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絞首商會 の商品レビュー

3.1

24件のお客様レビュー

  1. 5つ

    0

  2. 4つ

    7

  3. 3つ

    12

  4. 2つ

    4

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2022/12/17

大正時代の東京。法医学博士、村山鼓堂の死体が自宅屋敷の庭で発見された。その屋敷では数ヶ月前にも博士の弟の梶太郎博士が亡くなっていたが、彼が無政府資本主義を掲げる「絞首商会」と関わりがあり鼓堂博士の死は商会の指示があったという証拠が発見された。屋敷に泥棒に入った!縁で蓮見は梶太郎の...

大正時代の東京。法医学博士、村山鼓堂の死体が自宅屋敷の庭で発見された。その屋敷では数ヶ月前にも博士の弟の梶太郎博士が亡くなっていたが、彼が無政府資本主義を掲げる「絞首商会」と関わりがあり鼓堂博士の死は商会の指示があったという証拠が発見された。屋敷に泥棒に入った!縁で蓮見は梶太郎の姪で屋敷の女主人、水上夫人から警察より先に犯人を見つけるよう探偵を依頼される。蓮見と友人の画家、井口が動いていくうちに次々起きる事件と謎に古き良き探偵活劇の香りが感じられていい。井口家の女達の活躍振りもまた。最後には時代背景を含めきちんと落ちる所に落とすけどそれまで視点や舞台がぽんぽん飛ぶのとこれは雰囲気だけでは?な章が挟まるためかどうも読みにくかった。蓮見は絶世の美青年のはずなのに全然顔活かしてないのがちょっと面白かった。

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2022/12/04
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 探偵役の蓮野と助手的な井口の人物設定が、通常的ではないこと。他の登場人物の描写が、ちょっと未整理な感じがすること。たしかに慣れるまでは読みづらい。  ただ、読み手が受け入れられると、重層的な作りを堪能できる。そこまで我慢できるかどうか。

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2022/10/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

文体が時代がかっていてとっつきにくく読みにくい。我慢して読みすすめたけど特に序盤は結構しんどかった。 しかし最後に明らかになる真相は新鮮だった。 犯人の動機は面白かったし、この時代でないといけなかったんだなと腑に落ちた。

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2022/09/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2019年。第60回。 大正時代の推理小説。読みにくいのはそれを意識して書かれているからか? 博士の殺人には、秘密結社の絞首商会が関わっている? 博士の家に泥棒に入り捕まったことのある男が探偵として依頼される。 という世界にひたれれば、楽しいのかもしれないが・・・

Posted byブクログ

2022/03/03

メフィスト賞受賞作。 大正時代。血液学研究の大家が刺殺され、事件の背後には秘密結社「絞首商會」の影が‥以前この屋敷に盗みに入った元泥棒が、遺族に依頼されて事件の解明につとめる。 怪しい動きをする関係者たち、襲われる探偵。サスペンスフルな展開だが、全体的に淡々として少々盛り上がりに...

メフィスト賞受賞作。 大正時代。血液学研究の大家が刺殺され、事件の背後には秘密結社「絞首商會」の影が‥以前この屋敷に盗みに入った元泥棒が、遺族に依頼されて事件の解明につとめる。 怪しい動きをする関係者たち、襲われる探偵。サスペンスフルな展開だが、全体的に淡々として少々盛り上がりに欠ける。しかし時代の雰囲気がいいし、ラストで明かされるそれぞれの事情は斬新で面白かった。

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2021/05/03

 恐ろしいタイトルに興味が湧き、ホラーちっくなミステリーかと思った。  大正9年 東京の法医学博士の村山鼓堂が自宅玄関先で刺殺体で発見された。その3年前には当家の主人で人類学の権威村山梶太郎博士の書斎から現金が盗まれた事件が起こっていた。  梶太郎博士は2か月前に病死したが、...

 恐ろしいタイトルに興味が湧き、ホラーちっくなミステリーかと思った。  大正9年 東京の法医学博士の村山鼓堂が自宅玄関先で刺殺体で発見された。その3年前には当家の主人で人類学の権威村山梶太郎博士の書斎から現金が盗まれた事件が起こっていた。  梶太郎博士は2か月前に病死したが、身の回りの手紙から彼は無政府主義者で外国の同士との遣り取りが見られた。組織名は''絞首商會''だ。  村山家に居候する遠縁の水上女史は鼓堂博士が梶太郎博士の無政府主義の秘密を知った為に仲間に殺されたと考え犯人探しを3年前の盗人である蓮野に探偵を依頼する事から物語が始まる。  容疑者は梶太郎の同士で村山家を監視出来、頻繁に訪れても疑念を抱かれない人物。すなわち水上女史、近所に住み梶太郎と付き合いのある白城、宇津木、生島の4人だ。  凶器のナイフは、空罐に入れられて村山邸から5キロも離れた吾妻橋に捨ててあった。その空罐からは生島の指紋が検出された。  俄か探偵の蓮野と友人で画家の井口が犯人探しをする。4人の容疑者は無政府主義者、それぞれに事情を抱えている様だ。 ・白城、会社の金を横領している。 ・生島、鼓堂や同僚から金を借りている。 ・宇津木、妻が村山家の書生と浮気している。 ・水上、梶太郎の付添で欧州へ行った際に病弱な子供を現地夫妻に預けた。  動機は、資産目当て?妻の不貞? 絞首商會の手助けで外国へ出国する為に犯人を演じる?  舞台は、殆どが村山邸、蓮野と井口の自宅で展開され動きが無く地味です。また大正時代なので、携帯なしメール無し、ネット検索無し、科学捜査無しでひたすらに想像力と推理力を働かせる蓮野の聡明さは泥棒には勿体無いキャラだ。  真相は、容疑者全員が動機が有ったが真犯人の動機は自身の人生が掛かった切ない事情だった。この時代だからこその理由だ。以外な展開に驚きました。

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2020/08/01

京極 夏彦の京極堂が登場したような物語だった。作風も表現もよく似ているなぁと感じた。 前半から後半近くまでひたすら低速走行で、またえらい本掴んでしまったなぁとダラダラ読んでいたが関口よろしく井口が本格的に動き始めた辺りからようやくアクセルを吹かし始めたおかげで後半は一気に読めた。...

京極 夏彦の京極堂が登場したような物語だった。作風も表現もよく似ているなぁと感じた。 前半から後半近くまでひたすら低速走行で、またえらい本掴んでしまったなぁとダラダラ読んでいたが関口よろしく井口が本格的に動き始めた辺りからようやくアクセルを吹かし始めたおかげで後半は一気に読めた。 ミステリーとしてはなかなか仕掛けが多く読み応えは十分。ただし台詞の言い回しがやたらとクドく、作者の粘着性を感じずにはいられない部分は次点。 百鬼シリーズのように続編が出ないことを祈る。

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2020/04/08

メフィスト賞らしからぬオーソドックスな探偵小説。いまいちな文章力と地味なストーリーで盛り上がりに欠けるのは残念ですが、設定を上手く活かしていますし、ホワイダニットのアイデアや畳み掛けも秀逸。ミステリーとしては良く出来ていると思います。

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2020/03/23

古き良き大正時代を舞台に無政府主義の秘密結社が暗躍する。 しっかりと地に足ついた探偵小説の味わいだけど、どこを取っ掛かりに考えていけばいいのか判然としないまま読み進める。 最初の設問をそのまま大事にすれば良かったんだ。すばらしい! とある逆説のロジックがあまりにもまばゆく提示さ...

古き良き大正時代を舞台に無政府主義の秘密結社が暗躍する。 しっかりと地に足ついた探偵小説の味わいだけど、どこを取っ掛かりに考えていけばいいのか判然としないまま読み進める。 最初の設問をそのまま大事にすれば良かったんだ。すばらしい! とある逆説のロジックがあまりにもまばゆく提示されたのですっかり目を瞠り、解決編は正座して読みました。いやほんとにしばらく正座してた。 序盤、中盤とすこし冗長にも感じるけど解決編でしっかり納得。満足。 キャラクターも良い感じに立ってる人が多くてシリーズで読めたらなお嬉しい。

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2020/02/17

第60回メフィスト賞受賞作。 大正時代という時代設定、<絞首商会>なる無政府主義者団体、血液型や解剖学という今で言う法医学と輸血という当時としては最先端医学を研究する博士の殺害。 容疑者は博士の周辺人物四人。 調査を依頼したのはその容疑者四人のうちの一人、そして探偵役は三年前に...

第60回メフィスト賞受賞作。 大正時代という時代設定、<絞首商会>なる無政府主義者団体、血液型や解剖学という今で言う法医学と輸血という当時としては最先端医学を研究する博士の殺害。 容疑者は博士の周辺人物四人。 調査を依頼したのはその容疑者四人のうちの一人、そして探偵役は三年前に博士宅(正確に言えば、博士が居候している博士の親類の邸)に侵入した泥棒。 設定としては興味をそそられるのだが、他のレビュアーさんも書かれているように、なにぶん読みにくい。 正直テンポに乗るまで時間が掛かり、ここを乗り越えられる前に挫折してしまう人も多いかも知れない。 ミステリーの焦点としては ①殺人事件に<絞首商会>なる謎のテロ集団が関わっているのかどうか ②容疑者たち(依頼人も含めて)はどんな秘密を抱えているのか ③何故元泥棒に探偵を依頼したのか なのだが、ここに至るまでがとにかく長い。 その間に探偵役とその助手役、さらにその姪が襲われたり、第二の殺人が起きたり、助手とその妻、助手の友人の活躍があったりとそれなりに場を盛り上げる要素はあるのだが、それが事件の本筋とどう関わりがあるのか分からないためにずっと欲求不満が溜まる。 だが終盤になるとそれらの(一見、骨折り損だけだったような出来事さえ)ピースがきっちり謎解きの鍵になっていることが分かり、きちんと計算され構成された作品であった。 ただ読み手をもう少し物語に引き込むだけの魅力が欲しかった。キャラクターにしても個性的な人物はそれなりにいるのだが、今ひとつ盛り上がりに欠けた気がする。 また肝心の事件の真相にしても、ここまで拗らせる必要があったのかなと疑問が残る。

Posted byブクログ