聖なるズー の商品レビュー
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性や生に対する個々の考え方は十人十色で、国の文化や歴史、法律などが密接に関わっていて、ズーの知識への入り口がひらけた気がした。 でもパーソナリティを大切にすることや、お互いに愛を感じること、そして時には苦悩があることは、どんな性的指向でも何かを愛する限り変わらないことだと感じる。 マイノリティでもマジョリティでもさほど変わらない気がしてきた。 暴力性という視点は参考になった。
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動物性愛やその欲望のありかたに対しては、そういうこともあるよなあ、という感覚で、衝撃をうける、という感じはあんまりなかったけれども、性暴力被害の記憶をかかえながら、ズーにラディカルさを期待していたことを省み、パッシブ・パートのズーの主張から読みとれるペニス嫌悪、ゼータのかかげる愛...
動物性愛やその欲望のありかたに対しては、そういうこともあるよなあ、という感覚で、衝撃をうける、という感じはあんまりなかったけれども、性暴力被害の記憶をかかえながら、ズーにラディカルさを期待していたことを省み、パッシブ・パートのズーの主張から読みとれるペニス嫌悪、ゼータのかかげる愛の保守性、動物は裏切らないと信ずる心に見える逃避性、といった点にもめぐらされる著者の揺らぐ視点が、独特の味わいをもたらしていると思った。
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あまりに衝撃で あまりに異種な愛?の形に、誰かとこの本について深く話がしたい ここでの感想を見てても、 作者のいいたいことについて答えてるようなものがみつけられなかった 獣として、私はペットである愛兎を見ていない けど、ズーフィリア程には見ていない 障害者や患者の性は、同じ人間...
あまりに衝撃で あまりに異種な愛?の形に、誰かとこの本について深く話がしたい ここでの感想を見てても、 作者のいいたいことについて答えてるようなものがみつけられなかった 獣として、私はペットである愛兎を見ていない けど、ズーフィリア程には見ていない 障害者や患者の性は、同じ人間として思うこともある 動物に対して、子供視は否めない けど、生き物として当然とは思う それを制限しようとは思わない だって、彼らは逸脱しないから。 問題なのは、 ものの見方としての人間の方だと思う 同様に、 ズーフィリアを否定はしないがそこまでする必要があるのかと思う 動物も人間も気に入ったら、 心許すのは普通だろう 問題は私の体感でも思うが、 それを理解できない人がいる 誘われたから? 乗らなければいい話だと思う けど、 異種と見れないから、そうする 人それぞれだ 愛と性 それはそれぞれ 女にとっては常に受容で 男を暴力と感じる それは否めない 鶏はメスをつつきまわって血みどろにして 交尾する 、、、あれが男の本能か でも、変わらない永遠の愛を求めるのは 男も女も変わらないようだ 動物はどうか知らないけど。 ふーん、、、 動物は変わらないから? えー エゴで動物を飼うことで世間を知らせないのに 作った「変わらない」は純愛なのか? 動物はそれを求めてるのか? 、、、そこ、どうなんだろう。 色々考えると、あくまで人間社会においてがベースにある限り、本当の意味での対等ではないように思う 究極的には人間のエゴを抜けることはない 愛と性は別なんじゃないか? 色々な意味で。 けど、それいい出すとこの作品の意味がない 、、で、なんで指導教官は獣姦を提案したんだろう? 理解力なくて、すみません(_ _;) 人間の結婚制度は 制度や宗教的常識等に縛られたもので、無理があると思う 或いは人間の愛と性に無理がある?
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これまで聞いたこともなかったズーファイル=動物性愛者という世界。自身の欲望を満たすためだけの獣姦とは似て非なる、むしろ対極にあるかもしれない世界。動物にも性欲は存在し、動物を愛するが故に、性も含めて受け入れようとする世界。完全に理解できるわけではないが、それでもこれまでなら恐らく...
これまで聞いたこともなかったズーファイル=動物性愛者という世界。自身の欲望を満たすためだけの獣姦とは似て非なる、むしろ対極にあるかもしれない世界。動物にも性欲は存在し、動物を愛するが故に、性も含めて受け入れようとする世界。完全に理解できるわけではないが、それでもこれまでなら恐らく軽蔑と忌避の対象にしかならなかったであろう人たちを、頭ごなしに否定するのではなく、そういう世界もあるかもしれないと思わされた。
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すごく良い本だった。 自らの性経験から入り調査経緯を順々に綴っていくので、だらだらした書き方と感じた。が、結果として不可欠な要素になった。このような経験をした筆者だからこそ、そう感じたしそんな考察になったのだと分かる。 「獣姦って何」「どんな人たちがするの」という当たり前の疑問。そこから、「性を知らぬ子どもの立ち位置」「主人とペット」「言葉を介さぬコミュニケーション」等の周辺事情へ目を向ける。更には「人間にとっての性行為とは愛とは」と進む。 斬新な切り口で、親密な関係性の築き方選び方について、真摯に見つめた一冊だと思う。
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第40回ビブリオバトル〜明石の陣〜テーマ「きよい」で紹介された本です。オンライン開催。 チャンプ本。 2022.1.13
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とってもショッキングな内容でした!ズーフィリア(ズー)というのは、動物性愛者のこと…動物をパートナーとしてその性も含めてかけがえのない存在として愛するということ…。今まで生きてきて、そんなこと考えもしなかったんです。偏見を持っていたんですよね、私…。 ドイツには動物性愛者の...
とってもショッキングな内容でした!ズーフィリア(ズー)というのは、動物性愛者のこと…動物をパートナーとしてその性も含めてかけがえのない存在として愛するということ…。今まで生きてきて、そんなこと考えもしなかったんです。偏見を持っていたんですよね、私…。 ドイツには動物性愛者の活動団体「ゼータ」があり、この作品はその取材内容に基づくものをベースとしています。筆者は自ら受けたDV被害から、性について、愛について知りたいと思ったことがきっかけになったようです。現在は多様性が重視される社会になっていますが、それでも…なんか受け入れがたい!でも、ズーたちは、自然の成りゆきだといいます。 動物は嘘をつかないし、ありのままの自分を受け入れてくれる…確かにそう、なんだけれど…、こういう世界もあるのか…と、知ることができました。この作品の表紙、犬だったんですね…ズーが愛する対象の動物で一番多いのが大型犬、次は馬なんですって…。
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動物性愛だけではなく、人間同士における「関係性」や「愛」、パーソナリティなど、様々なことを改めて考えさせられた。 動物を無意識的に子ども視してしまっていたこと、それ故に、動物にも存在し得る性的欲求やセクシュアリティについて見事なまでに見落としてしまっていたこと。迂闊、というか、稚...
動物性愛だけではなく、人間同士における「関係性」や「愛」、パーソナリティなど、様々なことを改めて考えさせられた。 動物を無意識的に子ども視してしまっていたこと、それ故に、動物にも存在し得る性的欲求やセクシュアリティについて見事なまでに見落としてしまっていたこと。迂闊、というか、稚拙、というか。自分の想像力の足りなさを痛感した。 「動物からは言葉の合意が得られない。だから、実際に動物が人間とのセックスをどう感じているかは想像できない。ゆえに、セックスを含む如何なる動物性愛も許されない。」という言説に対して、「言葉での合意があれば性暴力ではない、なんてことはない。」という著者の返し方には唸ってしまった。確かに、言葉ではYESと言っていても、それが本心からのYESなのか、雰囲気に流されたYESなのか、そう言わざるを得ない状況下で苦し紛れに発されたYESなのかは分からない。そもそも、言葉によって全ての関係性における問題が解決されうるなら、人間社会はこんなに腐っていないだろう。だからと言って言葉を軽視している訳では断じてないけれど、コミュニケーションは言葉だけでは完結されない、ということも肝に銘じる必要がある。
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YouTubeで紹介されていたことをきっかけに図書館で借りて読みました。 今まで考えたことのなかった『動物性愛』について新しい考え方を知ることが出来たので読んで良かったと思える本でした。 朝井リョウ先生の『正欲』も読んでいたので、社会的に理解されづらい性欲があることは理解し...
YouTubeで紹介されていたことをきっかけに図書館で借りて読みました。 今まで考えたことのなかった『動物性愛』について新しい考え方を知ることが出来たので読んで良かったと思える本でした。 朝井リョウ先生の『正欲』も読んでいたので、社会的に理解されづらい性欲があることは理解していましたが動物に対する性欲というのはやはり考えづらいと感じましたが、濱野ちひろさんの取材はとても興味深かったです。 わかりやすい文章で書かれており、難しいテーマだと思っていましたがとても読みやすかったです。 今後自分の手元に置いておきたいとも思える1冊でした。
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この本で言う"ズー"とは、犬やウマなどの動物をパートナーとする動物性愛者たちのことを指す。 彼らは動物とただ単に一緒に暮らして餌を与えるというようなことではなく、性処理も含めて動物の"生"を丸ごと受け止める、動物と対等な関係を築く、というこ...
この本で言う"ズー"とは、犬やウマなどの動物をパートナーとする動物性愛者たちのことを指す。 彼らは動物とただ単に一緒に暮らして餌を与えるというようなことではなく、性処理も含めて動物の"生"を丸ごと受け止める、動物と対等な関係を築く、ということを自分たちのスタンスとしている。 昔と比べれば、さまざまなセクシュアリティを持つ人への理解が進んできた日本でも、動物性愛についてなかなか理解できない、そもそも知らないという人の方が多いのではないか。 私自身以前犬を飼っていたこともあるけれど、この本に書いてあるズーの人たちのことを理解するのはなかなか難しかった。 改めて感じたのは、セクシュアリティの問題の難しさ。著者はプロローグにて、このように書いている。 『私にはセックスがわからない。セックスとは、この世に存在するいきもののうち数多くの種にとって、それをしないと遺伝子を繋げない普遍的な行為のひとつだ。(中略) セックスにそれ以上の意味がないと言われればそこで話はおしまいなのだが、セックスが生殖に限定されるものとは到底思えない』 筆者のこの言葉にものすごく共感して、この答えが見つかるかな、と思って読み進めたけど、さらに混乱が深まった感じがしている。笑 だけどそんなの当たり前で、一冊何か読んだだけでわかるようなことでもないよなと腑に落ちている部分もあり。 読みながら戸惑うことも多かったけど、知ることで偏見は少なくなったように感じる。 簡単に理解ができる内容ではなかったものの、そこにある彼らの愛は尊重したいし、されるべきだとは強く思った。 やっぱり知る努力は大切だし、怠らずに色々なものを読んでいきたい。
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