ファーストクラッシュ の商品レビュー
山田詠美はいつも男と女がプリミティブに違うことに気づかせてくれる。幼くても男は男で女は女ということを教えてくれる。男女同権と声高に叫ぶ時流とは別次元の世界。今まで身につけてきた価値観やいつの間にか貼り付けていた仮面を打ち壊し、その下にあるもっと本能的な部分をさらけ出されるような彼...
山田詠美はいつも男と女がプリミティブに違うことに気づかせてくれる。幼くても男は男で女は女ということを教えてくれる。男女同権と声高に叫ぶ時流とは別次元の世界。今まで身につけてきた価値観やいつの間にか貼り付けていた仮面を打ち壊し、その下にあるもっと本能的な部分をさらけ出されるような彼女達の初恋。確かに初恋は甘美なだけではなく、いろんなものを奪ったり壊したりする一面があるのかも。高見澤家の女性達とそこに引き取られた少年リキとのそれぞれの時間はどこか官能的で、秘め事をそっと覗いているような楽しさがあった
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足のあちこちの皮膚が引っ張られる本 履き慣れていないヒールにしがみつき、ズタボロになる様に見え透いた嘘をつき続けている。 男との関係が軋むとことばの大切さを思い出す。 言葉にならなかったものは、言葉によって思い出される。幾度となく思い出させられる場面。丁寧に見繕い連ねた言葉は...
足のあちこちの皮膚が引っ張られる本 履き慣れていないヒールにしがみつき、ズタボロになる様に見え透いた嘘をつき続けている。 男との関係が軋むとことばの大切さを思い出す。 言葉にならなかったものは、言葉によって思い出される。幾度となく思い出させられる場面。丁寧に見繕い連ねた言葉は、彼の中で散り散りになった布巾のごとく扱われた。投げ帰ってくる言葉が、私たちの関係にとどめをさした。 人の心を痛めつけると、自分の心も痛めつけられて当然のものに成り下がる。冷たい言葉を選び人に送る。悲しみは、人の感情の動きの中で1番簡単に見ることが出来る。傷つけない様にしても見えないところで人は傷つくから、傷つける自覚を持って痛めつけてしまうのか。小学生が好きな子の事をイジメるかの様に、否定的で突っかかりのある言葉を選ぶ私がいる。 名前を呼ばれるだけで身体中がスポンジの様に柔らかくなって、温かい水が染み込んでいく。そんな人達を私は見てきた。そうなりたい。私の中で固く結ばれた感情が解け、受け入れる。まだ出会えてないだけ、そう思いたい。 人を憐れむことができるって自分の幸せの証明。 形が崩れるほど履き潰す。 私が先に折れるか、ヒールが折れるか。
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読みやすさ★★★★★ 学べる★ 紹介したい★★★ 一気読み★★★★ 読み返したい★★★ さすが山田詠美、中二病の心理描写がエグい。 思春期独特のヒロイニズムや過度な自意識が少なからず理解できてしまい、刺さる。 派手なストーリー展開は無いのに、先が気になり一気読み。 エンディング...
読みやすさ★★★★★ 学べる★ 紹介したい★★★ 一気読み★★★★ 読み返したい★★★ さすが山田詠美、中二病の心理描写がエグい。 思春期独特のヒロイニズムや過度な自意識が少なからず理解できてしまい、刺さる。 派手なストーリー展開は無いのに、先が気になり一気読み。 エンディングは、まぁ意外だったかな。 女ばかりの裕福な家庭に突如やって来た天涯孤独な男の子、「可哀想なリキ」。 花園のような家に紛れ込んだ異物。 リキは高慢な女たちの興味とマウンティングに晒されるが、その実、リキに絡めば絡むほど、女たちは自分達の「幸せな家族」像が虚ろであることに気付く。 リキを関西弁に設定した辺り、絶妙。 切り込み方(論破?)が『僕は勉強ができない』の秀美君を彷彿とさせる。小気味が良い。 見栄、嫉妬、甘え、憐れみ、嫌がらせ。 登場人物は人のいやらしい側面を見せてばかりだが、その、けれども憎めない人間臭さが山田詠美作品の特徴だ。 愛しい、困った人たち。と言ったところか。
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出版区を見て気になって 初、山田詠美。 最初こそのーーーんびりな進行に これは飽きるかも~と思ったものの 3人の視点で初恋への心の移り変わりが 丁寧に描かれていて2-3部は 一気に読んでしまった、 繊細で柔らかくて丁寧で泣けた、 印象に残ったのは姉麗子の 「結婚は相手のために...
出版区を見て気になって 初、山田詠美。 最初こそのーーーんびりな進行に これは飽きるかも~と思ったものの 3人の視点で初恋への心の移り変わりが 丁寧に描かれていて2-3部は 一気に読んでしまった、 繊細で柔らかくて丁寧で泣けた、 印象に残ったのは姉麗子の 「結婚は相手のために自分の心を砕けるか」 しかし力、なんていい男なんだ… 他の本も読んでみたい!
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母を亡くし高見澤家に引き取られた一人の少年。彼を巡る高見澤家三姉妹のファーストクラッシュ(初恋)。幼さゆえに恋だと気づかずにから回ったり、変な理屈で自分自身を納得させたりイライラすることもあったけれど最後は良かった。
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こんな終わり方になるとは全く思わず読んでいた。実際に相手をするのはうんざりだが、裕福な家の面倒くさいお嬢さまの話しは好み。どろどろにならなかったのも良い。お医者さまのお嬢さまだった私の知り合いの薫子さんも結婚は遅かったが、これもまたもともと私の知り合いだった奥さま思いの旦那さまと...
こんな終わり方になるとは全く思わず読んでいた。実際に相手をするのはうんざりだが、裕福な家の面倒くさいお嬢さまの話しは好み。どろどろにならなかったのも良い。お医者さまのお嬢さまだった私の知り合いの薫子さんも結婚は遅かったが、これもまたもともと私の知り合いだった奥さま思いの旦那さまと仲良く暮らしています。読み終わっていまとても心が暖かです。
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読み終わったら、鳥肌がたちました。 同情というスパイスで思春期の女を惑わせずとも惑わされてしまう力の魅力とは。
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初恋の事をファーストクラッシュとは言い得て妙。 初恋は実らないと言うから、それを思えば粉々をイメージするクラッシュとぴったりマッチする。 インパクトのある装丁、一筋縄では行かないだろうと覚悟と期待を持ちながら読みだすと良い意味での軽やかさを感じる。 裕福な高見澤家で暮らす事...
初恋の事をファーストクラッシュとは言い得て妙。 初恋は実らないと言うから、それを思えば粉々をイメージするクラッシュとぴったりマッチする。 インパクトのある装丁、一筋縄では行かないだろうと覚悟と期待を持ちながら読みだすと良い意味での軽やかさを感じる。 裕福な高見澤家で暮らす事になった少年・力(リキ)とその少年に心を奪われる三姉妹のエピソードが三部構成で綴られているが二部の麗子の章では何度も笑いをかみ殺した。 初恋は幼いゆえに真剣で時に滑稽で純粋さを持っている。 力に翻弄される女性達を描いたちょっとひねくれた恋愛小説。
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裕福な高見澤家に、母親を亡くしたみなしごの少年が引き取られてきた。 高見澤家の三姉妹は、それぞれに関心をもち、彼と関わっていく。 初恋をファーストクラッシュというのは初めて知ったけど、確かにファーストラブよりもそう呼ぶのに相応しい初恋は世の中にたくさんありそうだなと思った。 ま...
裕福な高見澤家に、母親を亡くしたみなしごの少年が引き取られてきた。 高見澤家の三姉妹は、それぞれに関心をもち、彼と関わっていく。 初恋をファーストクラッシュというのは初めて知ったけど、確かにファーストラブよりもそう呼ぶのに相応しい初恋は世の中にたくさんありそうだなと思った。 まだたいして物を知らないけれど、その狭い世界をそうとは知らず必死に生き、輝いているキャラクターたちがなんとも良かった。 それにしても、この父の罪作りなこと。
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長女麗子、次女咲也、三女薫子の三姉妹の暮らす裕福な高見澤家に、父の愛人の連れ子である新堂力(リキ)が同居することになる。三姉妹はリキを見下し叩き壊したいと思いながらも惹かれてゆき、逆に粉々にクラッシュされる。更にリキは愛人の子を憎む母親の心までも溶かしてしまう。 突然、母がい...
長女麗子、次女咲也、三女薫子の三姉妹の暮らす裕福な高見澤家に、父の愛人の連れ子である新堂力(リキ)が同居することになる。三姉妹はリキを見下し叩き壊したいと思いながらも惹かれてゆき、逆に粉々にクラッシュされる。更にリキは愛人の子を憎む母親の心までも溶かしてしまう。 突然、母がいきり立ったように叫んだ。 「あなた、最初から大人だったわ。いっぱしにみんなの心をざわつかせて、ほんとに 嫌な大人子供! おばさん可哀相とか言って、私、忘れないわよ」「何よ何よ、みじめな子と思って同情してやってたらいい気になって......」 昔の怒りを自ら蒸し返して腹を立てている母は、とてつもなく憐れに見えた。
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