流浪の月 の商品レビュー
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本屋大賞受賞作品。途中でやめられず一気読み。 いわゆる「普通」から外れることを恐れていた人間と、もともと自由だったが窮屈な思いをしていた人間が出会い、男女の関係なしに惹かれ合う。 ただ、その二人が大学生と小学生であり、誘拐という形をとってしまったことが問題で、二人は大きなデジタルタトゥーを刻まれることになる、、 不幸なことや理不尽なことが次々と二人を襲う。本来社会的制裁を受けるべき人たちがのうのうと生きていることにモヤモヤもする。 ただ、当の二人は、二人一緒ならば幸せそうなのだ。理不尽を受け容れ、または受け流して生きていく境地にいる。二人一緒でいれば、二人が真実をわかっていればそれでいい。ダークな結末でなくて安堵した。 男女の関係だとか、家族の形だとか、世間一般にある「普通」の概念からはかけ離れてはいるけれど、本人が満足しているなら周囲がガヤガヤいうことではない。当たり前だが「普通」の範疇にいれば幸せなのかといえば、必ずしもそうではないわけで。そんなことを新たな形で見せてくれる物語だった。
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ストックホルム症候群といわれようが、ずっと文は素晴らしい人だと声を上げ続けるべきだった。同時に従兄を告発すべきだった。さらには亮も告発すべきだった。 波風を立てるのが苦手のくせに、最終的には頑固。なんと扱いにくい人でしょう。その態度が不幸を呼ぶのだよ。 すべきことをせず、15年...
ストックホルム症候群といわれようが、ずっと文は素晴らしい人だと声を上げ続けるべきだった。同時に従兄を告発すべきだった。さらには亮も告発すべきだった。 波風を立てるのが苦手のくせに、最終的には頑固。なんと扱いにくい人でしょう。その態度が不幸を呼ぶのだよ。 すべきことをせず、15年を過ごした更紗には同情しずらい。 一方、文はえらい。更紗がいる街を探して住み、それでも彼女には会わないと決めて暮らす。 最終的に2人が幸せになれたのは、すべて文のおかげです! 「いろんな家族の形があっていい。杓子定規な家庭じゃなくても幸せはある」がテーマなのかな? でもそれって当たり前では……? それと、文から見た更紗が自由の象徴なのに、当の更紗は何からも自由じゃないのが皮肉ですね。
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あー苦しい。ここに書いた言葉も場合によっては彼らを勝手に判断することになるからあまり書かない。 そして描写が細かくて、本当に読むべき本だと思う。 DVと性加害者は許せない(この加害者とはもちろん文ではない)。 あと他人を勝手に自分の定規で測ること。 正確ではない情報に踊らされる...
あー苦しい。ここに書いた言葉も場合によっては彼らを勝手に判断することになるからあまり書かない。 そして描写が細かくて、本当に読むべき本だと思う。 DVと性加害者は許せない(この加害者とはもちろん文ではない)。 あと他人を勝手に自分の定規で測ること。 正確ではない情報に踊らされること。 隠れている事情を考慮しないこと。 これらも決してしてはならない。 いろんな人がいるしいろんな家族の形がある。 彼らが色々なものに囚われず、のびのび暮らして アイスを頬張っていられますように...
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話の中に甘えが無く、現実味が強い話だった。 ここに出てくる事件のように全く同じニュースはなくても、実際これと似たような思いを持つ人も事件の裏にはあるのかもしれないっていう考えを知って、関わるなら偏見をもつのは良くないなって思った。 ほんとにリアルで、終わり方も変に繕うことない終わ...
話の中に甘えが無く、現実味が強い話だった。 ここに出てくる事件のように全く同じニュースはなくても、実際これと似たような思いを持つ人も事件の裏にはあるのかもしれないっていう考えを知って、関わるなら偏見をもつのは良くないなって思った。 ほんとにリアルで、終わり方も変に繕うことない終わり方でした。ハッピーエンドなのかなバットエンドなのかな。
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凪良ゆうさんの本を最近連続して読んでいる。人気な理由が分かる、1日で読み切ってしまった。 すごく切ない気持ちになりつつも、温かい気持ちで読み終えることができた。他人がどう思うかじゃなくて、自分を生きるということ、大切な誰かといれば自分は1人じゃないということ。誰のためでもなく、自...
凪良ゆうさんの本を最近連続して読んでいる。人気な理由が分かる、1日で読み切ってしまった。 すごく切ない気持ちになりつつも、温かい気持ちで読み終えることができた。他人がどう思うかじゃなくて、自分を生きるということ、大切な誰かといれば自分は1人じゃないということ。誰のためでもなく、自分のために生きようと思わせてくれる、凪良ゆうさんの小説が大好きだ。 ▼印象に残ったフレーズ 甘さとしょっぱさのように、怠惰と勤勉は交互に行うのがよい。 本物なんてそうそう世の中に転がっていない。だから自分が手にしたものを愛と定めて、そこに殉じようと心を決める。それが結婚かもしれない。 知りたかった。本当の自分がどうだったか、自分でもわからないでいるのだ。こうなってしまう前の自分はどんな子だったろう。 憎まれてもいいという決意。あれは見事な去り際だった。 わたしは、あなたたちから自由になりたい。中途半端な理解と優しさで、わたしをがんじからめにする、あなたたちから自由になりたいのだ。
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自由でお洒落で愛情たっぷりな両親に育てられたが突然失い生きる場所を奪われた更紗。 裕福だが抑圧された家庭で育ち両親の期待に添えない苦しみの中で生きてきた文。 普通からはみ出したふたりは違いすぎるからこそ惹かれあい、求め合ったのかもしれない。 背負っていた生きづらさを溶かし、穏やかに楽しく暮らした2ヶ月間も終わりを迎え、犯罪者と被害者としての人生が始まる。 15年後に小さな喫茶店を経営する文と偶然出会う。お互いパートナーがいるが抑圧してきた思いが膨らみさざ波から大きなうねりへ。 いつまでも育たないハズレのトネリコ。自分も引っこ抜かれて捨てられるのでは、、という母を失いたくない思い。苦しくてどれだけ恐怖だっただろう。 身体的な病気に気付いたけれど、相談できず追い詰められて過ごす。文の生い立ちは複雑だ。 誰にも理解されないと思っていた文は味方でいてくれる更紗と梨花という存在得て1人じゃない。 繊細な心の文が傷つかずに生きていけることを願う。 映像で見たい心揺さぶられる一冊。
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面白い。話に引き込まれた。 2人の思いが世間に通じないもどかしさ、世間の一般論とどちらの気持ちもわかる読者だからやるせない気持ちになった。 幸せになったかと思えばまた困難が起こってしまうところがリアルだった。 幸せになって嬉しい。
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更沙ちゃんのお母さん、自由すぎない?生活スタイルが自由なのはいいけど、置きざりはよくない。そこが1番気になった。 更沙ちゃんの10代20代前半が悲惨すぎて、胸に迫って涙がにじんだ。こんなに引き込まれたのは久しぶり。 大宰治を読んでる時と似た心境。 他の凪良ゆうさんの作品もぜひ読み...
更沙ちゃんのお母さん、自由すぎない?生活スタイルが自由なのはいいけど、置きざりはよくない。そこが1番気になった。 更沙ちゃんの10代20代前半が悲惨すぎて、胸に迫って涙がにじんだ。こんなに引き込まれたのは久しぶり。 大宰治を読んでる時と似た心境。 他の凪良ゆうさんの作品もぜひ読みたい。 王様のブランチ(TV)で瀬尾まいこさんと朗らかに笑っておられた姿からは想像できないすごい本でした。
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噂話や、ネット記事を鵜呑みにしてしまいがちな私。 真実は当人にしかわからない。 これからのものの見方が変わる物語でした。
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他人は聞きたいようにしか聞かない 見たいようにしか見ない 更紗が真実をどれだけ他人に訴えても、伝わらないのは読むだけでも辛かった 事実と真実は違う。その言葉の重みを感じる1冊
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