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違国日記(5) の商品レビュー

4.3

28件のお客様レビュー

  1. 5つ

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  2. 4つ

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2019/12/16
  • ネタバレ

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やっと泣けた朝ちゃんにつられて涙。 「わたしは」そう思う、という考え方の大切さ。 この物語の感想は、どうしても箇条書きになってしまう。 最後まで読み通したときに、私の中でもまとまっていくものがあるんだと思える。 こういう読書体験ができているのは幸せだ。

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2019/12/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

事実を受け入れてこれなかった朝の慟哭とその涙が切ない。 槙生は、真実を受け入れる準備ができたのだと語る。物書きであるが故に、文章を書き残すことの重みを語る。でも、浅の母の名づけの想いは、まだ、届かない。 母の日記?にある、母と父の結婚の事実が意外にエグい。両親の死には何か理由があったのではないか?とかちょっと深読みしすぎか? さて、一部の好事家とされた笠町クン、そっちはそっちでがんばれ(笑)

Posted byブクログ

2019/12/15

すごくよかった。子どもの頃は親を単なる「親」として認識しているけど、成長するにつれ「親」もひとりの人間で、人生があって、その人生の途中で自分は産み落とされただけなのだよなとわかってくる過程があると思うのだけど、朝の場合はとつぜんそれを突きつけられた状態で、いろいろ付いていかないだ...

すごくよかった。子どもの頃は親を単なる「親」として認識しているけど、成長するにつれ「親」もひとりの人間で、人生があって、その人生の途中で自分は産み落とされただけなのだよなとわかってくる過程があると思うのだけど、朝の場合はとつぜんそれを突きつけられた状態で、いろいろ付いていかないだろうな、しんどいだろうなと思った。 両親がいないのは変、とかいろいろ、今まで自分が「普通」だと思っていたことから外れているのは彼女も多分なんとなく分かっていて、でもその「普通」ってのは実は自分の感覚の話で、誰かから押し付けられたり、誰かに押し付けたりするものじゃないってことはきっとまだ分かっていない。両親がいない自分は普通じゃない、普通じゃないのは変、変なのはよくない、みたいな。でもそれが自分の現状で、しかしこの現状に陥っているのはまったく自分のせいではない。悲しいのと、腹がたつのと、困惑と、でもそういうごちゃごちゃした感情にもならない何かを吐き出すすべを彼女は知らない。そういう子どもが、手では触れられない諸々を言葉にしていく小説家と暮らすことの意味、というのを、この巻になって私はようやく考えた。すごくいい。次巻もたのしみ。

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2020/10/03

もう一つの違国日記な訳だ。 ようやく、ついに、実感として、事実として、朝が両親のことを受け入れた、と言うことだろうか。 女子会恐い。 そう言う話ではないけど。 自分のことを理解し欲しいという欲求と、それに対する絶望と、それを超えた先での表現と。 達観している人が正しいわけでも...

もう一つの違国日記な訳だ。 ようやく、ついに、実感として、事実として、朝が両親のことを受け入れた、と言うことだろうか。 女子会恐い。 そう言う話ではないけど。 自分のことを理解し欲しいという欲求と、それに対する絶望と、それを超えた先での表現と。 達観している人が正しいわけでも、諦観している人が間違っていないわけではないし、納得と諦めの拮抗。 つらいなー。

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2019/12/11

ヤマシタ先生、10年くらい追ってて毎度毎度面白〜!!て思うけどこの作品はもうマジで現時点で集大成では!?て思ってしまうな、、、このお話を生み出すためにどれほど心身をつぎ込んでいらっしゃるかと感じるよ。

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2019/12/10
  • ネタバレ

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「私とあなたは違うのだ。だからお互いを完全に理解することはできない(できたつもりになってもいけない)。しかしその前提の上でつき合ってはいける」というテーマを再認識したような感じ。一方で「人と同じであること」「完璧であること」を規範にしちゃうと、それが自分を傷つけることにもなりうる、というのがこの巻のポイントなのかな。

Posted byブクログ

2019/12/16

──悲しみは果てのない 長い長い浜辺を歩くようなものだった。 ずっと先で砂と水と空とが溶け合って どこで尽きるかもわからないような美しい浜辺だ。 一歩ごと足が沈み、 砂つぶが指の間に入り込み、 寄せる波に足首が濡れる。 冷たい怒りが足元を 濡らすたび はっとして かれが...

──悲しみは果てのない 長い長い浜辺を歩くようなものだった。 ずっと先で砂と水と空とが溶け合って どこで尽きるかもわからないような美しい浜辺だ。 一歩ごと足が沈み、 砂つぶが指の間に入り込み、 寄せる波に足首が濡れる。 冷たい怒りが足元を 濡らすたび はっとして かれがいないことを思い知る。 俺の竜は死んでしまった。 もういない。 これからどうすればいい? 忘れよう。 いや許せない。 殺してやる。 誰を? 話したい。 誰に? 眠っていたい……。 寄せては返す波ごとに ルカの心は小舟のように揺れた。 この浜辺はどこまで続くのだろう?

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2020/01/08

えみりさん苦い。朝は…しかたないのだよな、中3でいきなり両親を亡くして、まだ全然、ぜんぜん、嵐なのだ…本人は足跡が残る砂漠を歩いてるつもりだけど、その砂漠はたぶん、足跡どころか砂嵐で真っ暗な中をどこにいるのかわからないまま歩いてる(実は歩けてもいない)のと同じ…。ただ、渦中にいる...

えみりさん苦い。朝は…しかたないのだよな、中3でいきなり両親を亡くして、まだ全然、ぜんぜん、嵐なのだ…本人は足跡が残る砂漠を歩いてるつもりだけど、その砂漠はたぶん、足跡どころか砂嵐で真っ暗な中をどこにいるのかわからないまま歩いてる(実は歩けてもいない)のと同じ…。ただ、渦中にいると虚無感が強くて暴風を感じないんだと思う…… 誠実な大人ばかりだし、優しくはないかもしれないけど抱きしめてはくれる槙生ちゃん。 槙生ちゃん私より確実に年下だし、部屋の荒れようもすごいが、自分が潰れないできる最大限を提供しててめちゃくちゃがんばっていらっしゃる。

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