デトロイト美術館の奇跡 の商品レビュー
美術館に対する付き合い方が、実にいいなぁ。 ジェシカとフレッド。 フレッドは、デトロイトの自動車メーカーで働いていた。 100年近い古ぼけた家に住んでいて、子供がいない。 ジェシカが、もう長くはない時に、 友達に会いにいこうと言って、デトロイト美術館に行く。 フレッドは、そこで ...
美術館に対する付き合い方が、実にいいなぁ。 ジェシカとフレッド。 フレッドは、デトロイトの自動車メーカーで働いていた。 100年近い古ぼけた家に住んでいて、子供がいない。 ジェシカが、もう長くはない時に、 友達に会いにいこうと言って、デトロイト美術館に行く。 フレッドは、そこで マダムセザンヌにあう。 その出会いが、大きな影響を与える。 ジェシカがなくなって、フレッドは マダムセザンヌが友達だった。 デトロイト美術館の絵画が 市の破綻によって売却されるという話を聞いた フレッドは、キュレーターのジェフリーに会う。 そして、しわくちゃの500ドルの小切手を渡す。 友達を救ってくれと懇願するのだった。 いいなぁ。一つの絵によって、生きることが支えられている。 絵でつながる 共感が、なんとも言えない。
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短い話だったが、市民視点を担当するキャラクターに心動かされた。 多くの人が、美術館と作品を守った話。アートを愛する人たちが、美術館を守らなければならないと思う人達はいるのだなぁと、デトロイトの話を見て思う。 もし日本で似た状況のことが起きてしまった時、私たちは守れるだろうか。
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芸術とはあまり縁がなかった私ですが、この本には一気に引き込まれました。 タイトル通りデトロイト美術館(DIA, Detroit Institute of Arts)が舞台。 芸術を愛することはお金持ちや貧乏などは関係がない。 誰にでも芸術は愛することができる。 セザンヌが妻を描...
芸術とはあまり縁がなかった私ですが、この本には一気に引き込まれました。 タイトル通りデトロイト美術館(DIA, Detroit Institute of Arts)が舞台。 芸術を愛することはお金持ちや貧乏などは関係がない。 誰にでも芸術は愛することができる。 セザンヌが妻を描いた《マダム・セザンヌ》。 そして、主人公のフレッドと妻のジェシカが素敵すぎる。 時間を見つけて美術館に足を運びたくなりました。
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これほとまでに市民に愛されている美術館にせひとも行きたくなりました。 「アートは友だち、美術館は友だちの家」、たくさんの気の合う友だちに私も出会いたい。
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とうとう文庫が出た! マハさんのアート小説は読みやすい。デトロイト美術館にまつわる、いろんな人から見た危機回避の物語!いつか行ってみたいな。京香さんとの対談もよかった。
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まさにハッピーエンド。 題名と最初の流れから、展開の予想がつく。 最後まで意表を突くことは一度としてなかったが、安定感のあるいい話だった。 新聞の連載みたいな構成で、非常に読みやすい。 財政破綻したデトロイトにある美術館が、コレクション売却の危機を免れる話。 フレッドのプロ...
まさにハッピーエンド。 題名と最初の流れから、展開の予想がつく。 最後まで意表を突くことは一度としてなかったが、安定感のあるいい話だった。 新聞の連載みたいな構成で、非常に読みやすい。 財政破綻したデトロイトにある美術館が、コレクション売却の危機を免れる話。 フレッドのプロファイリングから始まり、美術館への思い入れへと続き、財政破綻のニュースで美術館の危機がささやかれる。そして美術館のチーフキュレーターの話へ。 美術への渇望や思い。 自分の住む北九州市美術館はいつも閑散としていて、不安になる。もっと人類の創造性に目を向けたい。 作品には創造された時代背景や思い、ストーリー、創造風景がある。 作品を見て楽しむだけではなく、背景に目を受けると美術がもっと楽しくなるのだろうなー。 キュレーターズガイドに行ってみたい、そう思った。北九州ではやってるかな? 最後、フレッドの下りはほろっと感動しました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
う~ん。。。 薄い! 本編は120ページくらいしかありません。 薄い。 もっと重厚なのが読みたい。 なにしろ、 今回の話はかぐりん的にはよかったね? と、 しか言いようがない。。。 あれなのよ。 選挙でもあなたの1票で変わる! と、 言いつつもなにもかわらないでしょう? 何百万 何千万 何億万分の1の奇跡って存在しないと思ってる。 今回のこの話はそういうところがピックアップされてて微妙。 ラリーズに行ってみたいなってことしか残らんかった。。。 もっと、 楽園のカンヴァスとか、 暗幕のゲルニカみたいのを期待したい!
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正直に言います。単に薄さに惹かれて買いました。巻末の鈴木京香との対談を入れても130頁ちょいですもの。 この著者は私にとってはビミョーなんです。いつも序盤はめちゃくちゃいいと思って読んでいるのですが、終盤は熱すぎてちょっと引いてしまう。だからどの著作にも世間の人気ほどには私はの...
正直に言います。単に薄さに惹かれて買いました。巻末の鈴木京香との対談を入れても130頁ちょいですもの。 この著者は私にとってはビミョーなんです。いつも序盤はめちゃくちゃいいと思って読んでいるのですが、終盤は熱すぎてちょっと引いてしまう。だからどの著作にも世間の人気ほどには私はのめり込めずにいます。でも本作は熱すぎない。たぶんいつもの原田さんが好きな人なら物足りなく感じるぐらいなのでは。そこが私にはよかった。 デトロイト市が破綻したことによって、市の財産としては土地よりも空港よりも高値が付く美術館の所蔵品が売り払われてしまう危機に陥る。そんなとき、亡き妻の想いを汲んだ老人の言動に突き動かされた美術館職員。そこからまたアートを救う動きが広がる。 言い得て妙の「なんと気難しい、一生懸命な顔」の《マダム・スザンヌ》。彼女を見つめていたい、ただそれだけの人たちの想いが叶う。 ある程度の素養がある人しか行っちゃいけない場所ではない。誰でも行ってかまわないんだから。美術館に行こう。
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原田マハ『デトロイト美術館の奇跡』新潮文庫。 やはり原田マハは絶対に裏切らない。例え長編であろうと短編であろうと、本作のような中編であろうと決して裏切ることはない。 財政破綻の危機に瀕するデトロイト市の美術館と貧しくも慎ましく生きる黒人夫婦の物語である。まるでモダンアートの歴...
原田マハ『デトロイト美術館の奇跡』新潮文庫。 やはり原田マハは絶対に裏切らない。例え長編であろうと短編であろうと、本作のような中編であろうと決して裏切ることはない。 財政破綻の危機に瀕するデトロイト市の美術館と貧しくも慎ましく生きる黒人夫婦の物語である。まるでモダンアートの歴史を描いたノンフィクションの中に挟み込まれた挿話のようにも感じた。 デトロイト美術館とモダンアートを愛してやまない老夫婦の物語が胸を打つ。たった一人の老人の小さな行動が…… 舞台がアメリカということもあり、言いたいことは山のようにあるのだが、本作とは余り関係ないので控えておこう。 本体価格460円 ★★★★★
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「アートは私の友だち。だから、DIAは、あたしの『友だちの家』なの」という言葉が印象的。 本作に限らず、原田マハの作品を読むと、アートが持つ力(国家レベルでも、個人レベルでも)の大きさに気付かされる。 また美術館に行きたくなった。
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