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流浪の月 の商品レビュー

4.4

1930件のお客様レビュー

  1. 5つ

    1009

  2. 4つ

    607

  3. 3つ

    189

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  5. 1つ

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2024/05/21

人と違うことがどれだけ辛くて幸せなことかがわかった。それに事情ってのは当事者にしか分からないものなんだ、周りがなんか言うもんじゃないなと感じた。最後まで読んでもっかい読みたくなる作品でした。

Posted byブクログ

2024/05/21

自分と異なることに対して不快に感じてしまうこともあるが、それはその人のほんの一部でしかないかもしれない。その人の本質ではないかもしれない。しかしその違いに対する違和感を自分の普通という定規で勝手に測り、自分の好きなように解釈し、正しさを押し付ける。場合によってはそれが善意や道徳心...

自分と異なることに対して不快に感じてしまうこともあるが、それはその人のほんの一部でしかないかもしれない。その人の本質ではないかもしれない。しかしその違いに対する違和感を自分の普通という定規で勝手に測り、自分の好きなように解釈し、正しさを押し付ける。場合によってはそれが善意や道徳心という皮をかぶっていることがあるので、余計にたちが悪い。 登場してくる周りの人物には「いいから二人のことをそっとしておいて」と思った。 翻って自分は人に対してどのような関りをしているだろう。そもそもこの本を手に取ったきっかけは、妻との会話の中で私が妻の育ってきた家族の、とある側面に対して自分の常識の基準で測り、ジャッジをしてしまったことがあった。そのことを嫌に感じた旨を妻に伝えられたタイミングに偶然「流浪に月」の紹介動画を視聴し、読むことを決めた。 この背景を踏まえ、今後私は自分の常識と人の考え方に違いを感じた際に2つのアプローチを取ろうと思った。 ・(自分の人生に関係がない相手に対しては、)その方があまりに周りに迷惑をかけているのではない場合はそっとしておく。 ・(自分の人生において重要な相手に対しては、)その人の成長や幸せを願いながらも、その人なりのやり方で、そうなっていくことを願う。 私にとっては2つ目が特に重要である。例えば妻が分かりやすい例だが、自分にとって大切な人ほど、その人への関心が強くなり、私はおせっかいをしてしまう。そして、自分からは理解しがたいような違いを感じた時に、自分の正義を押し付けてしまいがちになる。その場面を減らしていくために私は、相手への関心を薄めていく、無関心になっていくしか方法がないかと思っていた。しかし、この本と、その直前に読み私のバイブルになった「愛するということ」を組み合わせて考えてみると、真の愛においては、その人なりのやり方で成長・幸せになることを願う姿勢も要素としてあることに気が付けた。 文章の中で印象的だったのセリフとしては「「友達と連絡は?」- 首を振るわたしに、文は、そうか、と言っただけだった。安易に子供を預かるからだとか、なにか前兆を感じなかったのかとか、これからどうするんだとか、すぐ警察に届けろとか、普通ならいろいろ言われるのだろう。そういう言われなくてもわかっていることを、わざわざ口にしないでくれることがありがたかった。」 つまり解説にもあったように、「そっとしておくこと、ほうっておくことこそが優しさとして作用する場合がある。けれどもその態度は相手への無関心ではなく、あなたがあなたのままでいてほしいと願い。干渉ではなく隣にいることを願うこと」である。 今後大切な人の考え方や育ってきた環境などについて、自分の常識とは異なると感じた瞬間を前にしたときには、自分の正義を押し付けるのでも、無関心で相手をあしらうのでもなく、その人なりのやり方は尊重しつつ、その人を幸せを願う、という選択肢を取っていきたい。 #小説自体への感想 非常によくできた内容だと思う。文章も素晴らしかった。中盤あたりは胸が苦しくなるような展開が続くが、作者に対してよくもまぁ、こんなに嫌な展開を思いつけるなぁと、とっても感心した。 ただ、最終的には底までは入りきれず、最後にすごく感動ができなかったため、この評価とした。理由はもしかしたら、途中の嫌な描写がキツかったかもしれないことや、あるいは私の最近の精神状態だったり、読書の環境だったり、いくつか考えられるかもしれないが、正直答えは分からない。 ただ私の人生にとって大切なことに気づけた、この本との出逢いにとっても感謝している。

Posted byブクログ

2024/05/20

人には相性と言うものがあるのだなとつくづく考えさせられた一冊。肉体関係など必要ない。相手に求める事もない。ただ一緒にいて安心できる。自分の心を素直に表現する時、周りの人を苦しめてしまったが、結局は行き着くところへ行き着いた感じ。如何ともし難い焦ったさがうまく伝わってくる作品である...

人には相性と言うものがあるのだなとつくづく考えさせられた一冊。肉体関係など必要ない。相手に求める事もない。ただ一緒にいて安心できる。自分の心を素直に表現する時、周りの人を苦しめてしまったが、結局は行き着くところへ行き着いた感じ。如何ともし難い焦ったさがうまく伝わってくる作品である。

Posted byブクログ

2024/05/16

主人公2人が、悲しい事を抱えつつも、日々の生活のなかでほっこりもできる物語です。 あまり例がないので、表現が難しいけど、素敵な男女の人間関係が描かれています。 個人的な感想ですが、内容も全然違うけど、小川糸さんのツバキ文具店を読み終えた感覚とちょつと似ています。 事件の事...

主人公2人が、悲しい事を抱えつつも、日々の生活のなかでほっこりもできる物語です。 あまり例がないので、表現が難しいけど、素敵な男女の人間関係が描かれています。 個人的な感想ですが、内容も全然違うけど、小川糸さんのツバキ文具店を読み終えた感覚とちょつと似ています。 事件の事実と当事者のみが知る真実の乖離、ネットで拡散されて絶対に消えない誤った内容、怖いね。

Posted byブクログ

2024/05/11

イヤミスと聞いていたけど叶わない恋とかそっちより。 おもろい。久しぶりに本を読んで読み切れた。 熱が出て暇なのもあいまる。 真実と事実は違うんだなと。気をつけねば。

Posted byブクログ

2024/05/08

2024.5.8 「普通」ではない人が生きていくことの辛さ、疎外感が胸に迫ります。そして、被害者も加害者(とされた人)も社会的に抹殺するデジタルタトゥー、今の日本のあり方に怖しさを感じました。 ただ、物語の中で、二人が逃げ続けることができたのは、贈与された資産があるからであって、...

2024.5.8 「普通」ではない人が生きていくことの辛さ、疎外感が胸に迫ります。そして、被害者も加害者(とされた人)も社会的に抹殺するデジタルタトゥー、今の日本のあり方に怖しさを感じました。 ただ、物語の中で、二人が逃げ続けることができたのは、贈与された資産があるからであって、実際にそのような目にあったら、悲惨な未来しか思い浮かびません。

Posted byブクログ

2024/05/07

事実と真実はちがう。 事実は解釈であり、何通りもの解釈が存在する。 ということが、作品を通じてずっと描かれている。 印象的だったのは解説。 「誰かが秘密を持っていたら、打ち明けたら?と促してしまうことはないか。自分だったら打ち明けたら楽になるだろう、と。 それは、秘密を秘密の...

事実と真実はちがう。 事実は解釈であり、何通りもの解釈が存在する。 ということが、作品を通じてずっと描かれている。 印象的だったのは解説。 「誰かが秘密を持っていたら、打ち明けたら?と促してしまうことはないか。自分だったら打ち明けたら楽になるだろう、と。 それは、秘密を秘密のままにしておく権利を侵害しているのではないか。」 作中では、文がまさしく秘密のままにしておく権利を無意識的に遵守していると思った。 なにも聞かない、責めない、受け入れる。 優しい人間、強い人間とはなにかを 考えるきっかけとなりました。

Posted byブクログ

2024/05/06

 「事実と真実はちがう」。何度か耳にしてきた言葉。そして、この物語はそれを如実に表している。  真実を語ろうとしても、周りの人達は自分たちが見た、報道で知った事実こそが正しいと捉え、それを元に主人公更紗、そして文をレッテル貼りをする。非難する。  ほとぼりが冷めたと思っても、蒸...

 「事実と真実はちがう」。何度か耳にしてきた言葉。そして、この物語はそれを如実に表している。  真実を語ろうとしても、周りの人達は自分たちが見た、報道で知った事実こそが正しいと捉え、それを元に主人公更紗、そして文をレッテル貼りをする。非難する。  ほとぼりが冷めたと思っても、蒸し返そうとする人達がいる。その彼等の言い分を真に受け、更に更紗、文を非難する。    そういう姿は現実にもあることだと思う。真実を知っているのは当事者。私たちが知ることをできるのは「報道」というフィルターを通しての事実。そこに自分自身が経験してきたことも加味して、それが真実だと思ってしまいがちではないだろうか。  そんな周囲の目に諦めたくなってしまうこともあるだろうけど、理解してくれる人もいる。少人数であっても、それで救われたりもする。  凪良ゆうさんの著書は初めて読みましたが、楽しめました。

Posted byブクログ

2024/05/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

とても重たい部分があるので、ゆっくり読むとしんどそう。更紗はもうちょっとうまくやれるだろうと思って歯痒い。

Posted byブクログ

2024/05/01

こんなに続きが気になって読み続けてしまう本は初めてだった。恋愛小説かと思いきや、それぞれの抱える問題が絡み合ってとても深い。すごく面白かった。

Posted byブクログ