月の落とし子 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
話はともかく、安っぽくて幼稚な登場人物の言動にはうんざりした。出来の悪いアニメとかドラマしか見ていないんじゃないかと疑うようなぺらぺらなキャラクター描写と台詞回しは最近の悪い癖なのか、ミステリー系のエンタメを湯むとこんなんばっかりなので、こういうのがスタンダードだというのならもう手を出すのは控えようと思う今日この頃。実生活に裏打ちされていないような脳内妄想だけで拵えたような不自然で気持ち悪い会話とか兄妹設定の薄気味悪さとかリアルさの欠片もうかがえない人物同士の関係性とその発展だとか、ラストに突如出てくる歌だとか(「さよならジュピター」かと思って腰を抜かした)、唐突に出てくる薄ら寒い日本賛歌だとか、表面的なポエムでベチャベチャとしたその精神性にもう吐きそうなくらいダメージを受けたよ。 とりあえずただの反応に「ん?」っていう台詞をわざわざ入れるとか「な、なんで・・」みたいなたたらを踏むような白々しい台詞を連発するとか相手の台詞の語尾を繰り返すステレオタイプで陳腐過ぎる切り返しとか、指摘するのもめんどくさい強烈に悪しき会話を書くのはやめたほうがいいと思う。まあオラが嫌いなだけなのかもしれないけれど。
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これでもかと船橋だったので満足。SF物/者として読むと若干薄目スルーがいる(しかしミステリーなの?)のと、対処の解決早っえ~という展開と、まさかの個性剥奪がありつつ、全体的にはパニック物における人間賛歌がハートフル。読了感よいです。 (恋愛は匂わせくらいでもよかったな…)(まあ私...
これでもかと船橋だったので満足。SF物/者として読むと若干薄目スルーがいる(しかしミステリーなの?)のと、対処の解決早っえ~という展開と、まさかの個性剥奪がありつつ、全体的にはパニック物における人間賛歌がハートフル。読了感よいです。 (恋愛は匂わせくらいでもよかったな…)(まあ私の好みですが、無自覚男女バディくらいが)(って思っちゃうけどどうなのかしらね…) ところで「知らん人の1冊目だから」と図書館から借りてきたのだけど、選評読んでたら「削除ボーイズ0326」て!読んだよ!ペンネーム違うから分かんなかったよ!
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これは面白かった!!!まさに一気読みでした!!! 第9回アガサ・クリスティー賞を受賞した本書。 その面白さは折り紙付きです。 本書は、最新型有人月探査船・オリオン3号内の詳細な描写から始まります。スムーズに進んでいたはずのミッションですが、急遽、暗転します。月面に降り立ったオ...
これは面白かった!!!まさに一気読みでした!!! 第9回アガサ・クリスティー賞を受賞した本書。 その面白さは折り紙付きです。 本書は、最新型有人月探査船・オリオン3号内の詳細な描写から始まります。スムーズに進んでいたはずのミッションですが、急遽、暗転します。月面に降り立ったオリオン3号の宇宙飛行士2人が突然、血を吐いて苦しみだし死んでしまうのです。緊急事態に直面し、探査船を地球に帰還させようと生き残ったクルーである日本人宇宙飛行士らが決死の帰還ミッションを繰る広げますが、さらに船内にいた他の宇宙飛行士も苦しみ出します。謎の病原菌に汚染されたその探査船は各国から着陸を拒否されますが、日本政府だけがその許可をだします。しかし、残酷な運命に翻弄され、探査船は人工衛星と激突、千葉県船橋市の高層マンションに墜落してしまいます。しかも、その探査船内にはまだ未知の高致死性ウイルスが生き残っていました・・・。 この小説は、映画『アポロ13』と映画『アウトブレイク』、そして『9.11』テロ事件を組み合わせたような話です。 特に第1部の月探査船篇での描写はその緊迫感に手に汗握ります。もう前半100ページまででハリウッド映画1本分くらいの価値がありますね。 残された宇宙飛行士達の命を懸けた努力には涙が流れそうになりました。 アガサ・クリスティー賞の各審査員達が絶賛したのも頷けます。 極論ですけど、この第1部を読む為だけでも、この本を手に取る価値があると僕は思います。 さらに宇宙での救出ミッションから第2部以降の日本での災害&未知の病原菌パニック。これだけの要素を1冊にまとめて書き上げる筆者の筆力は脱帽ものです。 第2部以降の地上篇で、現場で活躍するJAXAの若き女性職員と病原菌専門家の二人の動きにも惹き付けられます。 非常にリアルな病原菌対策の描写や災害対策での国の動きなど、その描写の迫力にも圧倒されますね。 しかも、どのキャラクターにも感情移入できる分かりやすいストーリーとこのリーダビリティー、唸ります。 いや~、面白かったです。 この物語はぜひ実写映画化してほしいけど、これほどの迫力はハリウッドじゃないと厳しいですよね。アニメだとこの迫力は半減しちゃうだろうし・・・。ぜひ、日本映画界の能力を結集して実写映画化してほしい1冊です。 本当に、ぜひ、読んでみて欲しい1冊ですね。 僕が言いたいことはこれだけです。 これほどの物語を描ける筆者。次回作にも期待したいです。
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