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「帝国」ロシアの地政学 の商品レビュー

4.3

28件のお客様レビュー

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2023/12/08

ロシアの主権や勢力圏に対する考え方に触れられるいい本だった。 ロシアなりのロジックを理解する助けになった。 (無論、ロシアのロジックは国際的な標準とは程遠いものだが……)

Posted byブクログ

2023/04/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2019年7月発行。コロナ禍とウクライナ侵攻前というと隔世の感が出てきた今日この頃(2023年4月)ですが、ロシアという国がどういった思想によって政治を行っているのかがよく分かる良書だと思います。 バルト三国やウクライナとの関係についてはここ最近よく取り沙汰されているので馴染みがありましたが、中東とロシア、北方領土、北極についてはまだまだ不勉強、というか北極を巡る攻防は初めて知りました。北極を中心にした地図を見ると不安が募ります。 ***************************************** 本書とはあまり関係がありませんが、バルト三国というとチャペック『オランダ絵図』の「小さな民族」の冒頭、ラトヴィア人の若者の「どの言語で仕事をしていくべきなのか」という苦悩を思い出します。バルト三国は、今まさにロシアから離れていこうとしていますね。

Posted byブクログ

2023/03/21

とても面白かった。 私にとっては馴染みのない分野の書籍だったが、読みやすかった。 大国ロシアの国家戦略を簡単には理解することはできないが、ひとりの日本人学者の視点を通して、ロシアの一端を理解させてくれる。 物事に対しての認識や、優先事項の異なる国家と国家との関係を良好に保つために...

とても面白かった。 私にとっては馴染みのない分野の書籍だったが、読みやすかった。 大国ロシアの国家戦略を簡単には理解することはできないが、ひとりの日本人学者の視点を通して、ロシアの一端を理解させてくれる。 物事に対しての認識や、優先事項の異なる国家と国家との関係を良好に保つためには、相手への想像力を大切にしながら、愚直にコミュニケーションをとりつづけなければならないと感じた。

Posted byブクログ

2023/02/15

日本は日米安全保障条約体制にあるのでロシアから見たら「半主権国家」としか見做されていない。 旧ソ連構成国も同様に主権国家ではなくロシアが主権を持ってるものなんだと思っている。 シンプルに書いてしまいましたがそのような考えを持っているんだということがよく理解できました。

Posted byブクログ

2022/12/03

2016年にプーチンとロシア軍について著した二冊によって新進気鋭の専門家として認知された筆者が今をときめくウクライナシリーズともいうべき論説を展開し始めた一冊。クリミア併呑、ドンパス侵攻に言及するのはもとより、そこまでに至るロシアにとっての「必然性」に関し幾つかの異なる角度から論...

2016年にプーチンとロシア軍について著した二冊によって新進気鋭の専門家として認知された筆者が今をときめくウクライナシリーズともいうべき論説を展開し始めた一冊。クリミア併呑、ドンパス侵攻に言及するのはもとより、そこまでに至るロシアにとっての「必然性」に関し幾つかの異なる角度から論考するお馴染みのパターンがもう確立している。本書では一見関連がなさそうな中東介入と北極戦略に関する二章が目を引く。

Posted byブクログ

2022/11/29

ジョージアが「ロシアとの紛争を抱えている限り、集団防衛機構であるNATOはロシアとの戦争を避けるために加盟を認めることはできない」 ウクライナが「ロシアとの終わらない紛争を抱えているということは、当面はNATO加盟が不可能になる」 「戦争状況を継続させることそのものがロシアの目標...

ジョージアが「ロシアとの紛争を抱えている限り、集団防衛機構であるNATOはロシアとの戦争を避けるために加盟を認めることはできない」 ウクライナが「ロシアとの終わらない紛争を抱えているということは、当面はNATO加盟が不可能になる」 「戦争状況を継続させることそのものがロシアの目標であると考えられよう」 「ロシアにとって重要なのは、旧ソ連諸国に対して介入を行う際、西側がそこに横槍を入れてこないよう抑止しておくことである」

Posted byブクログ

2022/10/31

「境界」の概念を軸として、ロシアの地政学的戦略を解説。現在のロシアによるウクライナ侵攻前に出版された本だが、今に至るロシア(プーチン政権)の国際秩序等についての考え方(浸透膜のような境界観、「勢力圏」の論理など)について理解が深まった。 安倍政権下の北方領土交渉における日本の考え...

「境界」の概念を軸として、ロシアの地政学的戦略を解説。現在のロシアによるウクライナ侵攻前に出版された本だが、今に至るロシア(プーチン政権)の国際秩序等についての考え方(浸透膜のような境界観、「勢力圏」の論理など)について理解が深まった。 安倍政権下の北方領土交渉における日本の考え方がいかに甘々だったかも再認識した。日本はロシアから「半主権国家」とみなされてるというのは納得感があった。

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2022/10/29

わかりやすい言葉で、多くのことを知りました。温暖化による北極圏の氷が溶ける、といったことも勢力圏に関係してくるとは。

Posted byブクログ

2022/10/07

イズムィコ先生の代表作。ロシアの対外戦略を勢力圏をキーに読み解きます。勢力圏の概念自体は19世紀や20世紀には存在して今も根底にはあるのでしょうが、それを武力で公然とは主張しないというのが国連時代のルールなんじゃないのかなとは思うわけで。そもそも過去の最大領土を元に現在の勢力圏拡...

イズムィコ先生の代表作。ロシアの対外戦略を勢力圏をキーに読み解きます。勢力圏の概念自体は19世紀や20世紀には存在して今も根底にはあるのでしょうが、それを武力で公然とは主張しないというのが国連時代のルールなんじゃないのかなとは思うわけで。そもそも過去の最大領土を元に現在の勢力圏拡大していこうっていうのは、一度も負けたことの無い国の我儘でしかない気がします。

Posted byブクログ

2022/08/19

プーチン大統領の頭の中を知りたい、西側の理論ではなくロシアの立場に立った時の見方を知るべきではないか、と思って何冊かの本を読んでいます。いくつかの発見はありました。例えば ・2007年2月のプーチン氏の演説は民主主義を標榜する西側の論理?のみが唯一の正義と見なされることに対する反...

プーチン大統領の頭の中を知りたい、西側の理論ではなくロシアの立場に立った時の見方を知るべきではないか、と思って何冊かの本を読んでいます。いくつかの発見はありました。例えば ・2007年2月のプーチン氏の演説は民主主義を標榜する西側の論理?のみが唯一の正義と見なされることに対する反論。 ・クリミア侵略についての考え方としてクリミアはロシアと(ロシアの一部であるところの)ウクライナの共有財産であり地域安定のための重要なファクターなので強く安定した主権(ロシア)の下になければならない。 ・他国に依存せず「自由」=自己決定権を自らの力で保持できる国だけがプーチン大統領の言う「主権国家」であり、この要件には軍事力(核保有含む)が含まれており、この能力を持たない旧ソ連諸国(ドイツも日本も)は真の「主権国家」ではないと見なされる。 ・ロシア、中国にとって不安定で巨大な国家を統治する上で不可欠な体制が権威主義体制なのであり安易な民主化は国家の崩壊を招きかねないと見なされている。 プーチンにとっての言葉の定義(自由、主権国家など)は私達=西側とかなり違うことを再認識しましたが、プーチンは「国家」を優先する余りその中にいる「人」への優先順位が低くならざるを得ないのかと感じました。

Posted byブクログ