AI崩壊 の商品レビュー
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昨年、久々に見たいと思う邦画がありました。 それが本作「AI崩壊」です。 コロナ禍を理由に映画館に足を運ぶことをせず、現時点で映像は見ていませんが、そんな中で本書(ノベライズ)に出会ってしまいました(^^; 休日の午後、昼食も食べ終えてお昼寝でも...って思いながら手にし、どっぷりハマり一気読みでした。 著書の作品は「22年目の告白」に続き2作品目の読了となりましたが、今思えば2作品共にノベライズですね。 しっかりと楽しめたので、著書のオリジナル作品も必ず読みたい!と思い、先に書き残すことにしました。 直近で成毛眞氏の「アフターコロナの生存戦略」「2040年の未来予測」を立て続けに読み、本作で主役級に描かれるAIがいかに生活を変化させるのかといった内容を読み終えたところだった為、2030年という時代設定と共に尚更リアルに物語の世界に入り込むことが出来ました。 AIは人間を超えるのか? 不可能といわれ、仮に勝つとしてもまだ先だと思われていた対極でAIが人間に勝ち、ある意味では既に人間を超えた。 それを可能にしているのはディープラーニング以外の何ものでもないのだろう。 人間の行動をあらゆる端末やセンサーで情報として集め、ビッグデータとしてAIが止まることなく学びを続けた先に待つ未来。 楽しみでもあり、不安に思う部分も確かにある。 若い頃に夢中になったターミネーターの世界。 もはやAIが進化し続けることからは回避出来ない時代となり、近未来においては世界が一変するのは時間の問題。 本作で「のぞみ(AI)」は確かに暴走し、最後には命の選別をおこなおうとする。 しかし、それは「のぞみ」が自ら望んだことではなく、人間が恣意的にプログラムを書き換える。 ラストでは「のぞみ」が自らの生まれた意味を理解し、自ら暴走を止めるがこれが現実になるのかは誰にもわからない。 我々に待ち受ける未来がAI vs 人間 的な危機的状況にならないことを切に願います。 説明 内容紹介 命の価値を、誰が決めるーー。 2030年、日本は投薬、治療、体調管理までを担う画期的なAI「のぞみ」に社会を委ねていた。 しかしその理想的な世界が一転、何者かに暴走させられたAIはついに命の選別を始める。 止められるのは警察に追われる天才科学者、桐生浩介。 限られた時間の中で国民の命は守れるのか。小説版「AI崩壊」。 主演:大沢たかお×監督:入江悠 豪華キャストが集結。邦画史上、前代未聞の大スケール! 2020年1月31日(金)映画公開! 最大の注目作の小説版、ついに発売。 内容(「BOOK」データベースより) 二〇三〇年、日本は投薬、治療、体調管理までを担う画期的なAI「のぞみ」に社会を委ねていた。しかしその理想的な世界が一転、何者かに暴走させられたAIはついに命の選別を始める。止められるのは警察に追われる天才科学者、桐生浩介。限られた時間の中で国民の命は守れるのか。小説版「AI崩壊」。 著者について 浜口 倫太郎 1979年奈良県生まれ。2010年、『アゲイン』(文庫時『もういっぺん。』に改題)で第5回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞しデビュー。放送作家として『ビーバップ!ハイヒール』などを担当。他の著書に『22年目の告白ー私が殺人犯ですー』『廃校先生』『シンマイ!』などがある。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 浜口/倫太郎 1979年奈良県生まれ。2010年、『アゲイン』(文庫は『もういっぺん。』に改題)で第5回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞しデビュー。放送作家として『ビーバップ!ハイヒール』など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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映画ノベライズ。暴走する医療AI「のぞみ」と、それを食い止めようとする開発者・桐生浩介。警察に追われながら不可能を可能に変えていく。天才にも運は不可欠。AIの実用化に対する法制や倫理観など、様々な課題が盛り込まれていた。そして、とんでもなく頑強な防護ガラスもまた諸刃の剣。これの存...
映画ノベライズ。暴走する医療AI「のぞみ」と、それを食い止めようとする開発者・桐生浩介。警察に追われながら不可能を可能に変えていく。天才にも運は不可欠。AIの実用化に対する法制や倫理観など、様々な課題が盛り込まれていた。そして、とんでもなく頑強な防護ガラスもまた諸刃の剣。これの存在で緊迫感が高まっている。この作品はAIの社会問題を扱いつつも、家族愛・人間愛の話であるように思え、不覚にも泣けた。
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映画『AI崩壊』は2030年の日本を舞台としたSF作品。画期的なAI「のぞみ」が治療や自動車の自動運転を担っていた。ところが、そのAIが突然暴走し、命の選別を進めようとする。浜口倫太郎『AI崩壊』(講談社文庫、2019年)は映画の小説版。 国家インフラになった「のぞみ」であるが、...
映画『AI崩壊』は2030年の日本を舞台としたSF作品。画期的なAI「のぞみ」が治療や自動車の自動運転を担っていた。ところが、そのAIが突然暴走し、命の選別を進めようとする。浜口倫太郎『AI崩壊』(講談社文庫、2019年)は映画の小説版。 国家インフラになった「のぞみ」であるが、開発の動機は家族を救いたいというものであった。往々にして画期的な発明は、このようなものだろう。世の中全体を良くしようというよりも個人的な想いの方が強い。 『AI崩壊』はAIの負の面を描く作品であるが、根本的な問題は一つのAIエンジンに集中管理させたことである。AIの怖さというよりも全体主義の管理国家の怖さである。命の選別にしてもAIの考えではなく、特定の人間の考えである。しかも命の選別で目指すことが経済大国もう一度という昭和の発想である。 AIという新しいものが恐ろしい訳ではない。個人を切り捨てて社会全体の発展を目指そうとする発想が恐ろしい。権力を持つ人間がそれを進めようとすることが危険である。特別な一人が思いついたことというよりも、官僚組織が考えそうなことである。 『AI崩壊』のAI暴走は民間企業経営者が警察官に協力したことが失敗であった。法的根拠なく警察に協力することは危険である。その警察官への協力を他の従業員に説明せず、秘密裏に進めたことが真相解明を遅らせた。警察官にオープンにできない事情があるから秘密に進めようとする。 最後の対決でも警察組織は真相を明らかにした人々を全員抹殺して乗り切ろうとした。モラルを無視して権限のみを暴力的に発動する警察の組織体質を描いている。起きた事件は揉み消せば済むという態度は警察不祥事で繰り返されている。それを打破したものが録画中継であった。徹底した情報公開が警察組織に必要である。 小説版は警察官の人相の悪さを表現している。「大会議室に入ると、中は捜査員で埋まっていた。東京中から人相が悪くて、力自慢の人間を集めたような感じだ」(137頁)。「面構えを見ればどういう人間かわかる。尊大で感情的な性格だろう」(141頁)。 警察は大失態である。「市民の信用を取り戻そうと、警察は躍起になっている。おかげで市民に敬語を使う警察官が増えたらしい」(291頁)。このような事態にならなければ敬語も仕えないことが現実の警察のレベルを示している。やり方も言葉遣いも品がない。よほど採用基準が甘いのか。
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「頭の中のかき殼」という言葉が残った。経験に囚われると革新的な発想を阻害される。 タイトルがピンとこない。AIは崩壊していない。AIに頼り切って判断力をなくしてしまっている我々に対する警鐘だと受け止める。画像や生体データを送り込んで確かに「逃げ場」がなくなっている。身の回りの情報をすべて預けてしまうことの危うさを再認識すると共に、自分で判断すべきことを常に意識しておくべきと思った。
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超AIvs人間の対決をともなうサスペンス。犯人に仕立て上げられた主人公達の逃亡と真の探しの展開にハラハラしながら途中からはストーリーが読めてしまった。 人間が考える正義や尊厳など、対AIやロボットという時に何が重要かというテーマを問うもので、いま正に社会問題にとりあげられるべき話...
超AIvs人間の対決をともなうサスペンス。犯人に仕立て上げられた主人公達の逃亡と真の探しの展開にハラハラしながら途中からはストーリーが読めてしまった。 人間が考える正義や尊厳など、対AIやロボットという時に何が重要かというテーマを問うもので、いま正に社会問題にとりあげられるべき話題としては面白い1冊でした。
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そんなに期待せずに読んでみましたが、面白かった!やっぱり浜口氏。「22年目の告白」読んだときもそうでしたが、どんどん読み進めてしまうんですよね。 AIが医療を司るとは、これからの世の中であり得る話なだけに、リアルな感じでした! 誰が犯人か?誰もが怪しいと感じさせる話の流れが凄い!...
そんなに期待せずに読んでみましたが、面白かった!やっぱり浜口氏。「22年目の告白」読んだときもそうでしたが、どんどん読み進めてしまうんですよね。 AIが医療を司るとは、これからの世の中であり得る話なだけに、リアルな感じでした! 誰が犯人か?誰もが怪しいと感じさせる話の流れが凄い! AIなんだけど人間味ある結末が少しホッとできてよかったです。ぜひ映画も見てみたいです!
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医療、警察、福祉、等、人間が行うあらゆる仕事をAIが行う時代がくるのであろうか。 もし、そのような時代がくるのであれば、人々の生活はどうなってしまうのか。 日本の10年後の姿を想像させる作品であり、生活の利便性と人間の倫理観に対して、これからの日本社会に警鐘を鳴らしているように感...
医療、警察、福祉、等、人間が行うあらゆる仕事をAIが行う時代がくるのであろうか。 もし、そのような時代がくるのであれば、人々の生活はどうなってしまうのか。 日本の10年後の姿を想像させる作品であり、生活の利便性と人間の倫理観に対して、これからの日本社会に警鐘を鳴らしているように感じた。
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久しぶりに素敵な本に巡り会えたと思う。 作者の書き方がよみやすく、ファンになりました! これからの作品も期待
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AIという機械は人々の暮らしを支えると同時に事故(ハッキング等)が起こりやすく、人々の暮らしを壊す事もあると知った。又、近い将来こういった機械がふえていくとおもう。だから、使い方に気をつけなければならないと思った。
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最初からその人としか思えない人が、結局最後の真犯人だったから、ひねりがなかった…。 AIに関する技術的な話題ももう少し出るかと思ったけど、全くなかったので、その点は期待外れだった。 さくさく読めて読みやすかった。
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