夜行 の商品レビュー
いのちを失ったものと生き残ったもの、被害を受けたものと免れたもの、死亡届を出したものと出せないままでいるもの、希望を失ったものと希望を残せているもの。 東日本大震災や自然災害による『境界線』 は、何なのか、余韻を残す作品。 解説が葉真中顕なのも頷ける。
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メモ→ https://x.com/nobushiromasaki/status/1852868044101755363?s=46&t=z75bb9jRqQkzTbvnO6hSdw
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境界のはっきりしないものや闇や陰影に潜む美しさが素敵な作品でした。昔、「世にも奇妙な物語」が好きだったんですが、あれを見ている時に似たような感覚になりました。ただ、映像だとリアルの人間が演じるが故に、世界観が台無しになってしまうこともありますが、小説なら完全なものとして夢想できる...
境界のはっきりしないものや闇や陰影に潜む美しさが素敵な作品でした。昔、「世にも奇妙な物語」が好きだったんですが、あれを見ている時に似たような感覚になりました。ただ、映像だとリアルの人間が演じるが故に、世界観が台無しになってしまうこともありますが、小説なら完全なものとして夢想できる点で、やっぱり小説は素晴らしいって思いました。 谷崎潤一郎は「陰翳礼讃」で、日本人は闇に潜む美しさを好むというような話をしてましたが、まさにそれを体現するかのようなお話でした。日本各地の自然と古めかしい家屋、夜闇の中で微かに照らされる田園風景のような、多くの日本人が懐かしい気持ちになるような情景が無限に続きます。 タイトルの夜行から想起されるように、夜行列車と百鬼夜行を掛け合わせた話になります。自覚しないうちに、1人他の世界に迷い込んでしまったような寂寥感が常に漂っています。 解釈が難しかった、みたいな感想を見かけたのですが、自分も世界観の設定は8割くらいしか理解できてないと思います。ただこの手の作品は、その曖昧さ夢を見ているような感覚にさせてくれて良いのかなと思いました。なので、読み返したとしても曖昧なままであって欲しいと思ったりしました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
失踪した長谷川さんと近しい間柄だった5人の男女が岸田道生の銅版画「夜行」を巡って起きた不思議な旅の記憶を語る作品。 一言で言えば解釈が難しい本だった。 失踪から10年後に鞍馬にて再度集まり、自らの不思議な体験を独白していくというものだが、その内容がかなり抽象的で話の大枠しか掴めない感じがしてもどかしい。 結論だけ言って仕舞えば、「夜行」と「曙光」は対の関係にあり、夜行の世界では長谷川さん、曙光の世界では大橋くんが失踪するパラレルワールドになっているわけだが、この一言では表現できないモヤモヤ感がこの作品にはあってそこに奥行きがあって面白い。
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読解力を要する作品。 私には世界観とか前提とかがよく理解出来ず 結局なにがどうなってるのか 意味が分からなくて読みきれず中断。
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怖いとは聞いてたけれど、ほんとに思ったより怖くて笑、震えながら読んだ。夜読めないレベル。 森見さんなのに森見さんの独特なあの文体ではなくて新鮮で面白かった。 先が気になるからドキドキしながらバーッと読めて、読みやすい本だったなと感じた。
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書庫らでん 人が面白いって言っている本は手にして読んでみる 自分だけでは選ばない本を読んでみることって自分の世界を広げてくれます この作者の有名作品は読んだことあるし アニメになった作品も読んだことあるけど 作者からではなく、勧められたものからやってきた一冊 今いる場所は今いる...
書庫らでん 人が面白いって言っている本は手にして読んでみる 自分だけでは選ばない本を読んでみることって自分の世界を広げてくれます この作者の有名作品は読んだことあるし アニメになった作品も読んだことあるけど 作者からではなく、勧められたものからやってきた一冊 今いる場所は今いる世界はどこなのか何なのか 今の自分の場所を支えてくれているのは その世界に 「夜」と名づけ「朝」と名づけ 表と裏とは言わないし、もしかしたらもっと色々な世界が並行して存在し続ける 人の数だけ世界があり 私の世界とあなたの世界は揺れていて 不安定なものを重ね合わせて コミュニケーションしながら新しい世界を描いていく 少しだけ交わるタイミングを愛しく思って ないものをねだるのではなく そこに至った時間を支えあう
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森見登美彦さんの作品を数冊読んだだけの自分は、この人はコメディー作家なのだとばかり思っていましたが、いやはや仰天。ミステリーと言うべきかホラーと言うべきか、なんともとんでもないボールを放ってきました。 謎の失踪事件以来10年ぶりに鞍馬へ集まった登場人物たちが、同一作家の銅版画に...
森見登美彦さんの作品を数冊読んだだけの自分は、この人はコメディー作家なのだとばかり思っていましたが、いやはや仰天。ミステリーと言うべきかホラーと言うべきか、なんともとんでもないボールを放ってきました。 謎の失踪事件以来10年ぶりに鞍馬へ集まった登場人物たちが、同一作家の銅版画にまつわる体験談を代わる代わる語っていくのですが、そのどれもが奇妙で、薄気味悪く、もやっと感が残る後味の悪い話となっています。本人たちは何でも無い出来事のように振り返っているのですが、「とくに何ということもない平凡な旅の思い出」?いやいやそれ十分怪談だから!なんなら刑事事件だから!何みんなしてフツーに振る舞っているのか。そこが一番気味悪く、背筋が寒くなります。 最終盤の転回はお見事ですが、結局最後までモヤモヤは解決されず。もう一度読んでみると朧気ながらの構図は浮かんでくるのですが、あくまでも朧は朧。その向こうにある真実にはどうやら触れる事はできないようです。まあ、この消化不良感こそが魅力ではありますので、別に解決編を出せ!などとは思っておりません。大変楽しめました。
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不思議と言えばいいのか不気味と言えばいいのか、感想の表現に困った作品。 ホラーというより文章による特殊な怖さなのかなという印象でした。 考察するためにもう1度読んでみたい一方で解説が欲しくなりました笑
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長いまっすぐな展示室で絵を順番にじっくり見ていくような話。美術館にいるときみたいな、ちょっと息がつまるような感じがした。 鞍馬の火祭り行ってみたいけど一人で行くの怖くなっちゃったな。でも誰かと行くと失ってしまうかもしれないからもっと行けなくなっちゃったな。
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