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絞首商會 の商品レビュー

3.1

24件のお客様レビュー

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2024/08/29

大正期の東京、村山博士が刺殺される。 村山邸の庭先で発見されたが、別な所から移動されたであろうことや、鞄の内側が血で酷く濡れていたこと… 不可解なこの怪事件を同じ屋敷に住んでいた水上淑子婦人は、あろうことか以前村山邸に泥棒に入った蓮野を探偵として解決してほしいと頼む。 蓮野が導き...

大正期の東京、村山博士が刺殺される。 村山邸の庭先で発見されたが、別な所から移動されたであろうことや、鞄の内側が血で酷く濡れていたこと… 不可解なこの怪事件を同じ屋敷に住んでいた水上淑子婦人は、あろうことか以前村山邸に泥棒に入った蓮野を探偵として解決してほしいと頼む。 蓮野が導き出した4人の容疑者は…。 誰が怪しいのやら想像つかずに中盤にはいり、井口を叔父にもつ矢笛峯子の大胆な行動に驚きながら終盤になっている。 気づけばこの怪事件は、血液型を探るためのものだけではないのでは…と。 さらに複雑にさせたのは絞首商会という組織に罪を被せることで警察の目を結社に向けたという…。 混乱を極める内容だった。

Posted byブクログ

2024/05/29

『方舟』の夕木春央さんのデビュー作。『方舟』とは全く違う作風でびっくり。大正時代を舞台にしたミステリ。メフィスト賞受賞作とは知らずに読んだのですが、メフィスト賞ぽくないというか地味というか…普通に本格ミステリだったので、そこもちょっと驚きでした。ただ、その地味さは全然悪い意味では...

『方舟』の夕木春央さんのデビュー作。『方舟』とは全く違う作風でびっくり。大正時代を舞台にしたミステリ。メフィスト賞受賞作とは知らずに読んだのですが、メフィスト賞ぽくないというか地味というか…普通に本格ミステリだったので、そこもちょっと驚きでした。ただ、その地味さは全然悪い意味ではなくて。とても丁寧で緻密なミステリで、作者の誠実さが感じられる良作だと思います。私は今作の方が『方舟』より好きです。 舞台は大正時代。ある博士が家の敷地内で他殺死体となって発見される。どうやら無政府主義者の組織によって殺されたらしい。容疑者は4人。彼らは犯人を特定することに非常に積極的だが、それはなぜなのか?そこで元泥棒である蓮野が探偵役を依頼され、友人の画家井口と共に事件の謎を解いていくミステリ。 登場人物たちがとても魅力的でした。人間嫌いで探偵をやることに消極的な蓮野を初めとして、画家の井口とその妻、井口の姪の峯子、井口の画家仲間の大月といった人々が良い味を出していて、彼らが活躍する後半ぐっと面白くなる。女性陣が皆すごく良いんです。 探偵は無責任な仕事、という蓮野の発言はまさに正鵠を射る言葉だと思う。事件に介入し人の秘密を暴き、真実かどうかも分からない推理を開陳する探偵やひいてはミステリの構造の暴力性。探偵は万能ではない。最後、犯人をつきはなすある人物の言動が良かった。

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2024/03/26

ホームズ役とワトソン役みたいな2人が結構好きだったから、続編も読んでみたい。その時代だからこそのミステリーではあるけど、気持ちの良い解決編だった。

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2024/01/10

「方舟」がとても面白かったので、同じ作者のデビュー作ということで購読。大正末期、閑静な住宅街で起きたちょっと変わった大学教授の刺殺事件。重要な関係者と思われる4人が警察ではない人物に、真犯人の特定を依頼する。逮捕ではなく特定を依頼するところがミソで、この謎を巡ってストーリーが展開...

「方舟」がとても面白かったので、同じ作者のデビュー作ということで購読。大正末期、閑静な住宅街で起きたちょっと変わった大学教授の刺殺事件。重要な関係者と思われる4人が警察ではない人物に、真犯人の特定を依頼する。逮捕ではなく特定を依頼するところがミソで、この謎を巡ってストーリーが展開する。500ページを超える長編なのに、物語が破綻せず、最終結論に向けて収束しているのはものすごい力量なんだと思う。方舟に比べるとやや冗長だが、そういったストーリーが好きな人には読み応えのある一冊だと思う。

Posted byブクログ

2023/11/25

舞台は大正時代。4人の容疑者から殺人犯が誰かを見つける話。 調べていけばいくほど複雑で探偵役も乗り気でない。その上さらに事件は起こる。 登場人物がみんな個性的で面白い。 話の展開が読めないが急激に何もかも腑に落ちる終わり方がすごい。面白かった。

Posted byブクログ

2023/10/14

『方舟』の作者のデビュー作だ。読みやすさはあるもののキャラが今ひとつ立って居らずその人物の個性が生きて来ない。またチェスタトンを下敷きにした逆説的な展開はなるほどと思わせてくれるが大きな驚きには程遠く、ピンと来なかった。

Posted byブクログ

2023/08/12

著者新作の「方舟」の売れ行きが大層良いようで、図書館での予約も随分先となってしまったので、デビュー作をまず先に読んでみた。 舞台設定やら伏線回収見事で、さすがはメフィスト賞受賞作品、と思う一方、犯人の動機がどうしても共感できない、と言うか、そんな理由で人は人を殺せるだろうか、と...

著者新作の「方舟」の売れ行きが大層良いようで、図書館での予約も随分先となってしまったので、デビュー作をまず先に読んでみた。 舞台設定やら伏線回収見事で、さすがはメフィスト賞受賞作品、と思う一方、犯人の動機がどうしても共感できない、と言うか、そんな理由で人は人を殺せるだろうか、と、その点はどうしても気になってしまった。

Posted byブクログ

2023/03/25

文体が読みにくいが、雰囲気ある内容で、少しおどろおどろしい感じが楽しめた。 探偵役の蓮野が、かなりの美青年のはずなのだがあんまり目立ってなかったかなー。 美青年ならその魅力を余すことなす全面に押し出してほしかったかも!

Posted byブクログ

2023/03/22

大正時代の雰囲気やおどろおどろしさがよく表れていた。犯人の足取りを追う緻密な捜査と裏付けされる動機も納得できる展開。プロローグがきちんと収まっての伏線回収もお見事。

Posted byブクログ

2023/01/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

容疑者たちの思惑や「なんでそんな疑わしい行動してたのか」の理由が斬新で、ただの犯人当てだけではない面白さがあった。 探偵役とワトソン君役がユニークで、ちょっと他にいない感じの役どころですよねー。 途中ちょっと読み進めにくいところもあったけど、それも時代の雰囲気が出る要素で良いなぁ

Posted byブクログ