日本近現代史講義 の商品レビュー
なぜ第一次・第二次世界大戦が起こったのかであったり、なぜ日中・日韓関係がこじれているのかといったことの理解につながる良い本だと思いました。 明治維新から戦後までの、諸外国との関係性をざっとつかむのに適していると思います。 各章で執筆者が異なり、時系列順に主要トピックを扱っています...
なぜ第一次・第二次世界大戦が起こったのかであったり、なぜ日中・日韓関係がこじれているのかといったことの理解につながる良い本だと思いました。 明治維新から戦後までの、諸外国との関係性をざっとつかむのに適していると思います。 各章で執筆者が異なり、時系列順に主要トピックを扱っていますが、キーワードは章をまたいでも何度も出てくるので、読みながら復習できる箇所も多かったです。 主張が偏っているような印象は受けませんでしたが、歴史は色々な見方があると思うので他の文献も参考にしたいと思います。
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今年は選挙が多くある年(2021年)なのだが、この本を読んで良かったとつくづく思う。専門家向けでなく、一般向けで実に示唆に富む現代史の成果である。
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半藤一利著『昭和史』を読んでから歴史に興味がある。特に近現代史に興味があり、本書を読んだ。 結論から言うと、大変勉強になった。 各専門家が各テーマに沿ってコンパクトにポイントを論じている。それゆえ経緯の説明が不十分なところがあるが、『昭和史』を読んで通史が頭に入っているから問題な...
半藤一利著『昭和史』を読んでから歴史に興味がある。特に近現代史に興味があり、本書を読んだ。 結論から言うと、大変勉強になった。 各専門家が各テーマに沿ってコンパクトにポイントを論じている。それゆえ経緯の説明が不十分なところがあるが、『昭和史』を読んで通史が頭に入っているから問題ない。さらに学びたい人のために参考文献が示されているのも良い。 歴史は解釈である。事実をどう解釈するかで意見が分かれる。事実が判明しないこともある。その場合は解釈の幅も広がるが、全ては事実の解釈である。結論にたどり着けるかどうかさえ分からない科学の研究とは異なる。ゆえに歴史の勉強は安定感がある。 知りたいのは今だ。いまの日本であり日米関係であり、日中関係が知りたい。そのためには近現代史を学ぶのが有効だ。 近現代史を学べば今が見えてくる。今の事象の奥にあるロジックが見えて来る。 【補足】通史を学ぶことが大事であることを痛感した。『昭和史』を読んでいなければ本書を読みこなせなかっただろう。大雑把でも良い。通史を学べば全体像を掴める。詳細を詰めるのはその後で良い。 詳細は面白いが、通史はつまらない。その通史を面白く語れた半藤一利氏は改めて稀有な存在であった。 学者の林望氏は「学問とは歴史と註釈である」と言った。全ての学問は、その学問の歴史を学び新たな解釈を付けることなのだ。 ゆえに、歴史の学び方は全ての学問に通じる。それは、「通史を学び、詳細を詰める」の順番だ。
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高度な内容だと思いましたが、簡潔にまとめられており、勉強になりました。日本の近現代史を世界史の中において見ていく点は納得感が高いですね。自分には特に第7章、第8章が勉強になりました。
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明治維新から、日清、日露、第一次大戦、日中戦争、太平洋戦争、東京裁判、戦後の日中関係、現在の「歴史認識」まで、それぞれの専門の歴史家が14の章で事実中心に語る新書。 このところ「なぜ日本は太平洋戦争に突入したのか?回避していたら何が起こったのか」に興味があったので読んでみました...
明治維新から、日清、日露、第一次大戦、日中戦争、太平洋戦争、東京裁判、戦後の日中関係、現在の「歴史認識」まで、それぞれの専門の歴史家が14の章で事実中心に語る新書。 このところ「なぜ日本は太平洋戦争に突入したのか?回避していたら何が起こったのか」に興味があったので読んでみました。それに対する簡単な答えは書いてないのですが、色々勉強になる一冊。 日米中の関係が今後色々動きそうな今こそこういう過去の歴史は大事だと思う。 後書きに面白いことが二つあった。ひとつはキューバ危機の最中にケネディは「八月の砲声」という第一次大戦開戦の経緯の本を読んでいた、という話。もう一つはこの本のネタは自民党が2015年に党内で開催した歴史セミナーであるということ。今の政治家のなかにも歴史に学ぼうという動きはあるようです。
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高校生に近現代史を教える中でもっと詳しく近現代史を知らなければと思い購入した本書。高校1年生以来、日本史を学んで来なかった自分でも、教科書の基礎的な知識の隙間を埋めるように簡潔に書かれているため理解がとても容易だった。 主観によるイデオロギー対立を乗り越え、まずは自分がどんな主張...
高校生に近現代史を教える中でもっと詳しく近現代史を知らなければと思い購入した本書。高校1年生以来、日本史を学んで来なかった自分でも、教科書の基礎的な知識の隙間を埋めるように簡潔に書かれているため理解がとても容易だった。 主観によるイデオロギー対立を乗り越え、まずは自分がどんな主張を持っていようとも、歴史を真摯に見ることは大切であると再認識できた。
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左右どちらかに偏ることなく、丁寧に日本の近現代史を俯瞰することができました。 それにしても朝鮮という国が、遥か昔より様々な国々から翻弄されてきたこと…。その悲しさを改めて知ったように思います。その理由が単なる地勢的なものなのか、民族としての弱さなのか…。
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明治維新から戦後日中関係までを概観。単に史実をなぞるだけでなく、各章の筆者がそれらの意義について総括を試みている点が特徴。各章の参考文献も挙げられており、より知見を深めたい初学者にもやさしい。序章と最終章ではマクロ的視点から近現代史を俯瞰し、歴史学の意義や歴史認識の在り方について...
明治維新から戦後日中関係までを概観。単に史実をなぞるだけでなく、各章の筆者がそれらの意義について総括を試みている点が特徴。各章の参考文献も挙げられており、より知見を深めたい初学者にもやさしい。序章と最終章ではマクロ的視点から近現代史を俯瞰し、歴史学の意義や歴史認識の在り方について一石を投じている。これらの論考も大変興味深い。
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学生時代の歴史の授業では,どうしても手薄になってしまいがちですが,今の日本にとっても重要な現代史を,一通り学ぶことができます。 一流の学者の方が執筆しておられることもあり,なかなかすらすらとは読み進められないところもありましたが,ニュートラルな記述でありつつ,こういう見方もある...
学生時代の歴史の授業では,どうしても手薄になってしまいがちですが,今の日本にとっても重要な現代史を,一通り学ぶことができます。 一流の学者の方が執筆しておられることもあり,なかなかすらすらとは読み進められないところもありましたが,ニュートラルな記述でありつつ,こういう見方もあるのかと非常に興味深かったです。 特に対外関係に関する歴史について,諸外国それそれの事情があり,一筋縄でいかないのも当然だと妙に納得しました。 今後の日本のありようを考える上でも,歴史を知ることは必須だと感じました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
日本近現代史講義というタイトルだが、主に扱っているのは東アジアとの関わりについて。日本の近現代史を扱おうとすると、自然とそうなってしまうのだろうけど、ややタイトルがミスリードであるような気がした。
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