運命のコイン(下) の商品レビュー
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もう、面白かった以外の言葉が見つからない。 多分息をするのも忘れて読んでいたと思う。 母と二人ロシアから亡命したアレクサンドル・カルペンコ。 行先はコインで決める。 表ならアメリカ、裏ならイギリス。 あり得たであろう両方のアレクサンドルの人生が交互に語られる。 アメリカではアレックスとしての、イギリスではサーシャとしての人生。 上巻を読んでいて、アレックスはちょっと危ういなあと思っていたんだよね。 母から大学で勉強するよう言われても、金儲けの方が圧倒的に好き。 自分で考えた儲けのシステムで母に楽をさせたけれど、自身はベトナム戦争へ。 ちょっと環境に流され過ぎでは?と思ったのだ。 対してサーシャは堅実に学問を修め、母の店を手伝い、初恋の彼女と結婚と、手堅く順調に生きていく。 下巻に入ってから、アレックスは破綻直前の銀行の経営を任されることになる。 ここにきてようやくアレックスは学問に目覚めたわけなのだけど、もともと頭はよかったし、敵役に比べて周りのスタッフにも恵まれて、業績はぐんぐん上向いてきた。 そして唐突にロシアの企業を買い上げることになり、最終的にロシアに民主主義を定着させるために「大統領に俺はなる!」ということに。 サーシャもまた、地方議員から国会議員へ。 外務省の副大臣からさらに…というところでロシアに民主主義を定着させるために「大統領に俺はなる!」と。 同じコインの裏表の人生だったはずが、いつの間にか同じ方向を向き始め、ニアミスまで。 サーシャは、アレックスの妻の上司にアレックスと間違われ、アレックスは、サーシャの妻にサーシャと間違われる。 同時に存在していたのか! 最後は操られるように二人はロシアを目指し…。 突然びっくりするくらい現実の、ちょっとだけ過去の時代と今がつながった。 えええ!?そんな~!!!
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現実世界にイフは存在しないが、小説の世界では可能となる。 本書は、ソ連から密出国した母子の目的地が違っていたら、という仮定で2つのパラレルワールドが展開される趣向。 下巻の面白さから言えば、アメリカを舞台にしたアレックスの話は☆4つ、イギリス編のサーシャは☆3つかな。 そして小説でのショッキングな結末は、現実には存在しない同一人物の1人を抹殺することで、現実との整合性をとったということなのか。 また、アレックスのいるアメリカ編で、(イギリス編の)サーシャに間違われる(同一人物なのだが)場面(逆パターンもあり)もいくつかあり、ジェフリー・アーチャーの茶目っ気ぶりも発揮されています。 会話と着想の面白さをかって、下巻は☆4つといたします。 さて、本書も戸田裕之ワールドは健在です。 例えば、 ♠「こういう状況でお目にかかるのは残念です、ミスター・カルペンコ」「悲劇的で不必要な状況です」(P115) 原文は《unnecessary》だと思われるが【不必要】ではなく【無益】と訳すべき。 ♣「暗い側面にはどんなものがあるのかな?」(P292) 原文では《dark side》が使われたと思われるが、【暗い側面】ではなく【負の側面】と訳すべき。 ◆「サブニコフは公式の肩書は外交アタッシェだった」(P379)は、誤訳ではないものの、アタッシェ(外交使節団のサポート役)位の説明文を追加すべきです。 いちいち原文に当たっていないので推測の域を出ませんが、上記以外にもハテナと思える箇所が散見されました。訳者の戸田裕之氏は、もしかして日本語が不得意なのかな?
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零戦下のソ連で父親がKGBに殺され、残された天才少年と料理人の母親が貨物に紛れてソ連からの亡命を決意。 米国か英国行きの船に乗るかをコインで決めるのだが、それぞれの国で成功していく未来が並行して描かれる超大作。 最後のシーンに謎が残るので、誰かと推理を話し合いたくなる…
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相変わらずアメリカとイギリスのカットバックが続く構成で、パラレルワールド的なクロスオーバーをチラつかせながらのこのオチ。 このオチにしたかったからこの構成なのだろうけれど 二人の主人公を行ったり来たりのせいで彼らの喜怒哀楽が、スーッとなぞった程度の薄味に終始したのは否めない。 ...
相変わらずアメリカとイギリスのカットバックが続く構成で、パラレルワールド的なクロスオーバーをチラつかせながらのこのオチ。 このオチにしたかったからこの構成なのだろうけれど 二人の主人公を行ったり来たりのせいで彼らの喜怒哀楽が、スーッとなぞった程度の薄味に終始したのは否めない。 上下巻の長編にするより、100ページくらいの中編にした方が合ったのではないか?という、全体的に軽味な印象を持った。 作者の過去作の登場人物と同名(別人物)がいたり 過去作で見たような展開(主人公の名前夫婦の出会いのきっかけ)があったり、意図してかどうかは定かでないが集大成的な側面もある。 モチーフとして「人は運命からは逃れられない」があるのだろうけれど…後味は少々苦い。エンターテインメントとしては少し不満。
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前半はとっても面白くて引き込まれたんだけどなあ…もっとロシアに追われたりする苦難を乗り越えるのかと思ってた。やや強引な結末に感じた。
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異なる二つの人生が、終盤にきて交錯しそうになる展開は非常にスリリングで、どんな結末になるのかと期待が高まっていったが、ちょっとこれは微妙。まさかではあるものの、これはほぼ序盤で頭に浮かんだし、それよりなにより、数十年に渡る人生を描いた長編のオチとしてはいかがなものかと。下巻は多少の中弛みも。
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第二次世界大戦後から現代までの亡命ロシア人のサーガ。 前半でバリントン海運とか出てきて、「クリフトン年代記」の世界観を踏襲しているのか?と思っていましたが、あとがきで納得しました。 「クリフトン年代記」のハリーの作品にこの作品名が出ているということで、この作品はアーチャーの作品ですがハリー・クリフトンの作品でもあるという構造になっているようです。 物語としてはアーチャー得意の手法で、アメリカとイギリスに亡命した二つの主人公の視点で交互に描くもので、一気読みしやすい波乱万丈な展開となっていますが、この主人公の設定がキモということになると思います。 ラストは少々混乱してしまいましたが、いつものような安定感のある作品でした。 それにしても著者は独裁とロシアとプーチンが嫌いなことが良くわかりました。
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もし、人生が二つあればという設定の作品の後編。イギリスとアメリカでそれぞれ成功を収めるサーシャとアレックスだが、その運命は一つの方向に導かれていく。グイグイ読ませる筆力はさすがだが、オチが正直モヤモヤさせられる。
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01月-19。3.0点。 順調に成長していく主人公、母親のピザ屋も順調。祖国ロシアに戻るのか。。 結末があっさり。しかも、そう来るのか。 個人的には残念だった。
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