ぷくぷく の商品レビュー
まつりの夜店からイズミの家にやって来た金魚のユキ。ユキの目から見た世界。黒猫だったり、イズミの表情だったり。話は出来ないけれどいつも元気づけようとしていた。ユキもイズミも幸せになって良かった。
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主人公の”ユキ”と、同居する”イズミ”の物語。 読みはじめてすぐ、ユキの正体にびっくり。物語は狭い世界で展開しますが、作中何度か、驚く出来事があるので飽きません。 ユキは頭の中で、自問自答したり、世界の事を考えたり、まるで小さな哲学者みたい。言葉にならないユキの思いは、ちっと...
主人公の”ユキ”と、同居する”イズミ”の物語。 読みはじめてすぐ、ユキの正体にびっくり。物語は狭い世界で展開しますが、作中何度か、驚く出来事があるので飽きません。 ユキは頭の中で、自問自答したり、世界の事を考えたり、まるで小さな哲学者みたい。言葉にならないユキの思いは、ちっとも伝わらなくて、切なく、歯がゆい。ひたすら切ない展開が続くので、どういうラストになるのかヤキモキしながら読んでいました。 作者の森沢明夫さんの言葉によると、今作は「私小説」ならぬ「詩小説」だそうです。だからなのか、心に残るフレーズが沢山。他人と違う自分を受け入れて、他の人の多様性を受け入れる大切さを改めて考えさせられました。同調圧力を感じて気疲れしてしまったら、チーコの言葉を思い出したい。
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お祭りの金魚すくいで 何度も挑戦して もらわれてきた金魚がナレーター! 窓のそばに置かれた丸い金魚鉢に入れられて そこから見える 通りに登場するコーヒー店の店員や 黒ネコ 桜の木の季節の移ろいなど 外の世界の様子などを 金魚をナレーターにして 物語が進んでいく どっぷりと浸って...
お祭りの金魚すくいで 何度も挑戦して もらわれてきた金魚がナレーター! 窓のそばに置かれた丸い金魚鉢に入れられて そこから見える 通りに登場するコーヒー店の店員や 黒ネコ 桜の木の季節の移ろいなど 外の世界の様子などを 金魚をナレーターにして 物語が進んでいく どっぷりと浸って楽しんだ やっぱり森沢さんの本 好き(^-^)
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金魚が主人公になるのかな。 心温まる話ですね。 途中で辛くなる部分があったけどラストはハッピーエンド。 読めばほっこりしますね。
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イズミが親友のチーコと二人で行った、夏祭りの金魚すくいで6回やってもとれずに、金魚屋さんにお情けでもらった「琉金」のボク。 ボクはユキちゃんという名前をつけられて、イズミの一人暮らしの部屋で飼われます。 最初はおっかなびっくりのボクですが、ボクはイズミのことが大好きで、一生懸命...
イズミが親友のチーコと二人で行った、夏祭りの金魚すくいで6回やってもとれずに、金魚屋さんにお情けでもらった「琉金」のボク。 ボクはユキちゃんという名前をつけられて、イズミの一人暮らしの部屋で飼われます。 最初はおっかなびっくりのボクですが、ボクはイズミのことが大好きで、一生懸命にイズミに話しかけられると頷いてみせたりします。 ボクはいつも金魚鉢の中からイズミのことを見ています。 イズミが見慣れない紺色の傘を持ってくると誰の傘だろうか考えたり、スマホに着信が増えてくると恋人ができたのかと思いちょっと淋しくなったりします。 恋人とうまくいかないイズミが落ち込んでいる時は、イズミを励まそうとして、水から思い切り跳ねてみたりする琉金のユキちゃんはとってもキュートで心をわしづかみにされました。 犬とか猫の話は読んだことがありますが、金魚というのは初めて読みました。 「ぷくぷく」というのはユキちゃんの「ぷくっ」とする呼吸のことです。 最後は二年後になりますが、ユキちゃんにはハルちゃんという琉金のお友だちがやってきて、イズミも最高の夏祭りを迎えてとってもハッピーです。 「ぷくぷく」ってなんか口がもぞっとしますが、ユキちゃんはとっても可愛かったです。 誰かと一緒に生活しているのって、とても幸せなことなんだなあと思いました。
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心のきれいなイズミと太陽くん、幸せになってね。 チーコちゃんとそのママにも、心を洗われました。いじめられた時、"心は傷付くのではなく磨かれる"、ホントそう思えたら頑張れるよね。 イズミを見つめる金魚のユキちゃんにも、ハルが来て、良かった〜
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すごくすごく良かった。 どこの箇所も深くて…もうただただ泣けてスッキリして温かい気持ちと同時にあ、これってそういうことか!と思える箇所が随所にあった。 素晴らしい作品だった。 ・「欠点」こそが、ボクそのもの。そう信じ込んでいた ・「人ってさ、つい自分と他人を比べて、足りないモノと...
すごくすごく良かった。 どこの箇所も深くて…もうただただ泣けてスッキリして温かい気持ちと同時にあ、これってそういうことか!と思える箇所が随所にあった。 素晴らしい作品だった。 ・「欠点」こそが、ボクそのもの。そう信じ込んでいた ・「人ってさ、つい自分と他人を比べて、足りないモノとか違うところに目がいって、そればかり気にしちゃうんだけども、でも、よくよく考えてみると、圧倒的に足りてるモノの方が多いってことが分かるし、誰かとまったく同じモノなんてないんだよね」 ・「心って、傷つかないんだって。ただ磨かれるだけ。やすりがけと一緒で、磨かれてるときは削られて痛むけど、でも、ごしごしやっているうちに最後はぴかぴかに光るでしょ?」 ・心は傷つかない。ただ、磨かれるだけー。 金魚のユキちゃんの欠点…があったからこそ、主人公イズミがそこに共感して選び、一緒になったんだなと。自分にとっては欠点でもそれが人から見れば可愛いく愛しいところにもなるんだと。 ユキちゃんが孤独で寂しい世界から、イズミと暮らすことで世界は劇的に変わったわけではないけれど、そこでの新たな寂しさや孤独はあるけれども…だけれども知らなかった時よりはよかったと思えるところも良かった。外界との黒猫との描写も良かったし、他者との関係で「自分を知る」ところも良かった。そしてなにより…身体と心に傷を負ったイズミの彼、太陽くんが☀️もう泣けるほど良いやつで。。そういう人を選んだイズミも、本当に心根が優しくステキだと思った。24歳のイズミからみたら30歳で仕事ができる先輩はこなれているしスマート。ついついそこに惹かれそうなところを、コーヒー店で夢を追ってる太陽くんと生きていくことを選んだところ。きちんと中身で判断できる太陽くんをみてるそここそが、素晴らしいなと。それは、黒猫が片目で見た目には酷い姿なのにも関わらず外をユキちゃんがふと見た時に「美人さん!」と太陽くんがなでなでしているところから、なんて心構え優しく人を見た目でなんか判断しないところに深い人間性を感じた。思えばパンジーの花を
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森沢さんの話にしては読んでいて重く悲しく苦しいなと思いました。猫好きとしては猫が痛い思いをするのはトラウマレベルです。今思い出しても痛い痛い!と悲しくなります。終わり方としては全然悪い話ではないのですが、終始辛い思いをしながら読まなければならず、苦しかったです。
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+++ 都会でひとり暮らしをしている恋に臆病なイズミ。臆病なのは、誰にも明かしていない心と身体の傷があったから。そんな彼女をいつも見つめているボク。言葉を交わしたことはないが、イズミへの思いは誰よりも強い。もどかしい関係の「ふたり」の間に、新たな男性の存在が。果たしてイズミの凍っ...
+++ 都会でひとり暮らしをしている恋に臆病なイズミ。臆病なのは、誰にも明かしていない心と身体の傷があったから。そんな彼女をいつも見つめているボク。言葉を交わしたことはないが、イズミへの思いは誰よりも強い。もどかしい関係の「ふたり」の間に、新たな男性の存在が。果たしてイズミの凍った心を溶かす恋は始まるのか…。最高のハートウォーミング小説! +++ タイトルだけ見ると、畠中恵氏の一太郎シリーズのようだが、さにあらず。その意味は、読み始めるとほどなくわかり、きゅんとさせられる。主人公は「ユキちゃん」、舞台は「イズミ」の部屋と、出窓の四角く切り取られた外。とても狭い範囲で、登場人物もものすごく限られているのだが、果てしない広がりを感じられる。狭くて寂しくて切ないが、広々と開けてやわらかく、あかるくあたたかく、希望に満ちた一冊である。
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金魚視点でストーリーが進む斬新さが まずお気に入り。 やっぱり一人暮らしだと、 飼ってる動物や育ててる植物、 たまに抱きしめるぬいぐるみに 話しかける経験はあるだろうし、 「心があったとしたら?」 って考えたこともあるんじゃないかな。 家事をし、仕事をし、恋をする そんな飼い主...
金魚視点でストーリーが進む斬新さが まずお気に入り。 やっぱり一人暮らしだと、 飼ってる動物や育ててる植物、 たまに抱きしめるぬいぐるみに 話しかける経験はあるだろうし、 「心があったとしたら?」 って考えたこともあるんじゃないかな。 家事をし、仕事をし、恋をする そんな飼い主の生活や、 窓から見える外の世界の様子を 金魚が教えてくれる。 段々とその流れに飽きがではじめたところで 三章あたりから 「え、そっち!?!?」と驚くイベント発生(笑) そして最後は、みんな幸せなエンディング。 読み終わると 心が磨かれたような、そんな感じ。
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