敗戦後の混乱期。突然、ラジオドラマに出演することになった小学生たちの、戸惑いと奮闘を描く。NHKの連続放送劇「鐘の鳴る丘」をモチーフとした物語。 あの菊田一夫さんが手がけたラジオドラマと、そのラジオに出演した子供たちがモデル。 「鐘の鳴る丘」は昭和22~25年の3年間で790回も放送された人気のラジオドラマ。 (放送番組世論調査では90%の人が聞いたことがあると回答している) まだテレビがない頃の娯楽だったみたい。 一気読みでした! 戦災孤児の描写が衝撃的だった。
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戦後間もない東京で、こども達がNHKのラジオ放送劇に出演することになり、主人公の良仁をはじめとする子供達が、そこに向かって取り組んでいく姿と変化が面白く、読んでいる自分の顔がほころんでいき、先々が気になって一気に読んでしまいました。 また、戦時中と戦争後で、いきなり教育の内容が変...
戦後間もない東京で、こども達がNHKのラジオ放送劇に出演することになり、主人公の良仁をはじめとする子供達が、そこに向かって取り組んでいく姿と変化が面白く、読んでいる自分の顔がほころんでいき、先々が気になって一気に読んでしまいました。 また、戦時中と戦争後で、いきなり教育の内容が変わった事により戸惑う姿に、当時の子供達の心境を慮り、いつの時代も、純粋な子供達が、一部の大人の勝手な都合によって振り回されるんだと、胸が痛くなりました。 そしてこの作品を通じ、『戦争孤児』について考える事ができました。戦争が終わっても、上野駅の地下で暮らす孤児達にとって戦争は続いており、たくさんの孤児をうんでしまった戦争は、一体なんだったんだろう?と改めて思います。 そんな思いを抱きつつも、色んな思いを胸に成長していく子供達の姿に、爽やかさを覚える物語でした。
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