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掃除婦のための手引き書 ルシア・ベルリン作品集 の商品レビュー

4.2

125件のお客様レビュー

  1. 5つ

    48

  2. 4つ

    36

  3. 3つ

    18

  4. 2つ

    3

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2022/04/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

コインランドリー、アル中、介護、矯正器具ーある女性の密やかで波乱万丈の人生 「この「わたし」は何人目??」と思ってしまうほどひとつの人生で強烈な数々の体験を持つ著者の短篇集 酷い体験なのに乾燥した読み心地。全然湿っぽくない。それがいい読後感をもたらします 一気に読んでしまいましたが1日1篇ずつ読むぐらいのスピードがいいのかも…じわじわ味わいたい本 個人的お気に入り 「ドクターH.A.モイニハン」 怖い祖父の仕事と狂気、幼い日の思い出、酷い祖父だけど思い出はある 「星と聖人」 学校の教会、憩いの場所とシスターとわたし。 「わたしの騎手(ジョッキー)」 2頁なのに強烈なインパクト、痛みを書くのが上手いなぁ 「ママ」 「あとちょっとだけ」 この2篇は妹とわたしの話。私にも姉がいるので妹とのやり取りが印象に残りました。姉妹というのは心強いものなのです 「巣に帰る」 1冊の終わりにバッチリとハマる。 読み始めてすぐに好きになりました。なぜだろうと思ったら私の好きなアリス・マンローに影響を与えた、ということで納得

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2022/04/11

著者は父親の仕事の関係で鉱山町を転々とし育ち、3度の結婚と離婚を経験。高校教師、掃除婦、ERの看護師などの仕事をし4人の息子を育てた。という生い立ちを知った時点で彼女の人生を知りたくなった。多分、自伝的な短編集なのでと思う。幼い頃から晩年にかけてまでの出来事が、切り取られた写真の...

著者は父親の仕事の関係で鉱山町を転々とし育ち、3度の結婚と離婚を経験。高校教師、掃除婦、ERの看護師などの仕事をし4人の息子を育てた。という生い立ちを知った時点で彼女の人生を知りたくなった。多分、自伝的な短編集なのでと思う。幼い頃から晩年にかけてまでの出来事が、切り取られた写真のネガを探し出し繋げていくかのように読んだ。 一人の女性の人生なのに、様々な人の人生を垣間見るようで、境遇は全く違うのに親しみのような感情を抱きました。ずっと読みたかった作品でやっと読めました。 

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2023/02/03

「ああ、ほんとにきれい。あの鼻。夏なのにグレーのネル着て。なのにとっても不幸そう。きっと好きな人がいるのね」

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2022/02/02

最高。古い写真を見ながら、話を聴いていくあの感じ。きちんと整理されているアルバムではなく、バラバラで、大切なのか失敗写真なのかわからないような写真から出てくる話。私の・私こそが、生きた・話し。話しのオチ?そんなもの知るか。と、口を開けてぼやっと待っていると、ピシャっと頬を打たれる...

最高。古い写真を見ながら、話を聴いていくあの感じ。きちんと整理されているアルバムではなく、バラバラで、大切なのか失敗写真なのかわからないような写真から出てくる話。私の・私こそが、生きた・話し。話しのオチ?そんなもの知るか。と、口を開けてぼやっと待っていると、ピシャっと頬を打たれる。行ってみたいチリ、メキシコ。

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2022/01/23

鮮やかに切り取られた人生のシーンが、痛みの実感をともなって再現される。 彼女はいったい何人分の一生を送ったのだろう? 「ママ」、泣いてしまった。

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2021/12/31

文学ラジオ空飛び猫たち第42回紹介本。 短編集のベースにあるのは波瀾万丈の作家ルシア・ベルリンの実人生。結婚と離婚を繰り返し、4人の息子を育てるシングルマザーになり、チリとメキシコとアメリカを渡り、様々な職を経験し、アルコール依存症になり、小説を書いては遅咲きでデビューします。 ...

文学ラジオ空飛び猫たち第42回紹介本。 短編集のベースにあるのは波瀾万丈の作家ルシア・ベルリンの実人生。結婚と離婚を繰り返し、4人の息子を育てるシングルマザーになり、チリとメキシコとアメリカを渡り、様々な職を経験し、アルコール依存症になり、小説を書いては遅咲きでデビューします。 見たこと感じたことをそのまま書くというスタイルも魅力の一つで、描写から強烈にリアリティを感じれます。 ラジオはこちらから→https://anchor.fm/lajv6cf1ikg/episodes/42-e11dehl

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2021/10/31

今まで読んだことがないような短編集でした。 折に触れ、何回も再読するたびに違う感想が得られそうな小説だと思います。 いつまでも 忘れられない感じ。

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2021/10/19

名訳者岸本佐知子さんが、ぜひとも自分の訳で出版したいと熱望して実現させた本書の日本出版。 ベルリンの文章の客観性と語りすぎない言葉の選択の素晴らしさに、この作家を知って良かったと感じます。 2020年本屋大賞翻訳小説部門第2位受賞作。

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2021/10/14

饒舌の帝王の本を読んだばかりだったので、小説たるものたとえどんな短い短編でもあれだけ個人の歴史や性格や経緯を描写するものなんだ、と思い始めていた価値観を撃ち抜くルシア・ベルリン最高。 ほんの数ページの短編に「いま目の前何が通った!?」みたいになった。

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2021/10/11

傑作です!小説とはどういうものなのかをあらためて考えさせられた。表紙は著者本人です。エリザベス・テイラーみたいな美人。

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