バンクシー の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
正体不明のアーティスト、バンクシーのアーティスト像に迫る入門的な本。バンクシーがなぜ社会と真っ向から対立するようなポジションで人気を博したのか、故郷ブリストルの音楽性にも焦点をあて文化的な背景から、バンクシーが持つ独特のポジションを解説していく。パレスチナの壁画、シュレッダーでオークション購入直後に裁断されるアート。一つ一つに強烈なメッセージ、特に資本主義、お金だけの拝金主義、華々しいセレブ、戦争、裏側で届かぬ声を届けたいと思うアートワークへの強い思いが作品に風刺と強烈なメッセージと愛すべきキャラクターを産んでいる。いよいよニューヨークで、バンクシー展が行われる。テーマは何か、何をやってのけるのか、本当に楽しみだ。
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ポップカルチャーがユーモアとともに救い出そうとするのは、公的な言語から消されてしまっている複雑な感情の起伏です。 公的な空間は誰のもの? 所有権VS表現の自由
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2019年に小池百合子都知事がツィッターでつぶやいて以来、日本でも話題になったバンクシー。 ストリートアートが、その社会の在り方を映し出すものだとは知らなかった。 バンクシーの作品のように、公共物に描かれたアート、グラフティは表現の自由を測る尺度になる。 日本では、「公共」...
2019年に小池百合子都知事がツィッターでつぶやいて以来、日本でも話題になったバンクシー。 ストリートアートが、その社会の在り方を映し出すものだとは知らなかった。 バンクシーの作品のように、公共物に描かれたアート、グラフティは表現の自由を測る尺度になる。 日本では、「公共」は行政が管理するものという認識なのだという指摘にはっとした。 日本はストリートカルチャーに対して欧米より不寛容だ。それは表現の自由、さらには民主主義の抑制と無関係ではないのだと、本書は問いかける。 「行政の作り出す秩序は、支配、管理者の視線。多くの人々を一箇所にあつめ、匿名の顔のない存在に変えて幾何学的な造形を作り出すマスゲーム。」 グラフティアート、ストリートカルチャーが発達している国では、公の空間がは個人にも行政にも属さない人、周辺化されたひとのために開かれている バンクシーのアートは、表現の制限や知らずに当たり前となっている監視社会の在り方を静かにを問い直してくれる。
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バンクシーのブラックユーモアが好きで読んだ本。 反戦や社会情勢に対する意見を、言葉ではなくアートととして表現している。 アートを見るだけではなく、その背景にある考え方や消されて消滅してしまうという点を考えると、深く考えさせられる。
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バンクシーとは何者なのかという話に限らず、グラフィティーが落書きなのかアートなのかという視点やグラフィティーが単なる器物損害なのか都市空間における表現の自由なのかという視点など、作者のストリートアートに対する深い考察が丁寧に書かれていて面白かったです。 私もサザビーズが開催したオ...
バンクシーとは何者なのかという話に限らず、グラフィティーが落書きなのかアートなのかという視点やグラフィティーが単なる器物損害なのか都市空間における表現の自由なのかという視点など、作者のストリートアートに対する深い考察が丁寧に書かれていて面白かったです。 私もサザビーズが開催したオークションで競売にかけられた風船と少女の作品がシュレッダーによって裁断されたというニュースでバンクシーを知った人間ですが、こんな活動をしている人なんだと知る事ができました。
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匿名のストリート・アーティスト「バンクシー」についての入門書。 1/4程度読んでからバンクシー展に行ったが、全部読み切ってから行けばもっとひとつひとつの作品を楽しめただろうなと後悔した。 これまでアートのアの字も理解していなかったが、この本のおかげでアートという世界にさらに興...
匿名のストリート・アーティスト「バンクシー」についての入門書。 1/4程度読んでからバンクシー展に行ったが、全部読み切ってから行けばもっとひとつひとつの作品を楽しめただろうなと後悔した。 これまでアートのアの字も理解していなかったが、この本のおかげでアートという世界にさらに興味を持てた。
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バンクシーが何者で、どういう歴史があるか、こういう本で通読しておかないと、語ることが出来ない。基礎知識を身に付けると、バンクシーアートへの理解の助けにとてもなる。スキャンダラスなトピックだけ目についてしまい、バンクシーの魅力に気がつけない人におすすめ。面白キャラとして認識されてし...
バンクシーが何者で、どういう歴史があるか、こういう本で通読しておかないと、語ることが出来ない。基礎知識を身に付けると、バンクシーアートへの理解の助けにとてもなる。スキャンダラスなトピックだけ目についてしまい、バンクシーの魅力に気がつけない人におすすめ。面白キャラとして認識されてしまっているが、アートとしてしっかり魅力的だから、評価されていることを理解できます。あと作品をみることが一番の魅力。
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バンクシーやストリートアート、グラフィティについて知れる分かりやすい本だった。 入門書的な位置付けで面白かった
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借りたもの。 覆面アーティスト・バンクシーの魅力、公開されているプロフィール(謎を含めて)からの半生、作品について、なぜ評価されているかを解説した一冊。 文庫本ながら、内容は充実。 現代アートの価値が“今を映す”ことならば、バンクシー作品が訴える社会問題へのブラックユーモアは、...
借りたもの。 覆面アーティスト・バンクシーの魅力、公開されているプロフィール(謎を含めて)からの半生、作品について、なぜ評価されているかを解説した一冊。 文庫本ながら、内容は充実。 現代アートの価値が“今を映す”ことならば、バンクシー作品が訴える社会問題へのブラックユーモアは、現代を生きる私たちに笑いと問題提起と論争の機会をくれる。 その傾向は全て“アンチ”だけど……(反アート、反戦、反商業主義) しかしその作風はシニカルで、声高に特定の存在を攻撃しない。 ストリート・グラフィックの手法のひとつ、「ステンシル」で描かれた作品は、ステンシルを作る時点で制作する意図があることが、ただの迷惑行為の“落書き”との差異をつけていることを指摘。 アンディ・ウォーホルへのオマージュと揶揄、キース・へリング、バスキアの影響、デミアン・ハーストとの共作…… 現代美術史の流れを汲んでいることを強く意識させる。 読んでいて、ストリートアートという媒体のインスタレーション性、そこから生まれる希少性(その反社会的行動の延長から消される可能性、それを維持させようとする労力)が、バンクシーの価値を高めているのではないかと思った。 バンクシー展 天才か反逆か https://banksyexhibition.jp/
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バンクシーについて認知と興味が先行して、知識がほぼなかった自分にとって、一応人に説明できるレベルの情報を与えてくれた本。その意味で期待通り。バンクシー展ぜひ行きたい。
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