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運命のコイン(上) の商品レビュー

3.8

16件のお客様レビュー

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2026/01/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

大学進学を控えたソ連の青年アレクサンドルは、職場に組合を作ろうとした父が当局に殺されたため、母親のエレーナと共に亡命することにした。 亡命先はコインが決める。 表が出たらアメリカで、裏が出たらイギリス。 さて、彼らの運命はどちらに…。 冷戦時代を舞台に、自由の国に逃れた青年がどう生きていくのか。 サッカーの試合のチケットが欲しいというだけの理由でアレクサンドルの父親を密告したのは、アレクサンドルの友人ウラジーミル。 当初は『モンテ・クリスト伯』のような復習ものかと思ったのだけど、どうも違うようだ。 イギリスに亡命した場合とアメリカに亡命した場合、両方の運命が交互に語られる。 イギリスではサーシャ、アメリカではアレックスと呼ばれているので、ややこしくはあるが混乱はしない。 イギリスに亡命したサーシャは、密航船のレストランで母と共に働き、乗客であるレストランのオーナーが亡命後の保証人になってくれ、家とエレーナの職場を提供される。 サーシャは学問を第一にしながらも、親友や恋人に恵まれ、ケンブリッジ大学を卒業したら政治家になろうとするところまで。 アメリカに亡命したアレックスは、密航船のコックに全財産を処分され、エレーナともども体一つで亡命することになる。 船からの脱出を手助けしてくれた乗客は、しばらくの間、間借りさせてくれ、エレーナの仕事を探してくれた。 アレックスは学校に通い、母の強い要望で大学を目指すが、それよりも商売をして金儲けをする方に魅力を感じている。 なんとか大学に進学したものの、徴兵されベトナムへ送り込まれた。 帰還すると、商売は破産寸前、恋人は別人と結婚し、再起を期した途端に詐欺に遭い…というところまで。 どちらも波瀾万丈で、続きが気になってしょうがない。 コインの裏表のアレクサンドルの運命がどうなるのか。 どちらかが成功でどちらかが失敗ということにはならないような気が、今のところしている。 どちらを選んでもハッピーエンドか、どちらにしてもバッドエンドか。 どちらにもちょろちょろと見え隠れするソ連の影がちょっと怖い。 敵と思える人はたいてい敵のままだが、味方と思える人が裏切らない保証はないので、ずーっと気が張り詰めたままの読書だった。

Posted byブクログ

2025/06/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

前著「クリフトン年代記(永遠に残るは下巻)」で登場人物を使ってちゃっかり本書の宣伝をしていた作者。 本作は、ソ連の圧政から逃れるべく貿易船の荷物に隠れて密出国する母子の物語。彼らの目的地には、2つの選択肢があった。アメリカ行きか、イギリス行きか。 運命はコイントスに委ねられた。 そして、米英それぞれで暮らす母子という2パターンが同時並行で交互に進行するという一粒で二度美味しい内容。ストーリー的には、料理上手な母親と正直で頭のいい息子が異国の地でいかにして自分たちの運命を切り拓くのかという趣向。米国編ではアレックス、英国編ではサーシャという息子の名前(どちらもアレクサンダーのニックネーム)で区別しているが、第二部までは何とか読み進められたものの、混乱するので第三部からは別々に読み進めて断然わかりやすくなったのでこれから読む人にはおすすめの読み方かも。 日本語訳は、「クリフトン年代記」に続き爪痕残したがり屋の戸田裕之氏。今回も期待に違わない仕事ぶりです。 「英語で書かれたディケンズにもフランス語で書かれたデュマにも、もう疲れ切っていて、最近ではヘミングウェイに目が向いていた」(P326) 原文はおそらく《tired》が使われていたと思われるが、「疲れる」以外に「飽きる、うんざりする」という意味もあるのをご存知ないらしい、知らんけど。

Posted byブクログ

2023/10/28

ソ連を脱した青年と母が移民先の国で、聡明さと高潔さと料理の腕前で居場所を築き駆け上がっていくストーリー 安定の、まさしく安定のジェフリー・アーチャー節 良い意味での「いつものヤツ」 相変わらずページを繰る手が止まらないリーダビリティ 下巻も楽しみ

Posted byブクログ

2022/06/08

場面が変わったあと、最初一瞬困惑したけど、なるほど!こう言うコンセプト(どちらの選択肢についても物語が同時進行で進む)なのか!と理解してからは、一層ぐんと引き込まれた。虐げられた少年が、さまざまな人に助けられ、裏切られ、過酷な経験をしつつも前向きに生きる様が生き生きと描かれている...

場面が変わったあと、最初一瞬困惑したけど、なるほど!こう言うコンセプト(どちらの選択肢についても物語が同時進行で進む)なのか!と理解してからは、一層ぐんと引き込まれた。虐げられた少年が、さまざまな人に助けられ、裏切られ、過酷な経験をしつつも前向きに生きる様が生き生きと描かれている。それぞれの物語がどう帰結するのか、下巻も楽しみ

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2022/04/17

人生の大きな分岐点を境にして、実際の人生と、別の選択をした場合のもう一つの人生を平行して進めていく手法は、たまに混乱するものの、かなり面白い。 ソ連を脱出して、新天地で類稀な才能で駆け上がっていく母子の、波乱に満ちたサクセスストーリーも軽快でスイスイ読み進められる。

Posted byブクログ

2021/12/02

『クリフトン年代記』の主人公ハリー・クリフトンの著書は、ウィリアム・ウォーウィックシリーズである。 しかし、他の著作もあるのだ。 家族の前で、作家はその構想を述べている。 『「舞台はソヴィエト連邦の衛星国の一つ、恐らく、ウクライナになると思う。第一章はキエフの郊外で始まる。そこ...

『クリフトン年代記』の主人公ハリー・クリフトンの著書は、ウィリアム・ウォーウィックシリーズである。 しかし、他の著作もあるのだ。 家族の前で、作家はその構想を述べている。 『「舞台はソヴィエト連邦の衛星国の一つ、恐らく、ウクライナになると思う。第一章はキエフの郊外で始まる。そこである家族――父親と母親と子供一人だ――が一緒に夕食をとっている」』(『永遠に残るは』下38頁) 1962年、ソヴィエト連邦の都市、レニングラードに物語ははじまる。 ハリー・クリフトン先生は、推敲の末、舞台をウクライナからソヴィエトに移したとみえる。 他の構想はあまり変わっていない。 アレクサンドル・カルペンコは、今、進路について思案している。 モスクワ外国語大学で学ぶか、国立大学で数学を専攻するか、決定するのは自身でも家族でもなく、教師なのだが―― その先の将来については、友人に話していた。 『「ロシア初の民主的に選ばれた大統領になる」』 (上 10頁) 彼の父コンスタンチン・カルペンコは、港湾労働者の監督官である。 仕事熱心で、人望があり、地位にふさわしい人物ではあるが、共産党に入党することを拒否している。 『「相応の代価を支払うことになるからな。それが嫌なんだ」』(上 18頁) どれほど慕われている人物であっても、裏切者はどこにでもいる。 共産党に加入していない人物など、彼らの格好の狙い目だ。 よって、コンスタンチンの身に不幸がおきる。 彼の家族――妻のエレーナ、息子アレクサンドルの未来には、とたんに暗雲が立ちこめた。 このままソヴィエトにいたのでは、まともに生きていけない! 母と息子は、ソヴィエトから逃れる決意を固めた。  かくして、母と息子は、西側世界にやってくる。 通りの店には服が、菓子が、装飾品が、たくさん並べられ、家には、個人宅なのに、なんと冷蔵庫がある! 我々にはなじみの社会が、彼らには驚きと戸惑いの連続だ。 母子は、不慣れな社会の中、懸命に生きていく。 さて、ハリー・クリフトン先生は、自身の母親をよほど尊敬していたらしい。 『瞠目すべき女性』(下 105頁) 自身の母メイジーを表すものと同じ言葉をエレーナにも与えて、その立場を疎かにしない。 母親だけではない。 『クリフトン年代記』を読んだ読者には、幾度もの既視感をおぼえる。 主人公は、才覚を生かして地位を高めていくのだが、これは『クリフトン年代記』のあの人? あの場面? あの流れ?  「を、思わせる」ものがたくさん見つかるのだ。 どんなに『クリフトン年代記』を薦められても、いや全14巻はちょっと長いしおっくうだしという方には、いっそ、ダイジェスト版のようなこの上下巻がお薦めかなあと、読みながら、私は思っていた。 中盤までは。 終盤、おもむきが変わる。 おや? と思ったら、 あれ? ときて、 うわああ! なのだ。 これは『クリフトン年代記』とは、違う。 『運命のコイン』において、さて、なにが起こるのか。 『クリフトン年代記』を読んだ方も、未読の方も、その目でたしかめていただきたい。

Posted byブクログ

2021/03/21

圧政下のソ連を捨て海外に渡るアレクサンドルと母エレーナ。その行き先はアメリカか、イギリスか。人生が二度あったら、というパラレルワールド的な展開が斬新だ。 いかにもジェフリーアーチャーらしい、貧しい移民の子が成功の階段を駆け上がっていく様が読んでいてワクワクさせられる。

Posted byブクログ

2021/01/25

01月-18。3.5点。 ソ連に生まれた青年。父親は労働組合を結成しようとし、殺害される。母親とソ連脱出を企て。。。 面白い仕掛けの小説。リーダビリティはさすが。どんどん読ませられる。 下巻に期待。

Posted byブクログ

2020/07/11

レニングラードで生まれたアレックスは父親をkGBにさつがいされ、ロシアを脱出する。行き先はイギリスとアメリカ。最終的にどう行き着くのか、目が離せない。

Posted byブクログ

2020/07/08

アレックスとサーシャが出てくるわけですが、パラレルワールドっておもってよいんでしょうか? もっと素直に読める話にしてもらえた方が良かったんですが・・・。 でも、話は面白いです。流石、ジェフリー・アーチャー

Posted byブクログ