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21世紀の啓蒙(上) の商品レビュー

4.1

26件のお客様レビュー

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2020/03/06

・人類って意外と色々な側面で進歩しているということが、様々なデータや事実から分かり、とても勉強になった ・ニュースの内容が、歴史的にネガティブなものが増えてきているというのはまさに感覚的に感じていたことで、むしろなぜこんな変化が起こっているのかが気になった ・上記の様な点に注目し...

・人類って意外と色々な側面で進歩しているということが、様々なデータや事実から分かり、とても勉強になった ・ニュースの内容が、歴史的にネガティブなものが増えてきているというのはまさに感覚的に感じていたことで、むしろなぜこんな変化が起こっているのかが気になった ・上記の様な点に注目しながら、また時間を置いて再読したい

Posted byブクログ

2020/01/16

VUCAの時代などと言われ、ポピュリズムの台頭や社会の二極化が進む中で、ともすれば不安を煽る悲観論が蔓延しがちな今日だからこそ、信仰よりも理性を、国家や民族よりも全人類のためのヒューマニズムを重視し、科学による進歩を肯定的に捉える「啓蒙主義の理念」の必要性が高まっており、これまで...

VUCAの時代などと言われ、ポピュリズムの台頭や社会の二極化が進む中で、ともすれば不安を煽る悲観論が蔓延しがちな今日だからこそ、信仰よりも理性を、国家や民族よりも全人類のためのヒューマニズムを重視し、科学による進歩を肯定的に捉える「啓蒙主義の理念」の必要性が高まっており、これまでの人類の進歩を裏付ける実証データを併せて示すことで、悲観よりも希望を持つべきと訴える啓発書。 人類は、何もしなければエントロピーの法則に従って無秩序へと向かう自然に抗い、エネルギーをより効率的・効果的に確保することに成功した生物であり、そのために脳の進化に伴う認知革命や農業革命、産業革命等によって各種の情報を活用してきた。その過程で人類は啓蒙主義の理念により、呪術的世界観を克服したにも関わらず、近年、反科学主義や衰退主義が台頭している風潮に対し、著者は世界の平均寿命や健康状態、さらには平和や安全にいたる多くの指標において、科学がいかに人類を繁栄に導いたのかを膨大なデータを用いて明らかにするとともに、今後も啓蒙主義の理念が、困難な課題も解決し未来の希望を引き寄せるための石杖になると主張する。 人間が陥りがちな各種の認知バイアスに囚われず、ファクトに基づいて観察すれば世界は良くなっていることがわかるという観点では、ハンス・ロスリングの「ファクトフルネス」と同様の趣旨であり、また宗教や民族主義に陥ることなく、人類共通的な倫理観や合理的手法による真実の追求の必要性を説くユヴァル・ノア・ハラリの思想にも通底している部分がある。情報過多の時代に本当に重要なことは何かを見通すための一つの物差しとして、時間をかけてでも読む価値のある名著。

Posted byブクログ

2020/01/14

前著「暴力の人類史」の続編ともいうべき本書は、啓蒙主義の理念(=理性、科学、ヒューマニズム、進歩)がいかに世界人類を幸福に導いてきたか?をデータを駆使して証明。ファクトフルネスに近い内容ですが、ピンカー氏の「暴力の人類史」の方が早くから科学的データ主義に基づいて現代のありようを証...

前著「暴力の人類史」の続編ともいうべき本書は、啓蒙主義の理念(=理性、科学、ヒューマニズム、進歩)がいかに世界人類を幸福に導いてきたか?をデータを駆使して証明。ファクトフルネスに近い内容ですが、ピンカー氏の「暴力の人類史」の方が早くから科学的データ主義に基づいて現代のありようを証明していたのではないかと思います。幸福に向かう進歩に関しては多様な意見があると思いますが彼の場合は誰もがそうだと思わざるを得ない価値観なので非常に説得力があります。進歩とは「死より生」「病気より健康」「飢餓より満腹」「貧困より裕福」「戦争より平和」「危険より安全」「先制政治より自由」「偏見・差別より平等」「文字が読めないより読める方」「無知より知「愚鈍より明敏」「不幸より幸福」「単純重労働より豊かな余暇」。完全に同感です。

Posted byブクログ

2020/01/06

ビルゲイツのオススメと聞いて。 今このタイミングだとFactfulnessの二番煎じと揶揄されそうな感は否めないけど、それよりもエビデンスやデータが濃い印象。 啓蒙主義に照らし合わせて考えているというコンセプトのようだが、かといって何かを強くプレゼンしてくることもなく事実を事実...

ビルゲイツのオススメと聞いて。 今このタイミングだとFactfulnessの二番煎じと揶揄されそうな感は否めないけど、それよりもエビデンスやデータが濃い印象。 啓蒙主義に照らし合わせて考えているというコンセプトのようだが、かといって何かを強くプレゼンしてくることもなく事実を事実として教えてくれる感じで(訂正、トランプ批判だけは色濃い)、フムフムと雑学的に読む分には充分面白い。

Posted byブクログ

2020/01/03

・不公平と不公正を切り分けること ・格差そのものを解消しようとしても無意味 ・条件付き楽観主義でいよう ・人々は若い頃の価値観を引きずるため、未来を見るなら今のミレニアル世代の価値観を観察する

Posted byブクログ

2019/12/30

我々の未来は思っているよりも暗いものではなく、むしろ一歩ずつ着実に進歩しているー口にすれば極めて陳腐なフレーズではあるが、現代の我々はこのテーゼを最早信用しきれなくなっている。なぜならニュースを見れば、格差の問題、テロリズム、ドナルド・トラソプに代表されるポピュリズムなど、暗い話...

我々の未来は思っているよりも暗いものではなく、むしろ一歩ずつ着実に進歩しているー口にすれば極めて陳腐なフレーズではあるが、現代の我々はこのテーゼを最早信用しきれなくなっている。なぜならニュースを見れば、格差の問題、テロリズム、ドナルド・トラソプに代表されるポピュリズムなど、暗い話題が続く。 本書は様々な種類の長期的な統計データに基づき、いかに人類が諸問題を克服して進歩してきたかを明らかにし、未来について悲観的になる必要などないということを看破する。サブタイトルにあるようにそのキーとなるのは、「理性・科学・ヒューマニズム」である。例えば科学でいえば、我々は新たなパラダイムを打ち立てた偉大な科学者たちについては、その固有名を認識している。一方、現代において最も多くの人々を救った水の浄化技術についてはどうだろうか?ペストをはじめとして多くの疾病が水質の悪さにあった、というのは自明であり、その水質を改善するために、様々な技術者が介在することで、人類は様々な疾病を克服することができた。我々が安全な生活ができているのは、こうした名もなき技術者たちのおかげであるが、我々はこうした科学技術への感謝を忘れている。 安心・安全な生活、というのは先進国に暮らす人間にとっては当たり前すぎるが、それは100年前を振り返れば決して当たり前ではなかった。こうした人類の進歩を振り返れば、未来について決して悲観的になる必要などない。むしろ、ポピュリストたちの多くが我々を悲観視させ、我々の諦念に付け込もうとしている今、正しい時代認識を持つことの重要性は高まっている。 ピンカーは『暴力の人類史』も大変素晴らしかったが、こちらはそれ以上の出来。現代最高の知識人を一人選べと言われれば、私は間違いなくピンカーを選ぶ。

Posted byブクログ